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871. 2017年度予算案、衆議院通過、3月末までに成立へー2017.2.27 [政治ー予算]


(a) 日本語のニュース

過去最大規模の2017年度予算案は、27日、衆議院本会議で可決され、参議院に送られました。
予算案は、憲法で定められた衆議院の優越で、仮に参議院で採決が行われない場合でも、参議院に送られてから30日後の3月28日に自然成立します。
予算案の一般会計の歳出額は、97兆4547億円と前年度の当初予算に比べると7329億円増え、5年連続で過去最高を更新しました。
高齢化で医療や介護などに使う社会保障費が4997億円増え、32兆4735億円と歳出の3割超を占めています。北朝鮮の弾道ミサイル発射などに対応するため、防衛関係費も710億円増やし、過去最大の5兆1251億円となっています。
このほか、国から地方自治体に配分する地方交付金も増えて15兆5671億円、公共事業費は5兆9763億円、ODA=政府開発援助は5527億円と前年度の当初予算よりわずかながら増えました。
国債の償還や利払いに充てる国債費は、日銀のマイナス金利政策で金利が下がっていることから、前年度より減って23兆5285億円となりました。
一方、歳入では、税収が57兆7120億円で、前年度の当初予算より1080億円増える見込みです。
新たな借金にあたる国債の新規発行額は、34兆3698億円と、当初予算としては7年連続で前の年度を下回りますが、歳入の35%に上っています。。

(b) ニュースの背景

・予算(budget)-一会計年度における国または地方公共団体の歳入、歳出の計画のことで、議会の承認を得て成立します。日本国憲法86条で、「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない」と規定しています。
会計年度は、4月1日からスタートし、翌年の3月31日までの1年間をいい、4月スタートした時の予算を当初予算(initial budget)といいます。
・補正予算(supplementary budget)-国の予算が成立し、実行の段階に入った後、情勢の変化に応じて、内閣は、予算を追加・変更して国会に提出します。
これを補正予算といいます。財政法29条に規定されています。
・暫定予算(provisional budget)―予算は、原則として年度開始前に国会を通過し成立していなければなりませんが、衆議院が解散されたり、国会の審議が長引いたりして、新年度になっても、予算がまだ成立しない場合があります。そこで、財政法30条2項で、本予算が成立するまでの間の必要な経費の支出ができるように、年度開始一定期間に限って暫定予算を作成し、これを国会に提出して、本予算成立までのつなぎとすることを認めています。したがって、暫定予算は、当該年度の予算が成立したときは失効してこれに吸収されます。

(c)英語のニュース

The Lower House of the Japanese parliament has approved a record-high budget plan for the next fiscal year.
The draft budget for fiscal 2017 beginning on April 1st totals 97.45 trillion yen, or 831 billion dollars, hitting a record high for the 5th straight year.
One-third of the money will be for social welfare, including ballooning spending on the needs of the country’s aging population.
The draft budget also features increased defense spending for the 5th straight year since Prime Minister Shinzo Abe took office in 2012 and expenditures to rejuvenate the economy by investing in growth areas.
On the revenue side, the government projects tax revenues at 57.71 trillion yen, or 493 billion dollars. It expects a slight increase from the current fiscal year as business performance improves.
Still, state finances remain heavily dependent on debt. More than one-third of the draft budget will depend on funds raised from newly issued government bonds.
The budget for fiscal 2017 is now certain to be enacted on March 28th, before the April 1st start of fiscal 2017, based on the Lower House’s constitutional superiority, even without a vote in the Upper House.

(d)ニュースの比較研究

2017年度予算案が衆議院を通過し、年度内成立が確実になったニュースについては、日本のメディアは、すべて報道していましたが、外国のメディアは報道していません。

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870.キム・ジョンナム氏殺害事件、外交問題に発展ー2017.2.24 [国際ーアジア]


(a) 日本語のニュース

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の異母兄キム・ジョンナム氏がマレーシアの首都クアラルンプールで殺害された事件は、マレーシアと北朝鮮が激しく対立する外交問題にまで発展しています。
この事件で、マレーシア警察は、インドネシア人とベトナム人の2人の女と北朝鮮国籍の男1人を拘束するとともに、事件直後にマレーシアを出国した北朝鮮国籍の容疑者4人の行方を調べています。
マレーシア警察のハリド長官は、22日記者会見し、北朝鮮国籍の4人は、すでに北朝鮮に帰国したと確信しているとして、北朝鮮政府に引き渡しを要求したことを明らかにしました。
さらに、捜査への協力のため、マレーシアにある北朝鮮大使館の2等書記官と北朝鮮の国営航空会社の職員から事情を聴きたいとして、22日大使館に書面で要請したと述べました。
ハリド長官は、また、実行犯として拘束された女2人については、「手に液体をつけて被害者の顔に塗り付け、その後、手を洗うよう指示されており、毒性があると認識していた」として、女たちが「テレビのいたずら番組への出演だと思っていた」と供述したことについて、「信用していない」と語りました。
一方、北朝鮮は、国営メディアを通じて初めてこの事件に反応を示し、遺体がキム・ジョンナム氏であるかどうかには触れず、「マレーシア側が司法解剖したことは、われわれの自主権を露骨に侵害している」として、マレーシア側の一連の対応を非難しました。
これは、北朝鮮国営の朝鮮中央通信が、23日、朝鮮法律家委員会の報道官談話として伝えたものです。
北朝鮮の談話は、「マレーシア警察が行った捜査状況を犯罪捜査学的見地と法律的見地から見ると、全てが不備と矛盾だらけで、客観性と公正性がなく、疑惑をわれわれにかぶせようとしている」と批判しました。
談話は、韓国のメディアや韓国政府が北朝鮮政府の事件への関与を指摘していることについて、韓国の「陰謀」だと主張しました。
事件をめぐっては、現地の北朝鮮大使館は、繰り返しマレーシア側の対応を非難していますが、北朝鮮が国営メディアを通じて反応を示したのは、これが初めてです。
この事件をめぐって、マレーシアの外務省は、20日北朝鮮の大使を呼んで、大使が記者会見し、ただちに遺体を引き渡すよう求めるとともにマレーシア当局の対応を非難したことに抗議した上で、北朝鮮駐在のマレーシア大使を帰国させたことを明らかにしています。
このように、マレーシアは、北朝鮮による事件への関与について疑惑を深めていますが、北朝鮮は、真向から否定的な態度で、両国の外交関係は、ますます悪化しています。

(b)ニュースの背景

キム・ジョンナン(金正男 Kim Jong Nam)
1971年(または1970年北朝鮮の初代最高指導者のキム・イルソン(金日成)主席の長男であるキム・ジョンイル(金正日)総書記を父に、2番目の妻・ソン・ヘリム(成蕙琳)を母に、北朝鮮の首都ピョンヤン(平壌)で生まれました。キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の異母兄にあたります。
幼少期をモスクワで過し、1980年からスイスなどに2年間留学しました。1988年朝鮮コンピューター委員会委員長をつとめ、1995年朝鮮人民軍の大将に昇進したとされています。一時はキム・ジョンイル(金正日)の後継者と目されていましたが、2001年偽装旅券で日本に密入国しようとして摘発されたことがあります。2009年三男のキム・ジョンウン(金正恩)が後継者に指名されました。2007年から中国やマカオに滞在し、2010年3代世襲に反対する発言を行ったとされています。2011年12月キム・ジョンイル(金正日)死去直後に一旦帰国したと伝えられたが、2012年1月キム・ジョンウン(金正恩)体制発足した後は、国外で生活をし、マカオに住んでいたとされており、今回の事件の際はマレーシアからマカオに戻ろうとしたとき、事件に遭遇したとみられています。

(c) 英語のニュース

A diplomatic dispute has been developing between Malaysia and North Korea over the murder of Mr. Kim Jong-nam, the elder half-brother of North Korean leader Kim Jong-un.
Malaysian police say that they have requested North Korea to hand over 4 suspects in connection with the killing of Mr. Kim Jong-nam in Kuala Lumpur on February 13th.
At a news conference in Kuala Lumpur on Wednesday, the police said that they believe the 4 North Korean men they are searching for have already returned to North Korea.
The Malaysian police said that they have also asked the North Korean Embassy in Malaysia in writing for cooperation so they can interview 2 more North Koreans in connection with the case. The North Koreans are a senior official and an employee of North Korea’s state airline.
The police confirmed that Mr. Kim Jong-nam died after two women- one from Vietnam and another from Indonesia- both in detention wiped a toxin on his face while he was waiting at Kuala Lumpur international airport for a flight to Macau.
Meanwhile, North Korea claims that Malaysia is responsible for the death of one of its citizens and is attempting to politicize the return of his body.
It does not name Mr. Kim Jong-nam, but this report, made on Thursday by North Korea’s Korean Central News Agency, appears to be the state media’s first reference to the death of the half-brother of North Korean leader Kim Jong-un.

(d) ニュースの比較研究

北朝鮮の最高指導者キム・ジョンウンの異母兄キム・ジョンナム氏がマレーシアのクアラルンプール空港で殺害された事件は、世界に衝撃を与えました。
代表的なアジアのメディアの報道を紹介しましょう。

マレーシアの『New Straits Times』紙は、”Hisham: North Korean ambassador has ‘gone overboard’ with accusations on Malaysia”(ヒシャムディン国防相言明:北朝鮮の大使は、マレーシアに対する非難で‘行き過ぎ’)という見出しで、
”The North Korean ambassador to Malaysia has gone overboard with his statements with regards to Malaysia’s investigation into the murder of Kim Jong-nam. Defense Minister Datuk Seri Hishammuddin Hussein said what ambassador Kang Choi did went beyond his task as a diplomatic representative”(北朝鮮のマレーシア駐在大使は、キム・ジョンナム氏の殺害に関するマレーシアの捜査についての声明で、逸脱行為をした。ヒシャムディン国防相は、北朝鮮の大使がやったことは、外交官としての仕事から逸脱していると言明した)と報じました。

シンガポールの『The Straits Times』紙は、2月23日現在の情報で、キム・ジョンナム氏殺害事件の特集を組んで、キム・ジョンナム氏とはいかなる人物か、彼のこれまでの動向、空港における犯罪シーンの再現、容疑者、北朝鮮の容疑者、北朝鮮の粛清キャンペーンなどについて、写真やイラスト入りで説明しています。
“Murder at the airport”(空港での殺人事件)という見出しで、”Amid the bustle of passengers in the departure hall of Kuala Lumpur airport, two women assassinated the estranged half-brother of North Korean leader Kim Jong Un. In a brazen attack, they delivered a fatal poison which left the unsuspecting victim dead before he could reach a hospital”(クアラルンプール空港の出発ロビーで搭乗客でごったがえす中で、2人の女が、北朝鮮の指導者キム・ジョンナンム氏の孤立した異母兄を暗殺した。傍若無人な襲撃で、女たちは、致死量の毒を塗り、その何の疑いももっていない犠牲者が病院に着く前に死に至らしめたのだ)と書いています。

中国の『Xinhua(新華社)』通信は、”Chemical weapon substance identified on dead DPRK man; Malaysian police”(マレーシア警察発表:死んだDPRK=朝鮮民主主義人民共和国の男性から化学兵器の物質検出)という見出しで、”Malaysian police said Friday that chemical weapon substance had been identified on the body of a Democratic People’s Republic of Korea(DPRK) man who died in the country on Feb.13. According to preliminary analysis, the chemical substance found on the samples of eye mucosa and face had been identified as “VX Nerve Agent,” national police chief Khalid Abu Bakar said in a statement”(マレーシアの警察は、2月13日にマレーシアで死亡したDPRK=朝鮮民主主義人民共和国の男性の遺体から化学兵器の物質が検出されたと発表した。マレーシア警察のカリド長官は、声明の中で、予備的な分析のよれば、目の粘膜と顔のサンプルから検出された化学物質は、“VX 神経ガス”とみられると述べた)と報じました。

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869. 米大統領国家安全保障担当補佐官にマクマスター氏ー2017.2.21 [国際ーアメリカ]

(a) 日本語のニュース

アメリカのトランプ大統領は、20日、空席になっていた国家安全保障担当の大統領補佐官に、戦略家として知られる陸軍能力統合センター所長のマクマスター陸軍中将を起用すると発表しました。
マクマスター氏は、54歳、陸軍のエリートを養成する陸軍士官学校「ウエストポイント」を卒業し、ノースカロライナ大学でアメリカ史の博士号を取得しました。
マクマスター氏は、1991年の湾岸戦争ではイラク軍の戦車部隊を攻撃して大勝し、2003年のイラク戦争でも活躍し、中東を管轄する中央軍の幹部を歴任しました。1997年の著書では、ベトナム戦争中のアメリカ軍幹部と政府の指導力の欠如を批判し、一躍名をはせました。
マクマスター氏は、ゲリラやテロリストなど反乱勢力を鎮圧する作戦や行動の専門家として知られ、2014年には、有能な戦略家としてアメリカの雑誌「タイム」で「世界で最も影響力のある100人」の1人に選ばれました。
マクマスター氏は、トランプ政権の外交・安全保障政策の司令塔として、国家安全保障担当の大統領補佐官をつとめることになります。
マクマスター氏は、就任するにあたって、「アメリカ国民とアメリカ本土の安全確保がわれわれの最優先課題だ。世界中でアメリカが直面している複雑で高まりつつある脅威に取り組むため、大統領を補佐する新たな任務にまい進する」と述べています。
共和党の重鎮マケイン上院軍事委員会委員長は、「マクマスター氏は本物の知性と能力を持つ人物で、トランプ大統領は優れた選択をした」という声明を発表しました。
フリン前大統領補佐官は、トランプ政権がまだ発足していない昨年12月末にアメリカ駐在ロシア大使との複数の電話協議でアメリカのロシア制裁の見直しを約束した疑惑を持たれ、就任1か月足らずで辞任に追い込まれました。

(b) ニュースの背景

アメリカ大統領の国家安全保障担当大統領補佐官は、大統領に対して、国防や外交全般にわたって幅広い政策提言を行います。国務長官と国防長官と並ぶ重要なポストです。大統領と毎日接し、政策を提言し、決定の中心になっています。
職務は、国防・外交問題の大統領最高顧問、国会安全保障会議事務局を担当する大統領直属スタッフ、最高政策文書「国家安全保障決定覚書」(NSDM)の発行責任者、情報工作命令「国家安全保障情報指令」(NSCIDs)の発行責任者です。

(c)英語のニュース

U.S. President Donald Trump has named Army Lieutenant General Herbert Raymond McMaster as his new national security adviser.
Lt. General McMaster will replace Mr. Michael Flynn who resigned on February 13th after only three weeks in the job following reports that he misled Vice President Mike Pence over his discussions on U.S. sanctions on Russia with Russia’s ambassador to the United States.
Lt. General McMaster served in the wars in the Persian Gulf, Afghanistan and Iraq. He is well-known as a military strategist.
Lt. General McMaster said that he looks forward to join the national security team and doing everything that he can to advance and protect the interests of the American people.

(dニュースの比較研究

トランプ政権が発足して1か月も経たないのに、ホワイトハウスで最も重要な地位にあったフリン安全保障担当大統領補佐官が、辞任に追い込まれましたが、後任に戦略家として知られるマクマスター陸軍中将が起用され、各国のメディアは一斉に報道しました。
アメリカの代表的な新聞の報道を紹介しましょう。

『The Wall Street Journal』は、”McMaster Named as Trump’s National Security Adviser – Army officer takes job at a time when several foreign policy challenges are under review”(マクマスター氏、トランプ大統領の国家安全保障担当補佐官にーいくつかの外交政策の挑戦が再検討されている時に陸軍の軍人が就任)という見出しで、”President Donald Trump chose an active-duty Army general as his new security adviser on Monday, bringing one of the U.S. military’s best-known strategists into the White House and adding to his team another warrior-scholar in the mold of Defense Secretary Jim Mattis”(トランプ大統領は、新しい安全保障担当補佐官に現役の陸軍の将軍を起用した。これによって、アメリカ軍の最も有名な戦略家の1人がホワイトハウスに入ることになり、トランプ大統領のチームにマティス国防長官の枠にはまったもう1人の軍人学者が加わることになった)と報じました。

『The New York Times』は、”Trump Chooses H.R. McMaster as National Security Adviser”(トランプ大統領、マクマスター氏を国家安全保障担当補佐官に起用)という見出しで、”President Trump appointed Lt. Gen. H.R. McMaster as his new national security adviser on Monday, picking a widely respected military strategist known for challenging conventional thinking and helping to turn around the Iraq war in its darkest days”(トランプ大統領は、新しい国家安全保障担当補佐官にマクマスター中将を指名した。通常の考え方に挑戦し、暗黒の時代のイラク戦争を転換させたことで知られ、広く尊敬されている軍事戦略家を起用したのだ)と報じました。

『The Washington Post』は、”Trump taps Army Lt. Gen. H. R. McMaster as his new national security adviser”(トランプ大統領、新しい国家安全保障担当補佐官としてマクマスター中将を選ぶ)という見出しで、”President Trump named Army Lt. Gen. H.R. McMaster as his new national security adviser, replacing the ousted Michael Flynn – a move meant to help put the White House on firmer footing after missteps on multiple fronts”(トランプ大統領は、新しい国家安全保障担当補佐官に、追放されたフリン氏に代わって、マクマスター中将を指名した。これは、ホワイトハウスが多方面で誤りを犯した後、しっかりとした足場を固めるための動きだ)と報じました。







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868. 北朝鮮、弾道ミサイル発射、日米首脳、国連安保理非難声明ー2017.2.14 [政治ー外交、国際ーアジア、アメリカ、国連]


(a) 日本語のニュース

北朝鮮が日本海に向けて中距離弾道ミサイルを発射、日米首脳や国連安全保障理事会は、これを非難する声明を発表しました。
北朝鮮は、13日国営メディアを通じて、「キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の立ち合いの下、12日戦略弾道ミサイル「北極星2型」の発射実験に成功した」と発表しました。
韓国軍によりますと、ミサイルは、北朝鮮の北西部から日本海に向けて発射され、高度550キロに達し、発射地点から東に500キロ余り離れた日本海に落下したということです。
このミサイル発射は、アメリカのトランプ政権が発足して初めてで、フロリダ州パームビーチで開かれていた日米首脳会談に合わせて行われたものとみられています。

北朝鮮による弾道ミサイルの発射を受けて、安倍首相とトランプ大統領は、11日そろって緊急の記者会見に臨み、安倍首相は、「北朝鮮のミサイル発射は断じて容認できない」と北朝鮮を強く非難し、トランプ大統領は、「アメリカは、偉大な同盟国日本を100%支援する」と述べました。

一方、国連安全保障理事会は、13日、北朝鮮による弾道ミサイル発射を受けて、緊急会合を開き、北朝鮮を強く非難する報道機関向けの声明を全会一致で採択しました。
日本の別所国連大使は、「これまでに安保理が採択した制裁決議を北朝鮮に影響力を持つ中国をはじめ各国が着実に履行し、具体的な行動で北朝鮮の挑発に歯止めをかけるべきだと強調しました。

(b)ニュースの焦点

朝鮮中央通信は、13日、今回の「北極星2型」の発射に立ち会ったキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の言葉として、「水中と地上のどこでも、最も正確で迅速に戦略的任務を遂行できるようになった」と伝えました。
「北極星2型」は、直前に燃料注入作業をする必要がない固体燃料型で機動性が高く、液体型よりも軍事的な脅威が大きいといわれています。
そして、今回の発射は、アメリカ本土を射程に収めるICBM=大陸間弾道ミサイルを開発する過程にあるとみられ、ICBMの完成に一歩近づいたものとされています。

(c)英語ニュース

North Korea says that it successfully test-fired an upgraded ballistic missile on Sunday.
North Korea’s state media reported on Monday that the “Polar Star Two” missile was launched under the supervision of leader Kim Jong-un.
It said that the missile was an upgraded version of a submarine-launched ballistic missile that was successfully tested in August last year, and that its powerful engine was loaded with solid fuel.
South Korea’s military says that the missile, launched from a site in the north-western region of North Korea, reached an altitude of 550 kilometers and fell into the Sea of Japan more than 500 kilometers east of the launch site.
The missile launch came as U.S. President Donald Trump and Japanese Prime Minister Shinzo Abe were meeting in Florida.

President Trump and Prime Minister Abe issued a joint statement criticizing North Korea’s ballistic missile launch.
At a joint news conference in Florida, Mr. Abe called the missile launch absolutely intolerable, while Mr. Trump said that the United States stands behind Japan, its great ally, 100 percent.
,
Meanwhile, the United Nations Security Council has unanimously approved a press statement strongly condemning North Korea’s latest ballistic missile launch.
The press statement said that the launch is a grave violation of past U.N. resolutions and warned of further significant measures against North Korea.
Japan’s U.N. Ambassador Bessho called for steady implementation of relevant resolutions by all countries, including China, which is thought to have influence over North Korea.

(d)ニュースの比較研究

北朝鮮の弾道ミサイル発射については、日本のメディアは、大きく取り上げますが、アメリカ、ヨーロッパなどでは、それほどでもありません。
代表的なメディアの報道を紹介しましょう。

アメリカの『The New York Times』紙は、”North Korea Fires Ballistic Missile, Challenging Trump”(北朝鮮、トランプ大統領に挑戦して弾道ミサイル発射)という見出しで、”North Korea launched a ballistic missile toward the sea off its eastern coast on Sunday, in what South Korea called the North’s first attempt to test President Trump’s policy on the isolated country”(北朝鮮は、東海岸沖の海に向けて弾道ミサイルを発射した。これは、韓国がいっているように、トランプ大統領の北朝鮮政策をテストしようとする北朝鮮の最初の試みだ)と報じました。

アメリカの『CNN(=Cable News Network)』放送は、”North Korea’s missile launch: Japan, are watching?”(北朝鮮のミサイル発射:日本よ、お前は見ているのか?)という見出しで、”Japanese Prime Minister Shinzo Abe was thousands of miles away from home, but Kim Jong Un’s message was loud and clear – think twice before getting too cozy with the new US President. Abe, who is visiting the United States and Japan were likely the main audience for North Korea’s Sunday missile launch”(日本の安倍首相は、母国から何千マイルも離れたところにいたが、キム・ジョンウンのメッセージは、大きく、はっきりしていた。アメリカの新しい大統領と親しくなる前にもう一度考えよ。アメリカを訪れている安倍首相と日本は、北朝鮮のミサイル発射にとって主たる視聴者のようだ)と報じました、

中国の『Xinhua(新華社)』通信は、”DPRK claims successful test firing of medium long-range ballistic missile(DPRK=朝鮮民主主義人民共和国、中長距離弾道ミサイルの試射成功)という見出しで、”The Democratic People’s Republic of Korea(DPRK) on Monday claimed it successfully test-fired a surface-to-surface medium- and long-range ballistic missile Pukguksong-2 and its top leader Kim Jong Un guided the test firing, according to the state news agency KCNA”(朝鮮中央通信によれば、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)は、地対地中長距離弾道ミサイル「北極星2」の試射に成功した。最高指導者のキム・ジョンウンが試射を指導した)と報じました。

韓国の『KBS(=Korea Broadcasting System)』放送は、”JCS: N. Korea Launched New IRBM on Sunday”(韓国軍合同参謀本部(JCS)発表:北朝鮮、新中距離弾道ミサイル(IRBM)発射)という見出しで、”The South Korean military says the latest missile launched by North Korea is a new solid-propellant intermediate-range ballistic missile(IRBM). An official with the Joint Chiefs of Staff(JCS) said in a news briefing on Monday that the missile is not a modified Mustan but an intermediate-range ballistic missile”(韓国軍の発表によれば、北朝鮮が打ち上げたミサイルは、新型の固体燃料の中距離弾道ミサイル(IRBM)である。韓国軍合同参謀本部の担当官は、ニュースの説明の中で、ミサイルは、ムスタンの改良型ではなくて、中距離弾道ミサイルだと述べている)と報じました。



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867. 安倍・トランプ会談のニュースに関する日米比較ー2017.2.13 [国際ーアメリカ、日本]

867. 安倍・トランプ会談(2017.2.10)のニュースについて、日米の報道を比較をしてみました。


日本のメディアの報道は、日米同盟の強化、新経済対話の設置、日米安全保障条約第5条の尖閣諸島への適用で合意というのが、共通項で、相変わらず「横並び」、「画一的」です。それは、各社政治部の官邸記者クラブの記者の書いた原稿で、これまでみてきた安倍首相とオバマ、トランプ、プーチンなど首脳との会談のニュースと同じ特徴がでています。
アメリカのメディアの報道は、トランプ大統領が日米同盟の強化・維持を確約したことに重点を置いたものが多いですが、各報道の違いが出ていて興味深いです。

日本のメディアの報道

『読売』12日付け朝刊
・見出しー日米経済対話新設、「尖閣に安保」明記、首脳会談合意、共同声明 核による防衛も
・リードー安倍首相は10日午後(日本時間11日未明)、トランプ米大統領とワシントンで初の首脳会談を行い、日米同盟と経済関係を強化していく方針を確認し、共同声明を発表した。麻生副総理兼財務相とペンス副大統領をトップとし、貿易や財政・金融など分野横断的経済対話の枠組みを新設することで、合意した。また、米国の核による日本防衛や沖縄県の尖閣諸島が米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約5条の適用対象であることなどを共同声明に明記し、トランプ氏の年内来日で調整することでも一致した。
・解説―政治部 芳村健次 安倍・トランプ新時代(上)中国念頭 蜜月アピール
・社説―日米首脳会談 経済で相互利益を追求したい 個人的信頼を基に同盟強化せよ

『朝日』12日付け朝刊
・見出しー尖閣に安保 共同声明、経済対話 枠組み新設、日米首脳、同盟強化を確認
・リードー安倍晋三首相は、10日午後(日本時間11日未明)、ワシントンのホワイトハウスでトランプ米大統領と初の首脳会談を行った。両首脳は日米同盟の強化で一致し、米国の日本防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条が沖縄県の尖閣諸島に適用されることを確認した。また、麻生太郎副総理兼財務相とペンス副大統領による日米経済対話の枠組み新設で合意した。
・解説―政治部長 佐古浩敏 親密さを国際協調への礎に
・社説―日米首脳会談 「蜜月」演出が覆う危うさ

『毎日』12日付け朝刊
・見出しー日米経済対話を新設、両首脳「同盟強化」共同声明
・リードー安倍晋三首相は10日午後(日本時間11日未明)、ホワイトハウスでトランプ米大統領とワーキングランチも含め計1時間40分会談した。日米の経済関係強化に向け、分野横断的な対話の枠組み「日米経済対話」を麻生太郎副総理兼財務相とペンス副大統領の下に設けることで合意。日米同盟を強化することで一致し、トランプ氏の年内訪日も固まった。
・解説―ワシントン 秋本裕子、清水憲司 FTA 今後の焦点
・社説―日米首脳会談 厚遇の次に待つものは

『日本経済』12日付け朝刊
・見出しー日米で新経済対話、通商・金融などで合意、米の尖閣防衛義務を確認、初の首脳会談
・リードー安倍晋三首相は10日午後(日本時間11日未明)、ホワイトハウスでトランプ米大統領と初めて会談した。日米両国で財政・金融政策や貿易・投資などを幅広く議論するため、麻生太郎副総理とペンス副大統領をトップとする経済対話の新設で合意した。日米が主導した環太平洋経済連携協定(TPP)が漂流する中、新たな連携と公正な市場づくりに向けた協議が始まる。
・解説―コメンテーター菅野幹雄 握手の先 世界に責任
・社説―日米は新経済対話を冷静に進めよ

『産経』12日付け朝刊
・見出しー日米ナンバー2経済対話、「同盟に投資」防衛力強化、首脳会談 トランプ氏 年内訪日へ
・リードー安倍晋三首相は10日午後(日本時間11日未明)、米ワシントンのホワイトハウスでトランプ米大統領と会談した。両首脳は、経済関係強化のため、貿易・投資分野などを協議する経済対話の枠組みを新設することで合意。麻生太郎副総理とペンス副大統領の両国のナンバー2がトップを務める。安倍首相はトランプ氏の年内訪日を要請し、大統領も応じた。
・解説―ワシントン 田北真樹子 ディール外交の疑念残る
・主張―日米首脳会談 揺るがぬ同盟への決意だ 「自由」の恩恵に資する対話を

『東京』(中日新聞東京本社)12日付け朝刊
・見出しー経済対話で新枠組み、米大統領「公正な貿易を」首相「米雇用に貢献」、同盟強化へ共同声明
・リードー安倍晋三首相は10日午後(日本時間11日未明)、トランプ米大統領とホワイトハウスで初めて会談し、両国の貿易や日本の対米投資など経済分野を幅広く協議する麻生太郎副総理とペンス副大統領らによる枠組みを設けることで一致した。両首脳は、経済関係と同盟を強化する決意を盛り込んだ共同声明を発表。中国が領有権を主張する沖縄県・尖閣諸島は、米国の日本防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象だと明記した。首相は年内訪日を招請し、トランプ氏も応じる考えを示した。
・解説―政治部長 金井辰樹 「米国第一」追随にならぬよう
・社説―安倍・トランプ会談 蜜月の影響定めねば

『共同通信』11日配信 
・見出しー日米首脳、貿易・投資、同盟強化へ声明、尖閣は安保適用
・リードー安倍晋三首相は、10日午後(日本時間11日未明)、トランプ米大統領とホワイトハウスで初めて会談し、日米の経済関係強化のため、貿易・投資分野など幅広く協議する閣僚枠組みを新設することで合意した。両首脳は、日米同盟を一層強化する決意を確認したとの共同声明を作成。首相は年内の日本公式訪問を招請し、トランプ氏は受け入れた。沖縄県・尖閣諸島について、米国の防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象であると確認した。今回の会談は大統領就任後、両首脳による初の本格的な対話となる。

『時事通信』11日配信
・見出しー分野横断で新経済対話=トランプ氏、年内訪日―共同声明に尖閣防衛義務・日米首脳
・リードー安倍晋三首相は10日午後(日本時間11日未明)、トランプ米大統領とホワイトハウスで初の首脳会談を行い、日米同盟と経済関係を一層強化していくことで一致した。両首脳は、貿易の枠組みや投資・雇用拡大策を協議するため、麻生副総理とペンス副大統領らによる「分野横断的」な経済対話を創設することで合意。中国が領有権を主張する沖縄県・尖閣諸島について、米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象と確認した。首相は、大統領の年内訪日を招請し、大統領も受け入れた。

『NHK』11日放送
・見出しー日米首脳会談終え 両首脳が共同記者会見
・リードー安倍総理大臣は、トランプ大統領との初めての日米首脳会談のあとホワイトハウスで共同の記者会見に臨み、両国の経済関係を一層深化させるため、麻生副総理兼財務大臣とペンス副大統領の間で対話を進めることでトランプ大統領と合意したことを明らかにしました。また、沖縄県の尖閣諸島が、アメリカによる防衛義務を定めた日米安全保障条約の適用範囲であることを確認したと明言しました。
・見出しー日米共同声明 安保 経済での緊密連携を強調
・リードー安倍総理大臣とアメリカのトランプ大統領は、首脳会談のあと共同声明を発表し、日米同盟は、アジア太平洋地域における平和、繁栄、自由の礎であるとその重要性を確認し、沖縄県の尖閣諸島がアメリカの防衛義務を定めた日米安全保障条約の適用範囲であることを明記しています。また、経済分野では、両国間で2国間の枠組みに関する議論を含め、両国および地域の経済成長などを達成するための最適の方法を探求することを誓約したとしています。


アメリカのメディアの報道


『The Wall Street Journal』紙
・見出しーTo Bond With Trump, Japan’s Abe Takes a Swing at Fairway Diplomacy – When Japanese officials talk about the two-day summit, they emphasize a Mar-a-Lago trip over a White House meeting (日本の安倍首相、トランプ大統領と親密になるために、ゴルフのフェアウエイ外交でスウングするー日本政府筋は、2日にわたる日米首脳会談を語るときに、ホワイトハウスの会談よりもマララゴ旅行の方を強調する)
・リードーDonald Trump has jarred Japan by blasting its trade practices and hinting he might yank the American security umbrella protecting the country since World War II. Prime Minister Shinzo Abe hopes to parry those threats not with confrontation, but through a day bonding over golf and socializing with the two leaders’ wives. As heads of state around the world struggle to figure out how to handle the unpredictable new American president, Japan’s leader is honing a strategy of building personal ties first. (トランプ大統領は、日本の貿易習慣を破壊し、第二次世界大戦以降日本を守っているアメリカの核の傘を取り外すことを示唆することによって、日本にショックを与えた。安倍首相は、こうした脅しをかわしたいと思っている。対決ではなくて、ゴルフで緊密になり、両首脳の奥様方と社交を通じてだ。世界各国の首脳が、この予想できないアメリカの新大統領を扱う方法を必死に探ろうとしている時に、日本のリーダーは、まず個人的な関係を構築するという戦略に磨きをかけているのだ)

『The Washington Post』紙
・見出しーTrump reaffirms U.S. -Japan security alliance in bid to soothe fears in Tokyo(トランプ大統領、東京での恐れを和らげるために日米安全保障同盟を再確認)
・リードーPresident Trump pledged Friday that his administration remains committed to maintaining the United States’ long-standing security alliance with Japan, aiming to calm jitters in Tokyo over inflammatory rhetoric on the campaign trial.(トランプ大統領は、アメリカの日本との長い間続いている安全保障の同盟を維持する約束を守り続けると誓った。これは、トランプ氏が大統領選挙期間中、彼の扇動的な演説をめぐって、東京でのいらいらを鎮める目的なのだ)

『The New York Times』紙
・見出しーIn Welcoming Shinzo Abe, Trump Affirms U.S. Commitment to Defending Japan (トランプ大統領、安倍首相を歓迎し、アメリカの日本防衛の約束を確認)
・リードーPresident Trump pledged close security and economic cooperation with Japan on Friday, opening an elaborate multiday work-and-play visit with Prime Minister Shinzo Abe that is intended to showcase a warm rapport with a central player in Asia(トランプ大統領は、緊密な安全保障と経済協力を約束し、安倍首相との綿密に用意された仕事と遊びの訪問が始まった。それは、アジアの中心的なプレイヤーとの暖かい協調関係を見せるためのものだ)

『USA TODAY』紙
見出しーTrump commits to security of Japan (トランプ大統領、日本の安全保障を約束)
リードーExtolling an alliance more than seven decades old, President Trump on Friday reaffirmed the United States’ commitment to the defense of Japan, but he suggested that Japan as well as the U.S. contribute more to military cooperation. (トランプ大統領は、70年以上続いている日米同盟を称賛し、アメリカの日本防衛の約束を再確認したが、日米両国が、これまで以上に軍事協力を推進することを示唆した)

『CNN(=Cable News Network)』放送
・見出しーDonald Trump’s Asia pivot (トランプ大統領のアジアの中心人物)
・リードーPresident Donald Trump now has his own Asia pivot. In less than 24 hours, Trump distanced himself from the incendiary tone he struck on China and Japan while running for office, Acting more as a statesman than a populist insurgent candidate, Trump implied he will operate within the conventional US foreign policy framework towards Asia and soothed global fears that he intends a wholesale rejection of the international system.(トランプ大統領は、今やアジアの中心人物と親しくなった。トランプ氏は、大統領選挙期間中、中国と日本に攻撃を加えていた扇動的な調子とは自ら距離を置くようになった。トランプ氏は、大衆迎合型の反政府の候補者というよりも、政治家として、アメリカの外交政策のアジアへの枠組みの中で行動すると示唆し、国際システムを全面的に拒否すると世界が恐れていたことをやわらげたのだ)





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866. 講演 日曜講座「トランプ政権の発足と日本ー2017.2.12 [国際ーアメリカ、日本]

講演 日曜講座『トランプ政権の発足と日本』         日比野正明
2017.2.12 


1. アメリカの大統領選挙で共和党のトランプ氏勝利(2016.11.8)
2. トランプ大統領の就任式(2017.1.20)―就任演説と基本政策の発表
3. トランプ大統領の主な大統領令
4. トランプ政権の対日政策と日本の対応
5. 日米首脳会談(2017.2.10)のニュースの日米比較
資料 トランプ政権のホワイトハウススタッフと閣僚人事
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

1.アメリカの大統領選挙で共和党のトランプ氏勝利(2016.11.8)

2016年11月の大統領選挙で獲得した大統領選挙人の数と得票数と全体の割合

・CNN
Donald Trump (Republican) 306人  62,979,879票―46.1%
Hillary Clinton (Democrat) 232人  65,844,954票―48.2%

・The New York Times
Donald Trump (Republican) 306人 62,979,636票―46.0%  
Hillary Clinton (Democrat) 232人 65,844,610票―48.1%

2017年1月連邦議会で開票した結果、大統領選挙人が実際に投じた票数

Donald Trump 304票 (Trumpの大統領選挙人2人が他の候補者に投票)
Hillary Clinton 227票 (Clintonの大統領選挙人5人が他の候補者に投票))
            (合計7人の大統領選挙人が他の候補者に投票した
のは初めて)

・トランプ氏の勝因とクリントン氏の敗因

トランプ氏は、大統領選挙戦を通じて、女性蔑視発言、メキシコとの国境に巨大な壁を建設し、不法移民を強制送還、イスラム教徒の一時入国禁止など暴言を発してきましたが、「エスタブリッシュメント(既存の支配層)」の政治を徹底的に批判するとともに、雇用を拡大し、経済を活性化し、アメリカを再び大国にするとアメリカ第一主義をアピールしました。これが、アメリカの現状に不満を抱いている白人の中間層や無党派層からの支持を集めたとみられています。特に“隠れトランプ”といわれる人たちの多くが投票し、勝利につながったと分析されています。
一方、クリントン氏は、女性初の大統領をめざし、国務長官、上院議員などの経験と実績を強調し、万全の即戦力と資金力で臨みましたが、国務長官時代に私用メールを使っていたことと選挙終盤にFBI=連邦捜査局がメール問題で再捜査を始めたという発表も敗北に影響を与えたものとみられます。
トランプ氏もクリントン氏も”不人気候補“といわれ、双方とも支持率が50%を切るような状態でした。これまで、アメリカ人は、テレビ討論を見て誰に投票するかを決めるといわれてきましたが、3回行われたテレビ討論でも双方が相手候補を誹謗中傷し、泥仕合のような様相を呈し、”史上最低“のテレビ討論といわれました。
トランプ氏は、“トランプ旋風”といわれる勢いで、短いフレーズで刺激的な言葉を使ってアピールするやり方で人々の心をつかむポピュリズム(大衆迎合主義)で、選挙で勝利を収めましたが、今後大統領の座について、実際の政策の中でどうやって実行に移していくのか、さらに今回の選挙で分断されたアメリカの国民をどうやって融和をはかっていくのか、さらに、アメリカが再び大国になれるのかが今や問われているのです。

2. トランプ大統領の就任式(2017.1.20)-就任演説と基本政策の発表

就任演説

アメリカの共和党のドナルド・トランプ氏(70)は、1月20日、第45代大統領に就任しました。
史上最高齢の大統領で議員などの公職についたことがない実業家出身の大統領は初めてで、共和党政権は、8年ぶりのことです。
就任式は、連邦議会議事堂前で行われ、トランプ新大統領は、就任演説の中で、アメリカの国益を最優先する「アメリカ第一主義」を全面に打ち出しました。そして、雇用創出や不法移民対策などを強調し、「アメリカを再び誇り高く、安全で偉大な国にする」と強調し、国民に結束を促し、アメリカの再建を誓いました。


基本政策

トランプ新政権は、20日、就任演説直後にホワイトハウスのホームページ上で、6項目の基本政策を発表しました。
① 通商―TPP=環太平洋経済連携協定からの離脱、NAFTA=北米自由貿易協定も再交渉、全ての不正な貿易行為を特定し、あらゆる手段でやめさせるように商務長官に指示
② 雇用・経済―今後10年で2,500万人の新たな雇用を創出、年4%の経済成長を目指す、税制改革によって税制の簡素化、全ての税区分での税引き下げ、所得税、法人税の引き下げ
③ 外交―「力による平和」が外交政策の中心、「IS=イスラム国」をはじめとするイスラム過激派テロ組織の根絶が最優先課題、国際的な協力によって、テロ組織への資金源を止める
④ 軍事―アメリカ軍を再び強化するため新たな予算案を議会に提出、イランや北朝鮮を念頭に最新鋭のミサイル防衛システムの開発、サイバー攻撃対策の強化
⑤ 治安―国境に壁を作り不法移民の流入を防ぐ、犯罪歴のある不法移民の強制送還
⑥ エネルギーーエネルギーコストの引き下げ、アメリカのエネルギー資源(シェール、天然ガス等)の最大限の活用、OPEC=石油輸出機構など外国資源への依存からの脱却、「気候行動計画」(オバマ政権の包括的な気候変動対策)など不必要な政策、規制の撤廃によって年間300億ドル以上の賃金を増やす、エネルギー生産からの収入によって、道路、学校、橋、公共インフラを再建、クリーン石炭技術の推進、石炭産業の復活

3. トランプ大統領の主な大統領令

大統領令というのは、アメリカの憲法で規定された大統領の執行権に基づき、大統領が連邦政府や軍に行う命令のことです。議会を通さずに発令でき、法律と同等の力を持っています。事務的な手続きから災害対応など、幅広く使われています。オバマ前大統領は、2010年の中間選挙で民主党が下院で少数派になると、政策実現のために大統領令を多用しましたが、議会軽視という批判も招きました。
一方で、連邦議会は、反対する法律を作ることで大統領令に対抗できるほか、最高裁判所も違憲判断を示すことができます。
こうして三権分立で、行政・大統領、立法・議会、司法・最高裁がお互いに牽制と均衡(checks and balances)を取り合っているのです。

・1月20日 トランプ大統領、オバマケア=医療保険制度改革法の見直し指示の大統領令に署名
・1月25日 トランプ大統領、メキシコとの国境に壁を造ることを命じる大統領に署名、不法移民対策を強化するためと説明。26日トランプ大統領、ツイッターで、国境の壁建設費用をメキシコが負担しなければ、31日に予定している首脳会談を中止した方がよいと宣言、メキシコが反発、ベニャトニエト大統領は、26日、費用は払うつもりは全くなく、首脳会談に向けた訪米は中止するとアメリカ側に通知。
・1月27日 トランプ大統領は、テロの懸念があるシリア、イラク、イラン、リビア、ソマリア、スーダン、イエメンの7か国からの市民について、90日間入国を禁止する、すべての国からの難民の受け入れを120日間停止する、シリア難民は、受け入れ可能と判断するまで無期限で受け入れを停止するという大統領令に署名しました。、
この大統領令は、アメリカ国内だけでなく、世界各国から批判の声があがっています。
29日、ニューヨーク、ワシントンなど15の州と首都ワシントンの司法長官は、大統領令を「違憲で違法」と非難する連名の声明を発表。無効を訴えて提訴する方針。
30日、司法省のイェイツ長官代理は、大統領令に従わないよう同省に通知。同日、トランプ大統領は、イェイツ氏を解任。
2月3日西部ワシントン州のシアトル連邦地方裁判所は、大統領令の即時停止を命じる仮処分を決定。4日国務省は、地裁の決定を受けて、有効なビザがあれば、入国を受け入れる方針決定。トランプ政権は、地裁の決定を不服として控訴裁判所(二審、日本の高等裁判所にあたる)に上訴。9日、サンフランシスコの連邦控訴裁判所は、地裁の決定を支持し、トランプ政権の不服申し立てを却下する決定。今回の決定で、大統領令の一時停止の措置は継続、7か国の人たちの入国は引き続き認められる。トランプ政権は、連邦最高裁判所に不服申し立ての方針。
(1月31日、トランプ大統領は、連邦最高裁判事に保守的な立場で知られる連邦控訴裁判事のゴーサッチ氏(49)を指名。最高裁判事は9人からなり、昨年2月判事の一人亡くなったため、空席1。構成は、保守派4人、リベラル派4人で、上院が承認すると、保守派5人、リベラル派4人になる。2月8日、ゴーサッチ氏は、上院議員との面会で、トランプ大統領が司法や裁判官批判を続けていることについて、「がっかりする」「士気にかかわる」と述べたと伝えれています)

4. トランプ政権の対日政策と日本の対応

経済・貿易
アメリカ商務省が、2月7日に発表したところによりますと、2016年の貿易統計(通関ベース)で、モノの貿易での対日赤字は689億ドル(約7兆7000億円)となり、相手国別では3年ぶりに日本は中国に次いで2位に浮上しました。トランプ大統領が「不公平だ」と批判する自動車関連も対日赤字が526億ドルに増加しています。
モノの対日赤字は前年比横ばいで、全体の9%を占めました。アメリカの貿易赤字国としては、日本は、ドイツを抜いて2位になりました。自動車関連の貿易赤字は前年速報値(489億ドル)から大幅に増え、対日貿易赤字全体の8割弱の規模となりました。日本メーカーは、北米生産にシフトしていますが、日本車の対米輸出は高級車が中心で、単価上昇が貿易赤字拡大の要因になっています。
アメリカのモノの貿易赤字を最も計上しているのは中国で、3470億ドルと全体の47%を占めています。3位はドイツで、4位がメキシコでした。トランプ政権は日中独を通貨安誘導と批判するなど、貿易赤字削減の標的にしています。メキシコには、NAFTA=北米自由貿易協定の再交渉を突き付けて、貿易不均衡の是正を求めています。

・安全保障・防衛
日米安全保障条約は、1951年サンフランシスコ講和条約の調印と同時に日米間で締結された条約で、日本の安全を保障するため、アメリカ軍の日本駐留などを定めたものです。1960年に新条約に改定され、軍事行動に関して、日米両国の事前協議・相互協力義務などが新たに加えられました。期限は10年で、それ以後は、通告後1年で破棄できることになっています。1970年から自動延長されています。
第5条は、アメリカの対日防衛義務を定めており、条約の中核的な規定です。この条文は、「日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃」に対し、「共通の危険に対処するよう行動する」としており、我が国の施政の下にある領域内にあるアメリカ軍に対する攻撃を含め、我が国の施政の下にある領域に対する武力攻撃が発生した場合には、日米両国が共同して日本の防衛に当たる旨規定しています。

日米防衛協力のための指針(ガイドライン)は、2015年18年ぶりに改定され、日米協力の範囲が、「アジア太平洋地域及びこれを超えた地域」に拡大され、従来、朝鮮半島有事など日本周辺に制限されていた自衛隊のアメリカ軍に対する後方支援は、地理的限定がなくなりました。これは、2014年閣議決定で、集団的自衛権の限定容認に方針を転換したことを受けて改定されたものです。

5. 日米首脳会談(2017.2.10)のニュースの日米比較


日本のメディアの報道

『読売』電子版 11日配信
・見出しー日米首脳、尖閣への安保条約5条適用を確認
・リードー安倍首相は10日午後(日本時間11日未明)、トランプ米大統領とホワイトハウスで会談後、共同記者会見に臨み、沖縄県・尖閣諸島について、「(米国の対日防衛義務を定めた)日米安全保障条約5条の対象であることを確認した」と明らかにした。トランプ氏も「日本の安全保障に関与していく」と強調した。
・見出しー「自由で公正な貿易で経済関係強化」共同声明
・リードー日米両政府は10日(日本時間11日)、ワシントンでの安倍首相とトランプ大統領との首脳会談後に共同声明を発表した。声明では、首相の招待により、トランプ氏が年内に日本を公式訪問することが盛り込まれた。
経済分野では、「両首脳は自由で公正な貿易のルールに基づいて、両国と地域における経済関係を強化する」と明記された。

『朝日』電子版 11日配信
・見出しートランプ氏「貿易関係を自由で公平に」日米首脳会談
・リードー安倍晋三首相とトランプ米大統領による首脳会談が10日正午過ぎ(日本時間11日未明)ホワイトハウスで行われた。
トランプ大統領は、会談後の共同記者会見で「貿易関係を自由で公平にしたい」と発言した。
トランプ大統領は、また、「日本の安全保障に関与する」と述べた。
安倍首相は、「首脳会談で、尖閣諸島が日米安全保障条約5条の適用範囲だと確認した」と明言した。

『日本経済』電子版 11日配信
・見出しー日米が経済対話 財政・金融含め包括協議、首脳会談で合意
・リードー訪米中の安倍晋三首相は10日昼(日本時間11日未明)、ホワイトハウスでトランプ米大統領と約100分間会談した。日米同盟と経済関係をさらに強化する方針で一致。麻生太郎副総理とペンス副大統領による対話の枠組みを新設し、財政政策や金融政策から貿易や投資など後半な分野で包括的に議論することで合意した。

『共同通信』11日配信 
・見出しー日米首脳、貿易・投資、同盟強化へ声明、尖閣は安保適用
・リードー安倍晋三首相は、10日午後(日本時間11日未明)、トランプ米大統領とホワイトハウスで初めて会談し、日米の経済関係強化のため、貿易・投資分野など幅広く協議する閣僚枠組みを新設することで合意した。両首脳は、日米同盟を一層強化する決意を確認したとの共同声明を作成。首相は年内の日本公式訪問を招請し、トランプ氏は受け入れた。沖縄県・尖閣諸島について、米国の防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象であると確認した。今回の会談は大統領就任後、両首脳による初の本格的な対話となる。

『時事通信』11日配信
・見出しー分野横断で新経済対話=トランプ氏、年内訪日―共同声明に尖閣防衛義務・日米首脳
・リードー安倍晋三首相は10日午後(日本時間11日未明)、トランプ米大統領とホワイトハウスで初の首脳会談を行い、日米同盟と経済関係を一層強化していくことで一致した。両首脳は、貿易の枠組みや投資・雇用拡大策を協議するため、麻生副総理とペンス副大統領らによる「分野横断的」な経済対話を創設することで合意。中国が領有権を主張する沖縄県・尖閣諸島について、米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象と確認した。首相は、大統領の年内訪日を招請し、大統領も受け入れた。

『NHK』11日放送
・見出しー日米首脳会談終え 両首脳が共同記者会見
・リードー安倍総理大臣は、トランプ大統領との初めての日米首脳会談のあとホワイトハウスで共同の記者会見に臨み、両国の経済関係を一層深化させるため、麻生副総理兼財務大臣とペンス副大統領の間で対話を進めることでトランプ大統領と合意したことを明らかにしました。また、沖縄県の尖閣諸島が、アメリカによる防衛義務を定めた日米安全保障条約の適用範囲であることを確認したと明言しました。
・見出しー日米共同声明 安保 経済での緊密連携を強調
・リードー安倍総理大臣とアメリカのトランプ大統領は、首脳会談のあと共同声明を発表し、日米同盟は、アジア太平洋地域における平和、繁栄、自由の礎であるとその重要性を確認し、沖縄県の尖閣諸島がアメリカの防衛義務を定めた日米安全保障条約の適用範囲であることを明記しています。また、経済分野では、両国間で2国間の枠組みに関する議論を含め、両国および地域の経済成長などを達成するための最適の方法を探求することを誓約したとしています。


アメリカのメディアの報道


『The Wall Street Journal』紙
・見出しーTo Bond With Trump, Japan’s Abe Takes a Swing at Fairway Diplomacy – When Japanese officials talk about the two-day summit, they emphasize a Mar-a-Lago trip over a White House meeting (日本の安倍首相、トランプ大統領と親密になるために、ゴルフのフェアウエイ外交でスウングするー日本政府筋は、2日にわたる日米首脳会談を語るときに、ホワイトハウスの会談よりもマララゴ旅行の方を強調する)
・リードーDonald Trump has jarred Japan by blasting its trade practices and hinting he might yank the American security umbrella protecting the country since World War II. Prime Minister Shinzo Abe hopes to parry those threats not with confrontation, but through a day bonding over golf and socializing with the two leaders’ wives. As heads of state around the world struggle to figure out how to handle the unpredictable new American president, Japan’s leader is honing a strategy of building personal ties first. (トランプ大統領は、日本の貿易習慣を破壊し、第二次世界大戦以降日本を守っているアメリカの核の傘を取り外すことを示唆することによって、日本にショックを与えた。安倍首相は、こうした脅しをかわしたいと思っている。対決ではなくて、ゴルフで緊密になり、両首脳の奥様方と社交を通じてだ。世界各国の首脳が、この予想できないアメリカの新大統領を扱う方法を必死に探ろうとしている時に、日本のリーダーは、まず個人的な関係を構築するという戦略に磨きをかけているのだ)

『The New York Times』紙
・見出しーIn Welcoming Shinzo Abe, Trump Affirms U.S. Commitment to Defending Japan (トランプ大統領、安倍首相を歓迎し、アメリカの日本防衛の約束を確認)
・リードーPresident Trump pledged close security and economic cooperation with Japan on Friday, opening an elaborate multiday work-and-play visit with Prime Minister Shinzo Abe that is intended to showcase a warm rapport with a central player in Asia(トランプ大統領は、緊密な安全保障と経済協力を約束し、安倍首相との綿密に用意された仕事と遊びの訪問が始まった。それは、アジアの中心的なプレイヤーとの暖かい協調関係を見せるためのものだ)

『USA TODAY』紙
見出しーTrump commits to security of Japan (トランプ大統領、日本の安全保障を約束)
リードーExtolling an alliance more than seven decades old, President Trump on Friday reaffirmed the United States’ commitment to the defense of Japan, but he suggested that Japan as well as the U.S. contribute more to military cooperation. (トランプ大統領は、70年以上続いている日米同盟を称賛し、アメリカの日本防衛の約束を再確認したが、日米両国が、これまで以上に軍事協力を推進することを示唆した)

『CNN(=Cable News Network)』放送
・見出しーDonald Trump’s Asia pivot (トランプ大統領のアジアの中心人物)
・リードーPresident Donald Trump now has his own Asia pivot. In less than 24 hours, Trump distanced himself from the incendiary tone he struck on China and Japan while running for office, Acting more as a statesman than a populist insurgent candidate, Trump implied he will operate within the conventional US foreign policy framework towards Asia and soothed global fears that he intends a wholesale rejection of the international system.(トランプ大統領は、今やアジアの中心人物を持つようになった。トランプ氏は、大統領選挙期間中、中国と日本に攻撃を加えていた煽情的な調子とは自ら距離を置くようになった。トランプ氏は、大衆迎合型の反政府の候補者というよりも、政治家として、アメリカの外交政策のアジアへの枠組みの中で行動すると示唆し、国際システムを全面的に拒否すると世界が恐れていたことをやわらげたのだ)






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