SSブログ

791.日本主導のアフリカ開発会議、ナイロビ宣言採択し閉幕ー2016.8.29 [政治ー外交、国際ーアフリカ]

(a)日本語のニュース


日本が主導するTICAD=アフリカ開発会議は、28日、ケニアの首都ナイロビで、アフリカの経済構造改革の促進などをうたった「ナイロビ宣言」を採択し閉幕しました。
アフリカで初めて開かれたTICAD=アフリカ開発会議は、ケニアのナイロビで、安倍首相やアフリカ各国の首脳らが出席して2日間にわたって行われ、28日、会議の成果を盛り込んだ「ナイロビ宣言」を採択して閉幕しました。
「ナイロビ宣言」は、原油などの資源価格の下落がアフリカ諸国の財政悪化を招いているとして、資源輸出への依存を減らして経済の多角化を進めることやエボラ出血熱の感染拡大が経済活動をまひさせたとして、医療・保健体制を強化すること、それに、テロを強く非難し、根絶に向けて、教育、技術・職業訓練などを通じて、社会を安定化させることなどが必要だとしています。
また、「ナイロビ宣言」では、海洋進出を強める中国を念頭に国際法に基づいた海洋秩序を維持することや日本の常任理事国入りを含む国連安全保障理事会の改革を早急に進めることも盛り込まれています。

安倍首相は、27日1日目の会議で演説し、日本は、アフリカのインフラ整備や人材育成などに、今後3年間で官民で3兆円、およそ3000億ドルを供与することを明らかにしました。また、アジアとアフリカを結ぶ「自由で開かれたインド太平洋戦略」という考えを新たに打ち出しました。

(a) ニュースの背景

TICAD=The Tokyo International Conference on African Development アフリカ開発会議は、日本政府主導のアフリカ開発に向けた国際会議のことです。1993年から5年ごとに東京、横浜で開かれてきましたが、今回は第6回目で、初めてアフリカで開かれました。今後は、3年ごとに日本とアフリカの交互開催方式になっています。

中国アフリカ協力フォーラムは、中国政府主導の中国とアフリカの経済協力について話し合う会議で、2000年北京で初めて開催され、3年ごとに開かれています。2015年の首脳会議にはアフリカからおよそ50か国が参加しました。中国は、社会基盤整備などのために600億ドル(およそ6兆円)を拠出すると発表しました。

アフリカは、今後、人口の増加と経済成長が見込まれています。アフリカの人口は、2050年には現在の倍以上のおよそ25億人に激増すると予測されています。消費活動を活発に行える年間所得5000ドル(およそ50万円)以上の世帯も、2000年のおよそ5700万世帯から、2020年には1億2700万世帯へと倍増する見込みです。
しかし、アフリカは、一方で 困難な課題も多く抱えています。テロ活動が活発化し、治安が悪い地域が多い、腐敗、汚職がはびこり、わいろ要求も行われている、インフラ不足が深刻で、慢性的な交通渋滞などで物流の障害になっている、投資などの制度が未整備で、認可取得といった手続きが煩雑、資源依存の経済、弱いい保健システムなどがあげられています。さらには、もっと肝心な子供たちへの教育の普及と女性の地位の向上があります。

(b) 英語のニュース

Leaders from Japan and African countries have agreed to promote investment in quality infrastructure in Africa to create jobs and technology transfer, thereby contributing to economic growth in the region.
This was contained in the Nairobi declaration adopted at the Tokyo International Conference on African Development or TICAD which ended in the Kenyan capital of Nairobi, on Sunday. Prime Minister Shinzo Abe represented Japan at the conference – the first TICAD meeting ever held in Africa.
The declaration calls for diversifying African economies instead of depending heavily on exports of natural resources.
It also calls for improving medical and health systems in Africa after the spread of Ebola virus disease paralyzed African economic activity.
The declaration condemns terrorism and recognizes the need to create more stable societies to eliminate it.
It also mentions the importance of United Nations Security Council reform, including the proposed appointment of Japan as a permanent member.

At the first-day session on Saturday, Japanese Prime Minister Abe said that the Japanese government and private sectors will invest 3 trillion yen or about 30 billion dollars in Africa over the next 3 years.
He also referred to a new strategy in Japan’s foreign policy calling for peace and the rule of law in the Pacific and the Indian Oceans.

(c) ニュースの比較研究

ケニアの首都ナイロビで開かれたTICAD=アフリカ開発会議のニュースについては、日本のメディアは、安倍首相に同行した記者団が送ってくるニュース原稿で大きく報道していましたが、外国のメディアは、ほとんど報道していませんでした。

コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

790. 自衛隊、安保法の新任務の訓練開始ー2016.8.25 [政治ー防衛]

*2016.8.27の阿佐谷のテキスト(784~790とイタリアの地震250人以上死亡、コロンビアで和平合意は当日資料配布)

(a) 日本語のニュース

日本の自衛隊が、安全保障関連法に基づく新しい任務についての訓練を始めました。
今年3月集団的自衛権の行使を可能にすることなどを盛り込んだ安全保障関連法が施行されたのを受けて、防衛省では、新たな任務について準備を進めてきましたが、一定のめどがたったとして訓練を始めることになったものです。
このうち、国連のPKO=平和維持活動にあたるため、今年11月アフリカの南スーダンに交代で派遣される予定の部隊について、25日から2か月程度、武器を使って他国の部隊などを救援する「駆けつけ警護」や他国の部隊とともに武器を使って宿営地を守る任務などの訓練を始めたということです。
「駆けつけ警護」は、安全保障関連法の中の改正PKO協力法に盛り込まれ、離れた場所で国連やNGO職員などが武装集団などに襲われた際に、武器を持って助けに行く任務のことです。
このほか、重要影響事態法による後方支援の訓練を視野に、日米共同訓練や多国間共同訓練などについても今後実施していくことにしています。

(b) ニュースの焦点

南スーダンでは、合わせて13か国の部隊がPKO活動に参加しているほか、国連のスタッフなど2000人以上が支援活動を行っていて、「駆けつけ警護」の任務としては、こうした人々への対応が考えられます。また、南スーダンの首都ジュバにある自衛隊の活動拠点は、インドなど6か国のPKO部隊の宿営地の中にあり、ここが攻撃された場合、これらの部隊とともに防護に当たることが想定されています。

今後は、自衛隊の中で実際に訓練が始まったことで、南スーダンPKOへの次期派遣部隊に実際に「駆けつけ警護」の任務を与えるかどうかが焦点になります。政府は、10月上旬にもNSC=国家安全保障会議を開き、新任務付与についての是非を判断する方向だといわれています。
7月に南スーダンの首都ジュバで起きた大規模な戦闘で多数の市民が巻き添えになったほか、各国外交官や国連職員、NGOや企業の人たちが脱出するなど危険な状態が伝えられました。
こうしたことから、派遣される自衛隊員の安全の確保も大きな課題になります。

(c) 英語のニュース

Japan’s Self Defense Forces have started training for new duties under the country’s new security laws. The laws came into effect in March enabling Japan to exercise its right to collective self- defense.
The government plans to give SDF troops in the United Nations peacekeeping mission in South Sudan new responsibilities for engaging in the armed rescue of peacekeepers and jointly defending their bases.
The government is considering adding the new roles when a new Ground SDF unit is deployed to the U.N. mission in South Sudan in November.

(d) ニュースの比較研究

自衛隊、安保法の新任務の訓練開始のニュースについては、日本のメディアは、報道しましたが、外国のメディアは、今のところ伝えていません。

コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

789. 日中韓外相会議、北朝鮮に自制求めるー2016.8.24 [政治ー外交、国際ーアジア]

*2016.8.27の阿佐谷のテキスト(784~790とイタリアの地震で250人以上死亡、コロンビアで和平合意は当日資料配布)

(a) 日本語のニュース

日本、中国、韓国の3か国の外相会議が、24日東京で開かれ、弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮に対して、日中韓3か国が国連安全保障理事会を含む国際社会の取り組みを主導し、挑発行為の自制や国連安保理の決議の順守を強く求めていくことを確認しました。
会議には、日本の岸田文雄外相、中国の王毅(ワン・イー)外相、それに韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相が出席しました。
これらの外相は、また、テロ対策をめぐっても意見を交わしたほか、3か国のFTA=自由貿易協定の締結に向けた交渉など、経済、環境など幅広い分野での協力をさらに推進していくことで一致しました。
そして、日中韓3か国の首脳会議の年内開催に向けて協力していくことを確認しました。

この後、日中外相会談と日韓外相会談がそれぞれ行われました。
日中外相会談では、岸田外相が、尖閣諸島周辺で中国の公船が日本領海への侵入を繰り返していることに抗議し、事態の鎮静化と再発防止を強く求めたのに対し、王外相は、「尖閣諸島は中国固有の領土だ」とする従来の立場を繰り返したうえで、不測の事態を回避することが重要だという認識を示しました。両外相は、東シナ海をめぐる情勢の認識では平行線をたどったものの、偶発的な衝突を避けるため「海空連絡メカニズム」の運用開始が重要だという認識では一致したということです。
日韓外相会談では、岸田外相が、元慰安婦の支援事業を行う韓国の財団へ10億円を拠出することについて、24日に閣議決定したことを伝えました。そして、ソウルの日本大使館前にある慰安婦を象徴する少女像を撤去するよう、改めて求めました。両外相は、元慰安婦問題をめぐる日韓合意を着実に履行していくことで一致したということです。

(b) ニュースの背景

日中韓の3か国の枠組みは、1999年に当時の故小渕恵三首相の提案で、ASEAN=東南アジア諸国連合と日中韓3か国の首脳会議の際に3か国の首脳会議が開かれたのがきっかけです。
その後、国際会議の場にあわせて、日中韓の首脳会議や外相会議が開かれるようになり、2008年からは国際会議とは別に単独の形で、日中韓の首脳会談や外相会議が毎年持ち回りで開かれてきました。
しかし、2013年から2014年にかけては、歴史認識問題、領有権問題で、日中、日韓が対立し、3か国の会談は中断されました。
2015年ソウルでおよそ3年半ぶりに日中韓首脳会談が開かれました。
そして、今回の日中韓外相会談開催になりました。
ただ日中間には尖閣諸島をめぐる対立、中韓の間には、在韓米軍に配備される高高度迎撃ミサイル(THAAD)をめぐる対立といった難しい問題があります。

(c)英語のニュース

The foreign ministers of Japan, China and South Korea have agreed to urge North Korea to refrain from further provocations and observe United Nations Security Council resolutions.
Japan’s Foreign Minister Fumio Kishida, China’s Foreign Minister Wang Yi and South Korea’s Foreign Minister Yun Byung-se met in Tokyo on Wednesday. Earlier in the day, North Korea fired a submarine-launched ballistic missile into the Sea of Japan – the latest in a series of missile launches in defiance of U.N. Security Council resolutions.
The three foreign ministers agreed to cooperate to hold a trilateral summit of their countries’ leaders by the end of this year.
They also confirmed that they will promote talks on a trilateral free trade agreement and work together on disaster prevention, environmental preservation and counter-terrorism.

Later, the Japanese Foreign Minister had separate talks with the Chinese and South Korean counterparts.
Japanese Foreign Minister Kishida protested to his Chinese counterpart Wang the repeated entry of Chinese ships into Japan’s territorial waters around the Senkaku Islands. He urged China to stop such intrusions and to improve the situation in the East China Sea and exercise restraint.
Chinese Foreign Minister Wang reiterated his government’s position that the islands are inherently Chinese territory. He stressed the importance of preventing deterioration of the situation in the East China Sea and avoiding contingencies.
Japanese Foreign Minister Kishida informed his South Korean counterpart Yun of the Japanese government’s decision made earlier in the day to provide one billion yen in a South Korea foundation for supporting the former comfort women. Mr. Kishida reiterated Japan’s demand that South Korea remove a statue of a girl symbolizing the comfort women, which is located in front of the Japanese embassy in Seoul.
Mr. Kishida and Mr. Yun reconfirmed that the two countries will steadily implement an agreement reached last December to resolve their dispute over the former comfort women.

(d)ニュースの比較研究

日中韓の外相会談とそれに伴って開かれた日中、日韓の外相会談のニュースについては、日本のメディアは、トップ・ニュースとして大きく報道していました。外国のメディアでは、当事国以外はあまり報道していませんでした。

中国の『Xinhua(新華社)』通信は、”China, Japan, S. Korea vow to reinforce cooperation”(中国、日本、韓国、協力強化を誓う)という見出しで、”Chinese Foreign Minister Wang Yi, his Japanese counterpart Fumio Kishida and South Korean counterpart Yun Byung-se agreed on Wednesday that their countries shall reinforce cooperation to promote regional stability and development. The Eighth China-Japan-South Korea foreign ministers’ meeting was held in Tokyo on Wednesday”(中国の王毅外相、日本の岸田文雄外相、韓国の尹炳世外相は、3か国が、地域の安定と発展を促進するために協力を強化することで一致した。第8回中日韓外相会議は、24日東京で開かれた)と報じました。

韓国の『KBS(=Korean Broadcasting System)』放送は、”S. Korea, China, Japan Urge for N. Korean Restraint”(韓国、中国、日本、北朝鮮の自制を要請)という見出しで、”Foreign ministers of South Korea, China and Japan have agreed to call for restraint from North Korea and to lead the international response to the regime’s continued missile provocations During a meeting in Tokyo on Wednesday, Foreign Minister Yun Byung-se and his Japanese and Chinese counterparts, Fumio Kishida and Wang Yi, agreed that the North’s latest missile test cannot be tolerated”(韓国、中国、日本の外相は、北朝鮮に自制を求め、北朝鮮の継続しているミサイルの挑発に対する国際的な対応を主導することで合意した。尹炳世外相、日本の岸田文雄外相、中国の王毅外相は、東京で会議を開き、北朝鮮の今回のミサイル・テストは、許すことができないという点でも一致した)と報じました。




コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

788. (最新版)北朝鮮、ミサイル発射、国連安保理、非難声明ー2016.8.27 [国際ーアジア]

*2016.8.27の阿佐谷のテキスト(784~790とイタリアの地震で250人以上死亡、コロンビアで和平合意は当日資料配布)

(a) 日本語のニュース

北朝鮮が、北朝鮮の東海岸沖から1発のSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルを発射し、およそ500キロ飛んで、日本海の日本の防空識別圏に落下しました。
これは、アメリカ軍、韓国軍、日本の防衛省が、24日それぞれ発表したものです。
防衛省は、北朝鮮のミサイル開発の技術が進んでいるとみて、情報の収集と分析、警戒監視に全力をあげることにしています。

安倍首相は、24日記者団に「わが国の防空識別圏に打ち込まれたのは初めてのことだ。わが国の安全保障に対する重大な脅威であり、地域の平和と安定を著しく損なう許しがたい暴挙だ。北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に抗議した」と述べ、「明白な国連安全保障理事会の決議違反であり、アメリカ、韓国をはじめ国際社会と緊密に連携しながら、国連の場を含め、毅然として対応していく」と語りました。
日本を訪れている中国の王毅外相は、記者団に「われわれは、当然情勢を複雑にしたり緊張させたりすることを望まない。中国の立場は変わらず、北朝鮮の核ミサイル開発の反対している」と述べ、「われわれは、各国にも自制を保つことを望む」と語りました。
韓国外務省は、声明を発表し、「国際社会の度重なる警告を無視し、国連安全保障理事会の決議に違反して、核実験や弾道ミサイル発射を相次いで行ったうえに、再びSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルを発射したことを強く非難する」と述べました。

国連安全保障理事会は、26日、北朝鮮による一連のミサイル発射を厳しく非難するとともに、北朝鮮に対し、安保理決議を確実に順守するよう求める報道機関向けの声明を発表しました。
声明は、決議のような法的拘束力はありませんが、中国を含む安保理15か国の全会一致で採択されたものです。

(b) ニュースの背景

今年3月国連安全保障理事会は、北朝鮮による4度目の核実験と事実上の長距離弾道ミサイルの発射を受け、北朝鮮に対する制裁を強化する決議を全会一致で採択しました。北朝鮮産鉱物の輸入禁止などが新たに盛られ、北朝鮮に出入りする貨物の検査や金融制裁を強化し、モノ・カネ・ヒトの流れを大幅に制限する内容です。
しかし、それ以降、北朝鮮は、中距離ミサイルのノドン、ムスダン、SLBM=潜水艦発射弾道ミサイルなどを含む少なくとも18発のミサイルを発射したものとみられています。
8月3日には、北朝鮮が発射した弾道ミサイルが、秋田県の沖会およそ250キロまで飛び、初めて日本の排他的経済水域の中に落下しました。日本政府は、ただちに北朝鮮に対して強く抗議しました。

防空識別圏(ADIZ=Air Defense Identification Zone)は、国防上の必要性から領空周辺に対し、設定される空域のことで、レーダーサイトや早期警戒機などで常時防空監視を行い、未識別または目的不明の航空機の侵入に対しては、軍事的予防措置などを行使して統制、領空侵犯を未然に防ぐ目的があります。国家の主権が及ぶ領土・領海・領空の範囲とは異なり、防空識別圏の設定は、国ごとの裁量に任されています。

EEZ=Exclusive Economic Zone は、排他的経済水域のことで、国連海洋法条約に基づいて設定された海岸線から200カイリ(およそ370km)以内の海域で、漁業や天然資源の開発などの権利がその国に認められています

(c) 英語のニュース

North Korea has fired a submarine-launched ballistic missile into the Sea of Japan.
The Japanese Defense Ministry says that the missile, launched from waters off North Korea’s east coast city of Sinpo on Wednesday, traveled about 500 kilometers and fell inside Japan’s air defense identification zone.
The SLBM firing by North Korea, the first since July 9th, came after the United States and South Korea began their joint military exercise on Monday.

Japan’s Prime Minister Shinzo Abe has condemned North Korea’s latest missile launch, calling it an unforgivable act.
Speaking to reporters on Wednesday, he said that the missile was fired into Japan’s air defense identification zone for the first time and that this poses a grave threat to Japan’s security and seriously harms peace and stability in the region
Mr. Abe said that Japan lodged a strong protest with North Korea through its embassy in Beijing..
Mr. Abe said that the missile launch clearly violates the United Nations Security Council resolutions.
He said that Japan will work closely with the international community, including the United States and South Korea to respond firmly to the matter.

China’s Foreign Minister Wang Yi told reporters in Tokyo that China remains unchanged in its opposition to North Korea’s nuclear and missile program.
He urged North Korea to refrain from further provocations following the latest missile launch.

South Korea’s Foreign Ministry accused North Korea of ignoring repeated warning from the international community.
In a statement, the ministry said that it strongly condemns North Korea for conducting nuclear and missile tests in violation of the United Nations Security Council resolutions.

On Friday, the United Nations Security Council issued a press statement accusing North Korea of having conducted a series of missile launches and urging Pyongyang to observe U.N. Security Council resolutions.

(d) ニュースの比較研究

北朝鮮がSLBM=潜水艦発射ミサイルを発射したニュースについては、日本のメディアも外国のメディアも速報で大きく報道していました。
主なメディアの報道を紹介しましょう。

アメリカの『CNN(=Cable News Network)』放送は、”North Korea test fires ballistic missile from submarine”(北朝鮮、潜水艦から弾道ミサイルを試射)という見出しで、”North Korea test fired a submarine-based ballistic missile from its east coast on Wednesday, South Korean authorities said”(韓国の権威筋が明らかにしたところによると、北朝鮮は、東海岸から潜水艦発射弾道ミサイルを試射した)と報じました。

イギリスの『BBC(=British Broadcasting Corporation)』放送は、”North Korea submarine fires ballistic missile”(北朝鮮の潜水艦、弾道ミサイルを発射)という見出しで、”North Korea has fired a ballistic missile from a submarine off its east coast, say the US and South Korea”(アメリカと韓国が発表したところによると、北朝鮮は、東海岸沖の潜水艦から弾道ミサイルを発射した)と報じました。

オーストラリアの『ABC(=Australian Broadcasting Corporation)』放送は、”North Korea fires submarine-launched ballistic missile into Sea of Japan, officials say”(公式筋によると、北朝鮮は、潜水艦発射ミサイルを日本海に発射)という見出しで、”North Korea has fired a submarine-launched ballistic missile off its east coast, South Korea’s military said, the latest in a string of missile launches by the isolated country in defiance of UN Security Council resolutions”(韓国軍によると、北朝鮮は、東海岸沖から潜水艦発射弾道ミサイルを発射した。この発射は、孤立した国(北朝鮮)による一連のミサイル発射の一つで国連安全保障理事会の決議に違反するものだ)と報じました。









コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

787.米のシー・シェパード、調査捕鯨妨害禁止で日本側と合意ー2016.8.23 [社会、国際ーアメリカ]

(a) 日本語のニュース

南極海などで調査捕鯨を行っている日本鯨類研究所は、23日アメリカの反捕鯨団体「シー・シェパード」との間で、日本側が金銭を支払う一方で、日本の調査捕鯨への妨害行為を永久に行わないことで合意したと発表しました。
これは、日本鯨類研究所が、2011年アメリカ・ワシントン州の連邦地方裁判所に妨害中止を求めて起こした訴訟で、裁判所の調停で決着したものです。
発表によりますと、日本の調査船とその乗組員を攻撃することや安全航海を脅かすような航行は永久に禁止される、調査船の500ヤード(およそ460メートル)以内に近づくことやシー・シェパードのグループ団体による妨害行為への資金提供もできなくなります。
しかし、日本側が支払う和解金がいくらかは明らかにされていません。
一方、今回の合意について、日本の調査捕鯨に対する妨害活動を実際に行ってきたオーストラリアのシー・シェパードは、コメントを発表し、「アメリカの裁判所での合意は、われわれには適用されない」としたうえで、「南極海のクジラを守るというわれわれの使命に影響を及ぼすものではない」として、今後も妨害活動を続ける考えを示唆しました。

(b) ニュースの背景

1982年国際捕鯨委員会(IWC)は、食用目的でクジラをとる商業捕鯨を禁止する決定をしましたが、日本は、クジラを「重要な食料資源」として、南極海のミンククジラの調査捕鯨だけを行ってきました。
しかし、2014年国際司法裁判所は、日本の調査捕鯨に関して、捕獲数が多く、肉を販売しており、実質的に商業捕鯨にあたるとして、南極海の調査捕鯨を違法とする判断を示し、調査の中止を命令しました。
しかし、日本は、2015年12月捕獲数を大幅に減らすなど新たな計画のもとで南極海での調査捕鯨を再開しています。

アメリカのシー・シェパードは、2012年にも、アメリカの高等裁判所から今回と同様の仮処分命令を受けたにもかかわらず、妨害活動を継続していました。そのことが法廷侮辱に当たるとされ、日本鯨類研究所と調査船を所有する東京の共同船舶に賠償金計255万ドル(当時のレートでおよそ3億円)を支払いました。今回の合意は、訴訟費用がシー・シェパードに重くのしかかったためという見方もあります。

(c) 英語のニュース

A Japanese government-affiliated whaling organization says that it has reached a court-mediated settlement with a U.S. based anti-whaling group.

Japan’s Institute of Cetacean Research says that the agreement, reached earlier this month, permanently prohibits the U.S. Sea Shepherd Conservation Society from obstructing Japanese whaling activities The Institute conducts research whaling in the Antarctic Ocean. It had filed a suit in the United States seeking an injunction against the Sea Sheperd’s attacks on Japanese research whaling ships.
The Institute says that under the agreement it will pay a monetary settlement to the U.S. anti-whaling group, but adds that it cannot disclose how much.
Meanwhile, the Australian Sea Shepherd says that the agreement would not apply to it, nor would it affect its mission to protect whales in the Antarctic Ocean.

(d) ニュースの比較研究

日本の調査捕鯨を妨害しないという米の反捕鯨団体との和解のニュースについては、日本のメディアは伝えましたが、外国のメディアは、伝えていません。











コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

786. リオデジャネイロオリンピック、閉幕ー2016.8.22 [スポーツ]

(a) 日本語のニュース

南米で初めて開催された第31回夏季オリンピック・リオデジャネイロ大会は、21日リオ市内のマラカナン競技場で閉会式が行われ、17日間にわたるスポーツの祭典が閉幕しました。
閉会式では、次の開催都市のオリンピックの旗を引き継ぐ「フラッグハンドオーバーセレモニー」が行われ、リオデジャネイロ市のバエズ市長からオリンピックの旗がIOC=国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長を経由して、着物姿の小池百合子東京都知事に手渡されました。
閉会式では、安倍首相も登場して2020年の東京オリンピックをアピールするプレゼンテーションが行われました。
今回の大会は、史上最多の205の国と地域から1万人を超える選手が参加し、28競技306種目でメダル争いを繰り広げました。
アメリカが、金メダル46個でロンドン大会に続いて2大会連続の1位、総メダル数でも121個で世界一でした。日本は、金メダル14個、総メダル数では41個で過去最多でした。

(b) ニュースの焦点

第31回夏季オリンピック・東京大会は、2020年7月24日から8月9日まで東京で開催されます。東京での開催は、1964年以来56年ぶり2回目です。
実施競技は、28競技、プラス追加5競技です。
水泳(飛び込み、競泳、シンクロナイズドスイミング)、アーチェリー、陸上競技、バドミントン、バスケットボール、ボクシング、カヌー(スプリント、スラローム)、自転車(BMX=Bicycle Motorcross、マウンテンバイク、ロード、トラック)、馬術(馬場馬術、総合馬術、障害馬術)、フェンシング、ホッケー、ゴルフ、サッカー、体操(体操、新体操、トランポリン)、ハンドボール、柔道、近代五種。ボート、7人制ラグビー、セーリング、射撃、テコンドー、テニス、トライアスロン、バレーボール(バレーボール、ビーチバレー)、ウエイトリフティング、レスリング(フリースタイル、グレコローマン)。
野球/ソフトボール(野球、ソフトボール)、空手(形、組手)、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィン。

(c) 英語のニュース

The 2016 Rio de Janeiro Olympics have been closed with an official handover of the Olympic flag to the 2020 host Tokyo.
At the closing ceremony, Rio de Janeiro Mayor Eduardo Paes returned the Olympic flag to International Olympic Committee President Thomas Bach, who in turn passed it to Tokyo Governor Yuriko Koike dressed in a formal kimono.
Samba dancers and local singers dazzled the Maracana soccer stadium on a cool and rainy night on Sunday, wrapping up 17 days of intense competition.
Japanese Prime Minister Shinzo Abe also made an appearance to promote the 2020 Tokyo Olympics.
Finally, IOC President Bach declared the Rio Olympics closed. The Olympic torch was slowly extinguished.

(d)ニュースの比較研究

リオデジャネイロ・オリンピックの閉会式のニュースについては、日本のメディアも外国のメディアも伝えていました。日本のメディアのオリンピック報道は、外国のメディアの報道と比較して、あまりにも日本選手中心で、メダル獲得をはやしたてている感じがしました。
主なメディアの報道を紹介しましょう。

アメリカの『CNN(=Cable News Network)』放送は、”Mario steals the show for Nintendo at Rio Olympics closing ceremony”(任天堂のマリオ、リオデジャネイロ・オリンピックの閉会式で、ショーをくってしまう)という見出しで、”The world’s most famous plumber stole the show at the closing ceremony of the Rio Olympics. Nintendo character Mario was shown jumping into a pipe in Japan before popping out in the Rio stadium in the unlikely form of Japanese Prime Minister Shinzo Abe”(世界のもっとも有名な配管工(マリオ)は、リオデジャネイロ・オリンピックの閉会式で、ショウをくってしまった。任天堂のキャラクターのマリオは、日本で土管に中に飛び込み、日本の安倍首相というありそうもない姿で、(地球の裏側の)リオデジャネイロのスタジアムにひょっこり現れたのだ)と報じました。
(マリオは、任天堂が開発・発売しているコンピューターゲームに登場する架空キャラクターのことで、職業は配管工といわれています)

イギリスの『BBC(=British Broadcasting Corporation)』放送は、”Rio Olympics 2016: Spectacular closing ceremony as Olympic flag goes to Tokyo”(2016リオデジャネイロ・オリンピック:壮観な閉会式、オリンピックの旗、東京へ)という見出しで、”The Rio Olympics ended with a spectacular carnival-inspired closing ceremony, and the official handover to 2020 hosts Tokyo. The colorful ceremony, lasting almost three hours, celebrated Brazil’s arts and was held in a wet Maracana,・・・・One of the biggest cheers of the night came when Japan’s Prime Minister Shinzo Abe appeared dressed as computer game character Super Mario, rising out of a huge green pipe in the stadium”(リオデジャネイロ・オリンピックは、壮観なカーニバル風の閉会式と2020年の大会の開催地東京への公式の引継ぎで、幕を閉じた。きらびやかな式典は、3時間近く続き、ブラジルの芸術を賛美し、雨の降るマラカナ競技場で行われた。・・・・この夜の最も拍手喝さいをあびたうちの一つは、日本の安倍首相が、コンピューターゲームのキャラクターのスーパー・マリオの格好をして、スタジアムの大きな緑色の土管から飛び出した時だった)と報じました。

中東・カタールの『Al Jazeera』放送は、”Rio 2016 concludes amid fireworks and concerns – South America’s first Olympic Games come to an end, paving way for Brazil’s economic and political issues to re-surface”(2016年リオデジャネイロ・オリンピック、花火と懸念の中で閉幕―南アメリカで最初のオリンピックが終わり、ブラジルの経済・政治問題、再び表面化へ)という見出しで、”A blustery storm, a touch of melancholy and a sense of pride converged at the closing ceremony of the 2016 Rio Olympics as Brazil breathed a collective sigh of relief at having pulled off South America’s first Games”(風雨、メランコリーな音楽、プライド感が、2016年リオデジャネイロ・オリンピックの閉会式で集中した。ブラジルは、南アメリカで初のオリンピックが終わって、全体的にほっとしたところだ)と報じ、”The city handed over the Olympic flag to Tokyo, site of the 2020 Summer Games, and Japanese Prime Minister Shinzo Abe appeared in the stadium dressed as popular video game character Mario, tunneling from Tokyo to Rio”(リオデジャネイロ市は、オリンピックの旗を2020年の夏のオリンピックの開催地の東京に引き渡した。そして、日本の安倍首相は、東京からリオデジャネイロまでトンネルを掘って、人気ビデオゲームのキャラクターのマリオの格好をしてスタジアムに現れたのだ)と伝えました。


コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

785. 国連作業部会、核兵器禁止条約の交渉を来年開催勧告ー2016.8.22 [国際ー国連]

(a)日本語のニュース

ジュネーブで開かれていた国連核軍縮作業部会は、19日、核兵器の法的禁止を協議する交渉を来年始めることを国連総会に勧告することで大筋で合意しました。
国連加盟193か国からなる国連総会は、昨年12月、核廃絶への「具体的で効果的な法的手段」を討議するため、ジュネーブで作業部会を開催する決議を採択し、今年2月から作業部会が会合を始め、最終日の19日に、9月に始まる国連総会に提出する報告書をまとめたものです。
作業部会には、もともとアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国などの核保有国は、核軍縮は安全保障の実情を見ながら検討すべきで、核兵器禁止条約は現実的でないとして、参加していませんが、国連総会に対して勧告を行うかどうかの採決では、メキシコ、オーストリアなど68か国が賛成、22か国が反対、アメリカの核の傘の下にある日本、韓国など13か国が棄権しました。

(b)ニュースの背景

今後の交渉の舞台は、ニューヨークの国連本部で10月に本格議論に入る総会第1委員会(軍縮・安全保障)に移ります。
核兵器禁止条約の推進派は、条約交渉を来年始めることや交渉のルールなどの手順を盛り込んだ決議案を提出するものとみられています。一方、核保有国は、総会での議論に参加するものとみられ、核の傘の下にある国々とともに、これに反対することが考えられます。こうしたことから、きびしい対立が予想されています。
日本の場合は、ジュネーブの国連核軍縮作業部会での一連の議論を通じて、日本政府は、核兵器禁止条約に反対の姿勢を示しており、条約の早期実現を求める被爆者団体や広島や長崎市との隔たりが鮮明になっています。

(c) 英語のニュース

A United Nations working group has adopted a report recommending to the U.N. General Assembly to begin negotiations next year on a new treaty to ban nuclear weapons.
This came as delegates from more than 100 U.N. member countries ended discussions on Friday which had been held in Geneva since February.
68 countries voted in favor of the report, 22 nations opposed and 13 others, including Japan, abstained.
Nuclear powers, including the United States and Russia, did not join the working group. They said that a new treaty to ban nuclear weapons is unrealistic and argued that actual security situations should be considered.
The decision in Geneva is expected to stir debate at the U.N. General Assembly beginning next month on a new treaty to ban nuclear weapons.

(d) ニュースの比較研究

ジュネーブの国連核軍縮作業部会が核兵器禁止条約の協議の来年開始を勧告したニュースについては、日本のメディアの一部が伝えただけで、外国のメディアは報道していません。


.




コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

784. 安倍首相、ワシントン・ポスト紙の報道否定(783関連)ー2016.8.20 [政治ー防衛、国際ーアメリカ]

784. 安倍首相、ワシントン・ポスト紙の報道否定(783関連)―2016.8.20

(a) 日本語のニュース

安倍首相は、アメリカのオバマ大統領が核兵器を最初に使わない「核の先制不使用」の宣言を検討していることについて、「今後ともアメリカ政府と緊密に意思疎通を図っていきたい」と述べました。
これは、20日羽田空港で記者団に語ったもので、安倍首相は、「オバマ大統領と広島を訪問し、核なき世界に向けて、ともに強いメッセージと決意を表明した」と述べました。そのうえで、安倍首相は、「核なき世界に向けて着実に前進するよう努力を重ねていきたい、今後ともアメリカ政府と緊密に意思疎通を図っていきたい」と述べました。
また、安倍首相は、アメリカの有力紙「ワシントン・ポスト」紙が安倍首相がアメリカ軍のハリス太平洋軍司令官と先月会談した際「核の先制不使用」に反対する意向を伝えたと報道したことについて、「ハリス司令官との間では、核の先制不使用のやり取りは全くなかった。どうしてこんな報道になるのかわからない」と述べました。
しかし、核の先制不使用に関する首相自身の考えは、明らかにしませんでした。

(b)英語のニュース

Japanese Prime Minister Shinzo Abe says that Japan will keep in close contact with the United States on the issue of nuclear weapons.
Speaking to reporters in Tokyo on Saturday, Mr. Abe was referring to reports that President Barack Obama is considering declaring a “no first use” policy on nuclear weapons. Mr. Abe said that it is my understanding that the Obama administration has not yet made a decision on the matter.
Mr. Abe dismissed a “Washington Post” report that he has expressed his concern about the “no first use” nuclear weapons policy when he met Adm. Harry Harris, head of U.S. Pacific Command, in Tokyo last month.
Mr. Abe said that he had never discussed the matter with Commander Harris. Mr. Abe stopped short of presenting his own view about a possible “no first use” nuclear weapons policy.
He said that he visited Hiroshima with President Obama in May and expressed his resolve through message about working toward a world without nuclear weapons.

コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

783. ワシントン・ポスト紙、安倍首相、「核の先制不使用宣言」に反対表明と報道ー2016.8.19 [政治ー外交、防衛、国際ーアメリカ]

783. ワシントン・ポスト紙、安倍首相が核先制不使用宣言に反対表明と報道
(いつものスタイルとは違った書き方で書いています)

・ワシントン・ポストの原文
“The Washington Post” ‘Opinion By Josh Rogin August 14’
“U.S. allies unite to block Obama’s nuclear ‘legacy”(アメリカの同盟国、オバマ大統領の核の’遺産‘を阻止しようと結束)

“President Obama’s last-minute drive for a foreign-policy legacy is making U.S. allies nervous about their own security. Several allied governments have lobbied the administration not to change U.S. nuclear-weapons policy by promising never to be the first to use them in a conflict.
The governments of Japan, South Korea, France and Britain have all privately communicated their concerns about a potential declaration by President Obama of a “no first use” nuclear-weapons policy for the United States. U.S. allies have various reasons for objecting to what would be a landmark change in America’s nuclear posture, but they are all against it, according to U.S. officials, foreign diplomats and nuclear experts.
Japan, in particular, believes that if Obama declares a “no first use” policy, deterrence against countries such as North Korea will suffer and the risks of conflict will rise. Japanese Prime Minister Shinzo Abe personally conveyed that message recently to Adm. Harry Harris Jr., the head of U.S. Pacific Command, according to two government officials”
(オバマ大統領の外交政策の遺産の最後の行動は、アメリカの同盟国を彼ら自身の安全保障に関して神経質にしている。数か国の同盟国の政府は、オバマ政権に、紛争で核兵器を最初には決して使わないと約束することによって、アメリカの核兵器の政策を変更しないよう働きかけてきている。
日本、韓国、フランス、イギリスの政府は、すべて、アメリカの“核の先制不使用”の核兵器の政策に関してオバマ大統領が宣言する可能性について懸念を私的に伝えてきている。アメリカ政府筋、外国の外交官、核の専門家によれば、アメリカの同盟国には、アメリカの核政策における大きな変更に反対するさまざまな理由があるのだ、しかしながら、彼らは、すべてそうした変更に反対している。
特に、日本は、もしオバマ大統領が、“核の先制不使用”の政策を宣言するなら、北朝鮮のような国々に対する抑止力は悪影響を受けるだろうし、紛争の危険は高まるだろうと信じている。2人のアメリカ政府関係者によれば、日本の安倍首相は、最近こうしたメッセージをハリス・アメリカ太平洋軍司令官に伝えた。)


・共同通信社の英文の『KYODO NEWS』が伝えたニュース
“Abe tells U.S. of Japan’s concern about “no first use” nuke policy”
WASHINGTON, Aug.15, Kyodo
(安倍首相、アメリカに”核の先制不使用”政策に関して日本の懸念伝達)

“Japanese Prime Minister Shinzo Abe has expressed concern about the possible adoption by the administration of U.S. President Barack Obama of a “no first use” policy for the U.S. nuclear arsenal, according to a column carried in the Monday edition of the Washington Post.
Citing a weakening of deterrence against countries such as North Korea, Abe conveyed his concern to Adm. Harry Harris, commander of the U.S. Pacific Command, columnist Josh Rogin wrote, quoting two U.S. government officials.
Rogin said Abe “personally” conveyed such a message “recently” to Harris, without providing details. But the two are likely to have discussed the issue during a meeting July 26 at the prime minister’s office in Tokyo”
(ワシントン・ポスト紙の月曜版に掲載されたコラムによると、日本の安倍首相は、アメリカのオバマ大統領の政権がアメリカの核兵器にとって“核の先制不使用”の政策を採用する可能性に関して懸念を表明した。
コラムニストのジョッシュ・ロジン氏は、2人のアメリカ政府関係者の言葉を引用して、安倍首相は、北朝鮮のような国々に対する抑止力が弱体化するとして、彼の懸念をハリス・アメリカ太平洋軍司令官に伝えた。ロジン氏は、安倍首相は、そうしたメッセージを”最近“”個人的に“ハリス司令官に伝えたと書いているが、詳細には触れていない。しかしながら、安倍首相とハリス司令官の2人は、7月26日東京の首相官邸での会談で、この問題を話し合ったとみられる)

・時事通信社の英文の『JIJI PRESS』が伝えたニュース
“U.S. Shares Japan’s Concern over N.Korea Threat: Official”
Washington, Aug.16(Jiji Press)
(アメリカ、北朝鮮の脅威をめぐる日本の懸念を共有:米政府)

“The United States shares Japan’s concern about the threat of North Korea, Department of State spokesman Mark Toner said Tuesday in connection with a “no first use” nuclear weapons policy being considered by U.S. President Barack Obama. “We share Japan’s concern about the threat of North Korea’s actions” Toner said at a press briefing.
He made the remark after the Washington Post reported Monday that Japanese Prime Minister Shinzo Abe has recently conveyed to the United States his opposition to Obama’s possible declaration of a promise never to be the first to use nuclear weapons in a conflict, as Japan believes deterrence against North Korea will suffer.
“We’re going to continue to assess whether there are additional steps that we can take to reduce the role of nuclear weapons in our security strategy and pursue ways to strengthen the global nonproliferation regime further,” Toner said”
(アメリカ国務省のスポークスマンのマーク・タナー氏は、アメリカのオバマ大統領によって検討されている“核の先制不使用”の核兵器の政策に関連して、アメリカは、北朝鮮の脅威に関する日本の懸念を共有すると述べた。
ターナー氏は、記者会見で、「われわれは、北朝鮮の行動の脅威に関する日本の懸念を共有する」と述べた。
彼がこの見解を述べたのは、ワシントン・ポスト紙が、日本の安倍首相が、紛争が起こった時、最初に核兵器を使わない約束するとオバマ大統領が宣言することに反対する、その理由は、北朝鮮に対する抑止力が悪い影響を受けるからだ、と最近アメリカ側に伝えたと報道した後のことだ。
トナー氏は、「われわれは、われわれの安全保障戦略における核兵器の役割を減らすためにとることができる追加的な措置があるかどうかを検討し、地球規模の核不拡散の制度をさらに強化する方法を追及し続けるつもりだ」と述べた)。

・時事通信社のニュース(日本語)
・「核先制不使用に反対=日本政府、米に伝達」
時事通信/2016年8月16日 19時45分
「オバマ米大統領が検討している核兵器の先制不使用宣言について、日本政府関係者は、16日、反対する立場を米政権に伝えたことを明らかにしました。北朝鮮の核の脅威が増す中、宣言により米国の「核の傘」が無力化そる恐れがあるとみていいるためだ。日本政府が、核政策の抜本見直しにつながらないよう米側と緊密に協議する方針だ。
関係者によると、日本政府がこうした立場を伝えたのは、オバマ政権内での先制不使用宣言の検討が報じられた7月以降のことです。米側の対応に関し、政府高官は、北朝鮮の核開発進展により日本の安全保障環境が厳しさをましていることを踏まえ、「抑止力にならない、核の穴が開き、日米関係の否定になる」と強い懸念を示した。

・アメリカのオバマ大統領の「核なき世界」と「核の先制不使用宣言」

アメリカのオバマ大統領は、2009年1月就任し、4月チェコのプラハで、「核兵器のない世界を目指す」と演説し、12月にはノーベル平和賞を受賞しています。
オバマ大統領は、今年5月、アメリカの現職の大統領としては初めて被爆地・広島を訪問して演説し、「核兵器のない世界」の実現に向けて取り組む決意を表明しました。
オバマ大統領としては、2期8年の任期を終える来年1月までに自らの政権の「レガシー(遺産)」として「核先制不使用宣言」を出したい意向だといわれ、7月に国家安全保障会議を開き、そのことを説明したとみられますが、ケリー国務長官、カーター国防長官、モニツ・エネルギー長官が反対したと伝えられています。さらに8月ジェームズ空軍司令官も記者会見という公けの場で反対の意向を表明しました。さらに、日本、韓国、イギリス、フランス、ドイツなどの同盟国も反対の意向をオバマ政権に伝えたといわれています。
「核の先制不使用」というのは、敵の核攻撃を受けない限り、核兵器使用をしなという政策のことで、現在、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5大核保有国のうち、「核の先制不使用」を宣言しているのは、中国だけです。オバマ政権は、2010年「核体制の見直し」で、核拡散防止条約(NPT)を順守している非核国には核攻撃を行わないと明記しましたが、「先制不使用」は、宣言していません。

コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

782; 中国とASEAN、南シナ海の行動規範で高官協議ー2016.8.16 [国際ーアジア]


(a)日本語のニュース

中国とASEAN=東南アジア諸国連合10か国は、南シナ海における法的拘束力をもつ行動規範について、来年前半に枠組み合意を目指すことを確認しました。
これは、中国とASEAN10か国の高官協議が16日中国の内モンゴル自治区で行われた後、中国の劉振民外務次官が明らかにしたものです。
協議では、両者が領有権争いの平和的解決を目指して2002年に調印した「南シナ海行動宣言」を順守し、国際海洋法条約などに基づく行動規範の議論を急ぐことで合意したということです。さらに、海上での緊急事態に関する外交当局のホットライン開設と他国艦艇と予期せず遭遇した際の行動基準「海上衝突回避規範(CUES)を南シナ海でも適用することでも一致したとしています。
これらの合意は、9月7日にラオスのビエンチャンで開く中国・ASEAN首脳会議で正式に合意することになっています。
劉外務次官は、記者団にまた、「南シナ海情勢は、外部勢力の介入によって複雑になっており、中国とASEAN各国は、問題解決のための鍵を自らの手で持たなければならない」と述べ、アメリカや日本などをけん制しました。
中国としては、7月12日にオランダのハーグの仲裁裁判所が、南シナ海の主権をめぐる中国の主張を退ける判決を下したことから、9月上旬に中國の杭州で開かれるG20=20か国首脳会議を前に、柔軟な対話姿勢を示したものとみられます。

(b)ニュースの背景

南シナ海領有権問題
南シナ海の南沙諸島(スプラトリー諸島 Spratly Islands)、西沙諸島(パラセル諸島 Paracel Islands)などの領有権をめぐる中国、台湾、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国との対立のことで、南シナ海は、海上交通の要衝で豊かな漁場であり、石油・天然ガスの資源の存在も指摘されています。特に中国は、南シナ海のほぼ全域に権利が及ぶと主張し、南沙諸島に人工島の造成を進め、軍事拠点化する動きを見せています。

常設仲裁裁判所(Permanent Court of Arbitration)
国連海洋法条約は、紛争の平和的な解決の手段として、国際司法裁判所(オランダのハーグ)や国際海洋法裁判所(ドイツのハンブルク)、仲裁裁判所などへ提訴できると定めています。国際的な裁判を始めるには、通常、当事国双方の合意が必要とされますが、仲裁裁判は、一方の申し立てだけで開始できる規定があります。フィリピンは、この規定を使って中国を提訴しました。審理は、常設仲裁裁判所(ハーグ)で行われ、裁判官は、ガーナ、オランダ、フランスなど第3国出身の5人があたりました。

7月12日、オランダのハーグの国際的な常設仲裁裁判所は、中国が南シナ海のほぼ全域の管轄権を主張していることについて、これを認めないという判断を示しました。
これは、フィリピンが「中国の主張は国際法に違反している」として、3年前仲裁裁判を申し立てていたもので、原告のフィリピンの訴えが認められました。
仲裁裁判所は、南シナ海に中国が独自に設定した「九段線」と呼ばれる境界線の内側に「主権」や「管轄権」、それに「歴史的権利」があると主張していることについて、「中国が、この地域や資源に対して、歴史的に排他的な支配をしてきたという証拠はない」と指摘しました。そのうえで、「九段線の内側にある資源に対して中国が歴史的な権利を主張する法的な根拠はない」という判断を示し、中国の主張は認めませんでした。
南シナ海をめぐり、国際法に基づく判断が示されたのは、初めてです。仲裁裁判では、原則として上訴することはできず、今回の判断が最終的な結論になります。

これについて、フィリピンのペルフェクト・ヤサイ外相は、歓迎する意向を表明すると同時に「関係者には、抑制的に、かつ落ち着いて対応するよう呼び掛けている」と述べ、中国に対する配慮もにじませました。
中国外務省は、ただちに声明を発表し、「判断は無効で、拘束力はない。中国は、これを受け入れず、認めない」と述べました。

(c)英語のニュース

China and the 10-member Association of Southeast Asian Nations have reconfirmed their intention of reaching broad agreement on a legally-binding code of conduct for the South China Sea in the first half of next year.
This was disclosed by China’ Vice Foreign Minister Liu Zhenmin after a meeting of senior officials from China and the 10 members of the ASEAN in China’s Inner Mongolia Autonomous Region on Tuesday.
The officials discussed emergency hotlines and steps to prevent maritime accidents in the South China Sea.
Mr. Liu also said that the issues involving the South China Sea have become complicated because of interventions by outside countries and that China and the ASEAN countries must find their own solutions to problems. He apparently referred to the United States and Japan when he said “outside countries.
Tuesday’s meeting was the first since an international arbitral tribunal last month ruled against sweeping Chinese claims over the South China Sea in a case brought by the Philippines.

(d)ニュースの比較研究

南シナ海における「行動規範」問題で中国・ASEAN高官協議のニュースについては、日本のメディアも外国のメディアもあまり報道していませんでしたが、仲裁裁判所の判決以降重要な動きだとみられますので、2つのメディアの報道を紹介しましょう。

中国の『Xinhua(新華社)』通信は、”China, ASEAN reaffirm to solve disputes via negotiation“(中国、ASEAN=東南アジア諸国連合、交渉を通じて紛争解決を確認)という見出しで、”Senior officials from China and ASEAN have reaffirmed plans to solve disputes in the South China Sea through negotiations and by using a regional framework of regulations”(中国とASEAN の高官は、南シナ海における紛争を交渉を通じて、また地域の規則の枠組みを使って解決する計画を確認した)と報じました。

シンガポールの『The Straits Times』紙は、”China and Asean to launch hotline, adopt code on encounters at sea”(中国とASEAN、ホットラインの開設と海上における遭遇に関する行動規範採用へ)という見出しで、”China and Asean are set to launch an emergency hotline and adopt a code for unplanned encounters in the South China Sea, in steps aimed at managing risks in the vital waterway after an international ruling against Beijing’s territorial claims”(中国とASEANは、南シナ海における緊急ホットラインを開設し、不慮の遭遇に関する行動基準を作ることで合意した。これは、国際的な裁判所の判決が中国の領土の主張を認めなかったあと、重要な水路における危機を管理する目的の手段なのだ)と報じました。










コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。