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665.沖縄と政府、辺野古への移設計画をめぐり法廷闘争へー2015.9.15 [政治ー安全保障、社会]

(a)日本語のニュース

沖縄県宜野湾市(きのわんし)にあるアメリカ軍の普天間飛行場の移設計画をめぐって、沖縄県と政府がきびしく対立し、法廷闘争に発展する見通しです。
沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事は、14日、記者会見し、移設予定地の沖縄県名護市辺野古(へのこ)の埋め立て承認を取り消す手続きに入ったと発表しました。
翁長知事は、前の知事の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)氏が行った埋め立て承認について、「取り消すべき瑕疵(かし)があると認められた」と指摘しました。翁長知事は、「あらゆる手段を講じて辺野古に基地を造らせないための第一歩となる」と強調しました。
辺野古への移設計画をめぐる沖縄県と政府の集中協議は、この7日まで5回にわたって行われましたが、沖縄県側は、辺野古への移設計画に反対し、県外移設を強く主張し、一方政府は、辺野古への移設計画の実施を求め、対立したままで終わっています。
政府は、沖縄との集中協議で中断していた辺野古での移設作業をすでに12日に再開しており、10月末までに海底ボーリング作業を終え、その後、速やかに埋め立て作業などの本体工事に入る方針です。
政府は、翁長知事が辺野古への移設計画の承認取り消しを正式に決めた場合には、無効を求めて法的対抗措置をとる方針で、最終的には、政府と沖縄県による法廷での争いに発展することが予想されています。

一方、アメリカ国務省の報道官は、14日の記者会見で、「日米両国の政府は、引き続き普天間基地の計画どおりの移設を進める決意で、日本政府と緊密に連携していく」と述べ、アメリカ国防総省の報道官も現行の移設計画に変更はないという認識を示したうえで、「普天間基地に駐留している部隊は、日本の防衛と地域の平和と安定に必要な機能と能力を提供している」と述べました。

(b)ニュースの背景

普天間基地(=普天間飛行場)は、沖縄本島南部の宜野湾市中心部の人口密集地域にあり、”世界で一番危険な飛行場”といわれています。アメリカ海兵隊が駐屯していて、沖縄のアメリカ軍の拠点の一つです。
1995年アメリカ兵による沖縄の少女暴行事件が起こり、沖縄で大規模な抗議集会が開かれ、翌1996年日米両国政府は、5~7年の間に普天間飛行場を日本に返還することで合意しました。ただし、返還は、代替施設が運用可能になった後とされ、1997年名護市辺野古を移転先とすることを決定しました。
2012年日米両国政府は、共同文書を発表し、それに基づいて、現在在日アメリカ軍の再編計画を進めています。計画では、アメリカ海兵隊およそ9000人を国外に移転させる、嘉手納以南5か所にある施設・区域の返還を段階的に進める。これらの計画は、普天間基地の返還と切り離して行うなどとしています。
2012年12月安倍政権が発足し、2013年2月安倍首相とオバマ大統領の日米首脳会談が行われ、辺野古移設を早期に進めることで一致しました。これを受けて、沖縄県の仲井真知事は、名護市辺野古のキャンプシュワブ沿岸の埋め立て申請を承認しました。2014年に入って、移設予定地のキャンプシュワブ内の施設解体工事が始まりました。
しかし、2014年11月に行われた沖縄県知事選挙で、無所属で前の那覇市長の翁長氏が、自民党などが推薦していた現職の仲井真知事を破って当選を果たしました。翁長氏は、選挙期間中、辺野古への移設計画に強く反対し、県外、国外の移設を主張していました。

(c)英語のニュース

Japan's central government and the Okinawa prefectural government are heading for a legal battle over the transfer of U.S. Marine Corps Futenma Air Station in Okinawa. This came after the Okinawa prefectural government has announced that it has begun procedures for the revoking of an approval for landfill work in an area where the central government plans to relocate a US military base.
The governor of the Okinawa prefectural government, Mr. Takeshi Onaga, made the annoucement on Monday, saying that it is the first step in stopping the construction of the base in the Henoko coastal district in Nago City.
The move followed the central government's action to resume its work on Saturday off the Henoko district for the relocation of the base. The central government suspended the work for one month to hold intensive talks with Okinawa on the planned relocation, but it has failed to obtain Okinawa's understanding for the plan. Okinawa is calling for the base to be moved out of the prefecture.
The central government says that it would take legal action to continue land-filling work in the Henoko district, if the Okinawa prefectural government revokes the approval for the work.

Meanwhile, the U.S. State Department says that the United States continues to back a plan agreed upon with Japan to relocate U.S. Marine Corps Futenma Air Station within Okinawa.
It says that the the U.S troops stationed at the base provide functions and capabilities necessary for the defense of Japan and peace and stability in the region.

(d)ニュースの比較研究

沖縄県と政府、辺野古への移設計画で法廷闘争へのニュースについては、今のところ外国のメディアは、伝えていません。


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