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899. イタリア・タオルミーナ・サミットのニュースに関する日本と外国の報道の比較ー2017.5.29 [政治―外交、国際ーヨーロッパ、アメリカ]

899. イタリア・タオルミーナ・サミットのニュースに関する日本と外国の報道の比較―2017.5.29


イタリアで行われたサミットのニュースについて、日本と外国の報道を比較してみました。大きな違いがありました。日本のメディアは、押しなべて首脳宣言と安倍首相の記者会見の構成で、貿易問題で保護主義と闘うと対北朝鮮への圧力が中心でした。外国のメディアは、それらに触れたものがなく、討議の内容が中心でテロ対策とパリ協定をめぐる対立が中心でした。
さらに不思議なのは、トランプ大統領は1回も記者会見をやらず、アメリカ人の記者は、写真撮影などのチャンスをとらえて、ロシアとの疑惑についてどんどん質問をぶつけていましたが、安倍首相は記者会見を開いたにもかかわらず、日本人記者からは、加計学園問題については、全く質問がでなかったことです。
なお、各新聞以外は、すべて電子版によっています。ニュースの本記、解説は、28日付け朝刊、社説については、28日か29日の日付を入れてあります。


・日本のメディア

『読売』
・見出しー伊サミット閉幕、「保護主義と闘う」明記、首脳宣言 トランプ氏譲歩、「パリ協定」推進 米は留保、「北は世界の脅威」共有 首相会見
・リードー先進7か国(G7)の首脳らが参加したタオルミーナで開かれた主要国首脳会議(サミット)は27日午後(日本時間27日夜)、首脳宣言を採択して閉幕した。首脳宣言では自由貿易に関し、「反保護主義」の明記に難色を示していたトランプ米大統領が容認し、「開かれた市場を堅持し、保護主義と闘う」との文言が盛り込まれた。気候変動の国際的枠組みである「パリ協定」を巡っては、米国を除く6か国が速やかな実施を確保すると明記した。核・ミサイル開発を続ける北朝鮮を「新たな段階の脅威」と位置づけた。
・解説―スキャナー 伊サミット閉幕、トランプ氏 結束乱す、G7 貿易、玉虫色の決着、首相 米欧融和へ奔走
・社説―5/29 G7サミット 「米国第一」回避へ結束強めよ

『朝日』
・見出しーG7「保護主義と闘う」、首脳宣言に明記 米が受け入れ
・リードーイタリア南部シチリア島タオルミナで開かれた主要7か国首脳会議(G7サミット)は27日、首脳宣言を採択して閉幕した。「米国第一主義」をとるトランプ米大統領の初参加で、自由貿易や地球温暖化対策をめぐる意見調整は難航。米国は最終的に「開かれた市場を堅持し、保護主義と闘う」との文言を首脳宣言に盛り込むことを受け入れた。
・解説―G7振り回すトランプ氏、貿易黒字の独を批判 米の保護主義に懸念残す、パリ協定「経済に重荷」 仏独、米引き止め腐心、難民保護の声明反対 議長国の調整実らず / 北朝鮮へ圧力強化 首相「G7で一致」「世界全体の脅威と認識」
社説―5/29 G7サミット 価値を守る責務今なお

『毎日』
・見出しーG7「保護主義と闘う」、首脳宣言 表現弱め米容認、パリ協定 米除き「推進」
・リードー主要7か国(G7)首脳会議(サミット)は27日、最大の焦点だった貿易について「保護主義と闘う」と明記した首脳宣言を採択し閉幕した。米国第一主義を掲げるトランプ大統領は保護主義に関する文言を盛り込むことに難色を示し、調整は難航したが、最終的には容認に転じた。一方、地球温暖化対策の新たな国際的枠組み「パリ協定」を巡っては、離脱を検討中の米国を除く各国が推進を表明し、意見の一致はみれなかった。
・解説―クローズアップ2017―G7分断は回避、首脳会議 トランプ流に結束乱れ、枠組みに中露の影
・社説―5/28 G7が対テロ・ネット規制、ISを封じ込めるために

『日本経済』
・見出しーG7、薄氷の首脳宣言、「保護主義と闘う」で決着。米抜きでパリ協定再確認、対北朝鮮・テロ協調、対北朝鮮 首相「中ロも結束を」
・リードーイタリア・タオルミナで開かれていた主要国首脳会議(タオルミナ・サミット)は27日午後(日本時間同日夜)、首脳宣言を採択して閉幕した。首脳宣言は焦点の貿易問題について「保護主義と闘う」と盛り込んだ。当初は明記に難色を示した米国が譲歩して決着したが、「不公正な貿易慣行に断固たる立場をとる」との米国の主張も盛った。。
・解説―G7結束に亀裂、貿易巡り激しい応酬、米の関税下げ要求波紋、米、パリ協定週内判断、独首相不満「6対1だった」
・社説―5/28 サミット宣言をテコに北朝鮮に圧力を

『産経』
・見出しーG7「保護主義と闘う」、首脳宣言明記、米軟化、温暖化は溝残す、北脅威 最優先課題に、トランプ氏「2番になりたくない」、パリ協定離脱、判断先送り
・リードーイタリア南部シチリア島で開催されていた先進7か国(G7)首脳会議(サミット)は27日、2日目の討議を行い、閉幕した。採択された首脳宣言では貿易問題について、「保護主義と闘う」と明記した。従来よりも表現を弱めたが、これまで難色を示していたトランプ米大統領が態度を軟化させた。
・解説―G7安倍首相が議論主導、北ミサイルの脅威 欧州も「危機感」、対中国、参加国と懸念共有
・主張―5/28 G7とテロ、進化した脅威への備えを

『東京』(中日新聞東京本社発行)
・見出しーG7覆う「米国第一」、「保護主義と闘う」は明記、首脳宣言を採択、温暖化対策 米抜き促進
・リードーイタリア・シチリア島タオルミナで開かれていた先進7か国(G7)首脳会議(サミット)は27日午後(日本時間同日夜)、首脳宣言を採択して閉幕した。自由貿易に関連し、前回の伊勢志摩サミット首脳宣言などに盛り込まれていた「保護主義と闘う」との文言は残された。気候変動を巡る対策では、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の促進を米国を除く6か国と欧州連合(EU)で確認した。
・解説―核心 G7サミット閉幕、欧州首脳 振り回され、独首相「議論に不満」 / 日米が対北圧力主導、中ロ抜き 効果限定的
・社説―5/29 G7サミット 米国は孤立する気か

『共同通信』
・見出しー首脳宣言「保護主義と闘う」明記、タオルミナのG7サミット閉幕
・リードーイタリア南部シチリア島タオルミナで開かれていた先進7か国(G7)首脳会議(サミット)は27日午後(日本時間同日夜)閉幕し、首脳宣言を発表した。反保護主義については、文言の記述に否定的だったトランプ米大統領が譲歩し「自由な市場を維持し、保護主義と闘う」と明記。ただ地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の在り方を巡っては合意に至らず、米を抜いた6か国と欧州連合(EU)で「速やかな実行」を目指すと盛り込んだ。
・見出しー首相、新迎撃システム明言、対北朝鮮で防衛力強化
・リードー安倍晋三首相は27日、イタリアでの先進7か国首脳会議(サミット)出席を終え、タオルミナ近郊のホテルで記者会見した。北朝鮮の脅威に対し、新型ミサイル迎撃システムの配備などによって防衛力強化を図る考えを示した。「厳しくなった安全保障環境を考慮し、日本人の命、安全を守る」と述べた。テロとの戦いのため「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案について「確実に成立を期す」と強調した。

『時事通信』
・見出しー「保護主義と闘う」一転明記=北朝鮮制裁、完全履行をーG7サミット首脳宣言
・リードーイタリア南部タオルミナで開かれていた先進7か国(G7)首脳会議(サミット)は27日午後(日本時間同日夜)、焦点になっていた貿易の在り方について「開かれた市場を維持し、保護主義と闘う」と明記した首脳宣言を発表して閉幕した。核開発や弾道ミサイル発射を強行し続ける北朝鮮は「新たな段階の脅威」だとして、関連する国連安全保障理事会制裁決議の完全履行を国際社会に呼びかけた。

『NHK』
・見出しーG7首脳宣言 保護主義と闘う明記
・リードーイタリアで開かれていたG7サミット=主要7か国首脳会議は、日本時間の27日夜、閉幕に合わせて首脳宣言を発表しました。焦点となっていた、貿易の分野では、当初、盛り込まれない方向となっていた「保護主義と闘う」という文言が明記されたほか、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」の在り方では折り合わず、アメリカを除く6か国で迅速に実施することを再確認したとしています。
・見出しー首相 北朝鮮問題にG7で圧力強化 結束して対応
・リードー安倍総理大臣は、G7サミット=主要7か国首脳会議が開かれたイタリアで記者会見し、北朝鮮問題について、平和的解決を模索してきた対話の試みは時間稼ぎに利用されたと指摘したうえで、圧力の強化に向けて、G7をはじめ、国際社会と結束して対応していく考えを示しました。


・外国のメディア

イタリアの『Ansa(=Agenzia Nazionale Stampa Associata)』通信
・見出しーG7 leaders agree to up terror fight but no climate deal – ‘Good compromise’ on migrants – Italy (G7リーダー、テロ対策を強化することで一致、気候問題では合意なしーイタリア、移民問題では‘かなりの歩み寄り’と言明)
・リードーGroup of Seven leaders on Friday signed a statement against terrorism at the G7 summit in Taormina, Sicily, but the issue of climate change was suspended while US President Donald Trump took time out for further reflection. Italian sources also said a “good compromise” had been reached on migrant issues.(G7のリーダーは、シシリー島タオルミナでのG7サミットで、テロ対策の声明に署名したが、気候変動問題では、トランプ大統領がさらなる検討を行うため、中断した。また、イタリア筋は、移民問題では、“かなりの歩み寄り”があったと述べた) 

アメリカの『The New York Times』紙
・見出しーTrump Ends Trip Where He Started: At Odds With Allies and Grilled on Russia(トランプ大統領、最初の外国訪問終える:同盟国と対立、ロシア問題で追及)
・リードーPresident Trump declined to endorse the Paris climate accords on Saturday, ending his first foreign trip much as he began it: at odds with several of the nation’s allies and under a cloud of questions back home about his ties to Russia.(トランプ大統領は、パリ気候協定を支持することを拒否し、初めての外国旅行を始めた時と同じように多くの問題を抱えたまま終えた。それは、アメリカのいくつかの同盟国との対立であり、国内ではロシアとの関係に関する多くの問題である)

アメリカの『The Washington Post』紙
・見出しーTrump fails to commit to Paris climate agreement as he concludes first overseas trip (トランプ大統領、初めての海外旅行を終えるにあたって、パリ気候協定順守を約束せず)
・リードーPresident Trump failed to commit to remaining within the Paris climate agreement during a two-day meeting with world leaders that ended here(Taormina, Italy) Saturday, but he tweeted that he was still considering it and would announce a final decision “next week”(トランプ大統領は、イタリアのタオルミナで終わった世界のリーダーとの2日間にわたった会合で、パリ気候協定内に留まることを約束しなかった。しかし、ツイッターで、この問題については依然として検討中で、最終決定は、”来週“発表するつもりだと述べた)

イギリスの『BBC(=British Broadcasting Corporation)』放送
・見出しーG7 talks: Trump isolated over Paris climate change deal (G7サミット:トランプ大統領、パリ気候変動協定を巡って孤立)
・リードーLeaders of the G7 group of rich nations has failed to agree a statement on climate change. Six world leaders reaffirmed their commitment to the Paris accord, the world’s first comprehensive deal aimed at reducing greenhouse emissions. However, the US has refused to recommit to the agreement, saying it will make a decision next week. Mr. Trump, who once dismissed global warming as a “hoax”, has previously threatened to pull out of the accord. (G7の先進国のリーダーは、気候変動に関する声明に合意できなかった。世界で初めての温室効果ガスを削減する協定であるパリ協定について、6か国のリーダーは、協定順守を再確認したが、アメリカだけが、協定順守の再確認を拒否し、来週決定を行うと述べた。トランプ大統領は、かつて地球温暖化を”悪ふざけ“だとして無視し、以前パリ協定から離脱すると脅していた)

ドイツの『Deutsche Welle』放送
・見出しーMerkel: G7 climate talks with Trump ‘very unsatisfying’ Only six G7 leaders agree on climate change(メルケル首相:G7の気候問題をめぐるトランプ大統領との会談は‘極めて不満だと言明  G7の6か国のリーダーだけが気候変動で合意) 
・リードーThe G7 declaration will give US President Donald Trump time to decide whether to keep the US in the Paris climate agreement, German Chancellor Angela Merkel has described the discussion on climate as “very unsatisfying.” The declaration released by the Group of Seven(G7) leaders admitted that the US was still “reviewing its policies on climate change and on the Paris Agreement and thus is not in a position to join the concensus on these topics” All other six leaders pledged their commitment to the Paris deal.
(G7の宣言は、アメリカのトランプ大統領に、パリ気候協定にアメリカを留まらせるかどうかを決めるのに時間を与えることになろう。ドイツのメルケル首相は、気候に関する討議は”極めて不満“だったと述べた。G7のリーダーによる宣言は、アメリカは、”依然として気候変動とパリ協定に関する政策を検討している最中であり、この問題に関するコンセンサスに加わるという立場にはない“と述べた。その他の6か国のリーダーは、パリ協定の順守を誓った)

フランスの『AFP(=Agence France-Presse)』通信
・見出しーTrump promises climate decision next week after G7 stalemate (トランプ大統領、G7の行き詰まりの後で、来週気候に関する決定をすると約束)
・リードーPresident Donald Trump said on Saturday he would decide next week whether the United States would abide by the 2015 Paris agreement on cutting global carbon emissions. His announcement came as a summit of G7 leaders in Sicily wrapped up in deadlock on the issue, with US partners voicing frustration at the president’s failure to commit to the deal of stemming global warming.(トランプ大統領は、アメリカが地球の一酸化炭素の排出を削減する2015年のパリ協定を順守するかどうかを来週決定すると述べた。この発表は、 シシリー島でのG7のリーダーのサミットが、この問題で暗礁に乗り上げたままで終わった中でなされた。アメリカの同盟国は、トランプ大統領が地球温暖化を阻止する協定を順守する約束をしないことにいらいらを募らせた)

カナダの『National Post』紙
・見出しーTrudeau says he’s happy with ‘robut’ and ‘frank’ talk with Trump, but U.S. still hedges on Paris Agreement (カナダのトルード首相、トランプ大統領との’率直な’会談はよかったと言明、しかし、アメリカ、以前としてパリ協定について言葉をにごしている)
・リードーThough there was no agreement on climate change, both Prime Minister Justin Trudeau and President Donald Trump pronounced themselves very happy with the G7 summit that ended here(Taormina) Saturday.(カナダのトルード首相とトランプ大統領の会談は、気候変動に関する合意がなかったにもかかわらず、イタリアのタオルミナでのG7サミットは双方にとっても大変よかったと互いに称賛した)

中国の『Xinhua(新華社)』通信
。見出しーNews Analysis: G7 divided on climate change as Trump isolated by own stand (ニュース分析:G7、トランプ大統領が自らの立場で孤立化したので、気候変動をめぐって分裂)
・リードーThe final communique released Saturday after the Group of Seven(G7) countries summit gave its backing to the 2015 Paris Agreement on climate change – with the conspicuous exception of the United States, which said it would take more time to make a decision (G7サミット後発表された最終コミュニケは、2015年の気候変動に関する協定を支持するものだった。しかしながら、アメリカは、明白に例外で、決定をするのに時間がかかると述べた)

ロシアの『TASS』通信
・見出しーG7 summit kicks off in Italy – Analysts say the leaders will be unable to overcome differences on such issues as free trade and climate change (G7サミット、イタリアで開幕―分析家は、リーダーたちは、自由貿易や気候変動などの問題で違いを克服できないだろうと言っている)
・リードーThe 43rd summit of the G7, the group of most industrialized economies, opened on Friday in Taormina, a town in Italy’s Sicily. A joint statement on tightening measures on countering terrorism and extremism will be included in the final declaration, Italian Orime Minister Paolo Gentilori said on Friday, noting that the discussions are not expected to be “easy”(第43回G7先進国首脳会議が、イタリアのシシリー島のタオルミナという町で始まった。イタリアのジェンティローニ首相は、最終宣言には、テロや過激主義に立ち向かう厳しい措置に関する共同声明が含まれるだろうが、議論は、”容易な”ものではないだろうと述べた)


























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