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571.タカタのエアバック欠陥問題で米下院で公聴会ー2014.12.4 [経済、国際ーアメリカ]

*2014.12.6のサロンのテキスト*(570&571)

(a)日本語のニュース

日本の自動車部品メーカー「タカタ」が製造したエアバッグの欠陥を巡る問題で、アメリカ議会の下院で公聴会が開かれました。
問題のエアバッグは、運転手側に搭載されたもので、作動する時に異常な破裂を起こし金属片が飛び散る危険性が指摘され、アメリカとマレーシアで合わせて5件の死亡事故が報告されています。
3日の公聴会で、タカタの代表は、フロリダ州などの多湿地域で進めているリコール、つまり回収・無償修理を優先するとし、全米規模でのリコールについては、欠陥を示すデータの裏付けがないとして拒否しました。
これに対して、アメリカ高速道路交通安全局の当局者は、全米規模でのリコールを要請し、強制リコールの手続きを開始すると述べました。
アメリカでタカタ製品を最も多く採用しているホンダの代表は、公聴会で、調査目的のリコールを全米規模に拡大する方針を明らかにしました。

一方、トヨタ自動車は、4日タカタのエアバッグの欠陥問題を受けて、新たに「カローラ」など19車種・18万5000台を予防的措置としてリコールすると国土交通省に届け出ました。
ほかの自動車メーカーも、同様のリコールを行う可能性が高いとみられています。
日本では、実際に死亡事故が起こっていないにも関わらず、自動車メーカーが調査リコールに踏み切ろうとする背景には、今回の問題が、アメリカで「日本車たたき」へ波及することを回避したい狙いがあるものとみられています。

(b)ニュースの背景

タカタ株式会社(Takata Corporation)は、エアバッグ、シートベルト、チャイルドシートなど自動車用安全部品を製造している企業で、創業の地である彦根市とその周辺に日本国内の製造拠点があります。
エアバッグの草創期から製造を進めてきたことから、トヨタ自動車、ホンダをはじめとする日本の自動車各社のほか、フォルクスワーゲン、GMなど各国の自動車メーカーにも納品し、世界におけるシェアは2位を誇っています。1セットは数千円の単価ながら、社の売上高のおよそ4割がエアバッグによるものとなっています。
2008年頃から重要部品である膨張ガスを発生させるインフレーター関連の不具合が相次いで発覚し、アメリカとマレーシアで破裂したインフレーターの金属片による死亡事故も起きています。2008年11月から断続的にリコールが行われていますが、2014年12月アメリカ議会下院の公聴会でのタカタの代表の証言によれば、アメリカでは、すでに南部でおよそ800万台がリコールされており、全米でリコールが実施された場合、さらに800万台が追加されることになり、2倍の規模に拡大されることになります。

エアバッグ(airbag)というのは、膨らんだ袋体を用いて移動体の運動エネルギーを吸収、もしくは衝撃緩和する装置のことで、主として自動車の乗員保護システムの中の1つで、SRSエアバッグシステム(Supplemental Restraint System 補助拘束装置)と呼ばれています。エアバッグは、あくまでもシートベルト着装を前提とした上で、その効果を発揮する乗員保護システムです。初期には、運転席にしか設置されていませんでしたが、現在では、助手席、側面から衝突に対応するサイドエアバッグやカーテンエアバッグ、ひざにかかる衝撃を緩和するためのニーエアバッグなどがあります。

アメリカ高速道路交通安全局は、アメリカ政府の運輸省の高速道路交通安全局のことで、NHTSA=National Highway Traffic Safety Administration といいます。2009年から2010年のトヨタ自動車の大規模リコールの時、トヨタ車と事故原因との関係について調査を行いました。

(c)英語のニュース

A U.S. Congressional hearing has taken up the problem of the U.S. demand for expanded nationwide recall of potentially defective air bags made by a Japanese auto parts maker.
At the hearing of a subcommittee of the House Energy and Commerce Committee on Wednesday, a representative from Takata Corporation defended his company's rejection of a nationwide recall for its air bags, insisting that testing data do not back such an action.
However, a U.S.governmet official said that there is no way that Takata Corporation can justify limiting an air bag recall to only high-humidity states, and urged the company to broaden the recall to all cars in the United States. The top U.S. auto-safety regulator said that the air bags pose dangers in cars everywhere. He said that his agency is reviewing its next steps toward forcing a nationwide recall and building a solid legal case that will hold up in court.
Also at the hearing, a representative from Honda Motor Compny said that his company will expand its recall nationwide to conduct investigations.

Meanwhile, Toyota Motor Corporation said on Thursday that it will recall an additional 185,000 vehicles in Japan to replace potentially defective air bags made by Takata Corporation.
The latest recall,filed at Japan's transport ministry, affects 19 models.
Other Japanese auto makers are expected to follow the recall.
Japanese auto industry is concerned that an inreasingly critical U.S. Congress could give rise to bashing of Japanese cars.

(d)ニュースの比較研究

タカタのエアバッグの欠陥問題がアメリカ議会下院の公聴会で取り上げられ、アメリカで厳しい非難をあびています。日本のメディアは、下院の公聴会の模様を詳しく伝えていました。エアバッグから飛び散った金属の破片でけがをしたアメリカ人女性の証言が繰り返しテレビで放送され、それが大きな波紋を呼び、全米でリコールをという判断にまとまり、そちらの方に突っ走っている感があります。
アメリカの代表的なメディアの報道を紹介しましょう。

『The Wall Street Journal』紙は、"Toyota Expand Takata Air Bag Recalls"(トヨタ、タカタのエアバッグのリコールを拡大)という見出しで、"Toyota Motor Corp. said it will recall 190,000 vehicles, mostly in Japan, after an air bag made by Takata Corp. exploded last month in a car that was being scrapped in Japan"(トヨタ自動車は、タカタによって製造されたエアバッグが、日本で廃車になった車で先月爆発した後、ほとんど日本で、19万台をリコールすると発表した)と報じました。

『The New York Times』紙は、"Honda Decides to Expand Airbag Recall as a Defiant Takata Resists"(反抗的なタカタが抵抗する中で、ホンダ、エアバッグのリコールを拡大)という見出しで、"Even as Takata, the Japanese auto supplier, continued to resist demands that it expand the recall of its airbags nationwide, Honda Motor told lawmakers on Wednesday that it would take that action on its own and use replacements from other suppliers if necessary"(日本の自動車部品業者のタカタが、そのエアバッグのリコールを全米に拡大するようにという要求に抵抗し続けている中で、ホンダが、議員たちに、自らリコールし、もし必要なら他の業者からのエアバッグを使うと述べた)と報じました。

『AP(= Associated Press)』通信は、"What you need to know about Takata air bag recall"(タカタのエアバッグのリコールについて知る必要があるもの)という見出しで、"Japanese air bag maker Takata Corp. and 10 automakers have recalled 14 million vehicles worldwide for a problem with both driver and passenger side air bags, including 8 million in the U.S."(日本のエアバッグ製造業者のタカタと10社の自動車業者は、運転者と乗員側のエアバッグの問題で、1400万台をリコールした。この中には、アメリカの800万台が含まれる)と報じました。












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570.ムーディーズ、日本国債を1段階格下げー2014.12.2 [経済、国際ーアメリカ]

*2014.12.6のサロンのテキスト*(570&571)

(a)日本語のニュース

アメリカの大手格付け会社「ムーディーズ」が、日本国債の信用度を示す格付けについて、財政赤字の削減目標に不確実性が高まったなどとして、格付けを1段階引き下げました。
「ムーディーズ」の日本国債担当アナリストのトーマス・バーン氏は、1日東京での記者会見で、日本国債の格付けを最上位から4番目の「Aa3」から5番目の「A1」に1段階引き下げたと発表しました。
バーン氏は、消費税再増税の延期が格下げの重要なポイントだとし、格下げの理由について、2020年度の財政健全化目標の達成に不確実性が高まっている、成長戦略の実行に不確実性が高まっている、中期的に国債利回りが上昇し債務返済能力が低下するリスクが高まっているの3点を挙げました。
日本の格付けは、これまで中国や韓国と同じ「Aa3」でしたが、1段階引き下げられたことによって、イスラエル、チェコ、オマーンなどと同じ水準になりました。
日本の財政状況は、先進国の中で最悪の水準にあり、国債発行に依存した財政運営を改善するよう促した形になっています。

(b)ニュースの背景

格付け会社(機関)というのは、債券に関して、その発行体の財政状況などから元利金支払能力を分析し、評価を示す民間企業のことです。アメリカで社債を格付けしたのが始まりですが、国債の格付けで存在感を高めてきています。世界中の多くの機関投資家は、巨大化した格付け機関の評価によって投資決定を行うようになってきています。グローバル市場を対象とする格付け機関で特に影響力をもつのが、S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)、ムーディーズ、フィッチ・レーティングスで、「世界3大格付け機関」とよばれています。

ムーディーズの主な国債格付けは、Aaaーアメリカ、ドイツ、カナダ、Aa1ーイギリス、フランス、
Aa2-アラブ首長国連邦、Aa3-中国、韓国、A1ーイスラエル、チェコ、オマーン、日本、A2-スロバキア、A3-メキシコ、Baa1-アイルランド、Baa2-イタリア、スペイン、Baa3-インド、Ba1以下は「投機的」等級、Ba1-ポルトガル・・・Caal-ギリシャ・・・

(c)英語のニュース

A U.S. credit rating agency, Moody's Investors Service, has downgraded Japan's sovereign debt rating by one notch.
The agency says that it lowered the rating to A1 from Aa3. This came after Prime Minister Shinzo Abe decided last month to postpone raising the consumption tax.
Moody's says that the Japanese government's goal of a primary balance surplus by 2020 will become even harder to reach with time, given the very high debt load.
The new rating places Japan below the Aa3 of China and South Korea and on the same level of Israel, Czech and Oman.

(d)ニュースの比較研究

アメリカの大手格付け会社「ムーディーズ」が日本国債を格下げしたニュースについては、日本のメディアも外国のメディアも一斉に報道しました。消費増税の延期で、財政赤字削減が予定通りいかない見通しというのが、共通した見方でした。
主なメディアの報道を紹介しましょう。

アメリカの『The Wall Street Journal』紙は、"Moody's Downgrades Japan's Credit Rating"(ムーディーズ、日本国債の格付けを引き下げ)という見出しで、"Moody's Investors Service downgraded Japan's credit rating Monday, highlighting the challenges facing Prime Minister Shinzo Abe as he tries to stoke inflation and growth"(ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、日本国債の格付けを引き下げした。そして、インフレと経済成長をうながそうとしている安倍首相が直面している挑戦に焦点をあてた)と報じました。

イギリスの『REUTERS』通信は、"Moody's Downgrades Japan Over Sovereign Debt"(ムーディーズ、日本国債格下げ)という見出しで、"Moody's Investors Service on Monday downgraded Japan's sovereign debt rating by one notch to A1, citing rising uncertainty over the country's ability to hit its debt-reduction goal"(メーディーズ・インベスターズ・サービスは、日本国債を1段階引き下げ、A1にした。そして、日本の財政赤字削減の目標を達成する可能性について不確実性が高まっていると指摘した。

フランスの『AFP(=Agence France Presse)』通信は、"Moody's downgrades Japan's sovereign debt rating to A1 from Aa3"(ムーディーズ、日本国債の格付けをAa3からA1に引き下げ)という見出しで、"Moody's downgraded its credit rating for Japan on Monday, citing the country's debt situation and Prime Minister Shinzo Abe's faltering efforts to kickstart growth"(ムーディーズは、日本国債の格付けを引き下げした。これは、日本の国債の状況と安倍首相の経済成長をスタートさせようとする努力にたじろいでいることを勘案したものだ)と報じました。








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547.TPP日米協議進展せずー2014.9.25 [経済、国際ーアメリカ]

(a)日本語のニュース

ワシントンで開かれていたTPP=環太平洋経済連携協定をめぐる日米閣僚級協議は、24日2日間にわたる協議を終えましたが、進展はありませんでした。
日本の甘利経済再生相とアメリカのフロマン通商代表の閣僚級協議では、牛肉や豚肉の日本への輸入が急増した場合に関税を引き上げる「セーフガード」の発動要件や乳製品の関税の取り扱い、それに自動車の安全基準の緩和など、交渉が難航している分野を中心に意見を交わしました。
協議後、甘利氏は、記者団に、「日本側は、柔軟性のある提案を示し、アメリカ側からも一定の評価を得たが、それを受けてのさらなる進展を得ることはできず、議論がかみ合わなかった。交渉をまとめるためには、双方が歩み寄る姿勢が必要だ」と述べ、今回の協議では進展がなかったことを明らかにしました。
一方、USTR=アメリカ通商代表部は、日米閣僚級協議について、「建設的な協議をしたものの、主要課題については進展はなかった。日米両国は、次回の協議について検討していく」という声明を発表しました。
日米両国政府は、10月中にも開く予定のTPP交渉に参加している12か国による閣僚会合、11月北京で開くAPEC=アジア太平洋経済協力会議などを踏まえ、年内の全体合意にこぎつける段取りを描いていましたが、今回の日米閣僚級協議が進展をみなかったことから、年内の全体合意は難しくなったという見方がでています。

(b)ニュースの背景

TPPは、Trans-Pacific Partnership (Agreement)の略で、環太平洋パートナーシップ協定(政府が使用している用語)、環太平洋経済連携協定などと訳されています。
現在TPP交渉に参加しているのは12か国で、日本(2013年7月から参加)、アメリカ、カナダ、メキシコ、チリ、ペルー、シンガポール、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、オーストラリア、ニュージランドです。
TPPは、FTA(=Free Trade Agreement 自由貿易協定)の基本的構成要素である物品市場アクセス(物品の関税撤廃・削減)やサービス貿易のみでなく、非関税分野(投資、競争、知的財産、政府調達など)のルール作りのほか、新しい分野(環境、労働、分野別横断的事項など)を含む包括的協定として交渉しています。
交渉は、アメリカ主導で進められ、日米交渉が主要な交渉になっており、アメリカは、年内妥結を急いでいますが、アメリカと日本、アメリカと新興国の間できびしい対立が伝えられています。

(c)英語のニュース

Japan and the United States have failed to narrow their differences in ministerial-level negotiations to work out a Trans-Pacific Partnership free trade agreement.
This came after Japan's minister in charge of TPP negotiations,Mr. Akira Amari, and the U.S. Trade Representative, Mr.Michael Froman, ended their two-day talks in Washington on Wednesday.
They discussed the key outstanding issues - the problem of allowing Japan to temporarily restore tariffs on beef and pork if imports surge, tariffs on dairy products and a U.S. demand that Japan ease
regulations on auto-safety standards.
After the talks, Mr. Amari told newsmen that Japan has made flexible proposals which, he said, were praised by the U.S. side, but that this did not lead to further progress.
He added that both sides need to make concessions to reach agreement.
The United States has hoped to close a deal by the 12 countries involved in the TPP free trade negotitions when their leaders will gather for a summit meeting of the Asia-Pacific Economic Cooperation forum in Beijing in November. However, a lack in progress in the Japan-US ministerial talks jeopardizes the prospect.

(d)ニュースの比較研究

TPP=環太平洋経済連携協定をめぐる日米閣僚級協議が進展がなかったというニュースについては、日本のメディアは、いずれも報道していましたが、アメリカを含め外国のメディアは、報道していません。一般的にいって、TPPに関するニュース報道については、日本のメディアは詳しく報道しますが、アメリカを含め外国のメディアは、報道していないのが、大きな違いです。これは、おそらく日本のメディアの経済部の記者が担当大臣に同行し、日本政府サイドのブリーフィングが行われているからだと思います。







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441.サントリー、米酒造大手ビーム買収ー2014.1.14 [経済、国際ーアメリカ]

(a)日本語のニュース

サントリーホールディングスは、13日、バーボンウィスキーのジムビームで知られるアメリカの酒造大手のビーム社を総額160億ドル、日本円にしておよそ1兆6500億円で買収すると発表しました。
両社の蒸留酒部門の売上高の合計は、年間43億ドル、およそ4400億円で世界3位になります。
最近の日本企業による海外企業の買収では、ソフトバンクによるアメリカの携帯電話会社スプリントの買収の総額216億ドルに次ぐ大きな規模になります。
この買収で、サントリーホールディングスは、世界の蒸留酒メーカーで10位から3位に浮上し、世界の酒類市場でグローバルプレーヤーとしてに地位を固めることになります。

(b)ニュースの背景

ビーム社は、1795年アメリカ・ケンタッキー州で創業したアメリカのウィスキーの老舗メーカー。トウモロコシを主原料としたバーボン・ウィスキーの礎を築いたといわれ、ジムビームなどのバーボンウィスキーが主力商品です。
2012年の売上高は25億ドル、およそ2,600億円で、高級蒸留酒メーカーの中で世界4位。現在の本社は、シカゴ近郊のイリノイ州ディアフィールドで従業員は3400人。

サントリーホールディングスは、日本の洋酒、ビール、飲料水の製造・販売などを行う企業グループ。かつてはサントリー株式会社を中心とするグループでしたが、2009年4月1日からサントリーホールデングス株式会社を中心とした持ち株会社制に移行しました。資本金は700億円、売上高は、連結で1兆8027億円です。

この合併で世界の蒸留酒メーカーのベスト5は以下の通りになります。(2012年、小売りベース)
①英・ディアジオ(ジョニー・ウォーカー(ウィスキー)など)ー318億ドル
②仏・ペルノ・リカール(シーバスリーガル(ウィスキー)など)ー187億ドル
③日米・サントリーホールディングス+ビーム(山崎(ウィスキー)、ジムビーム(ウィスキー)など)ー95億ドル
④英領バーミューダ・バカルディ・マルティーニ(バカルディ(ラム)など)ー88億ドル
⑤米・ブラウンフォーマン(ジャックダニエル(ウィスキー)など)-66億ドル

(c)英語のニュース

Suntory Holdings says that it has agreed to purchase major U.S. bourbon whisky maker Beam for 16 billion dollars.
It's one of the biggest business acquisition deals abroad by the Japanese beverage giant in recent years.
The deal will make Suntory Holdings the world's 3rd largest distilled drinks maker with an estimated annual sales of 4.3 billion dollars.
Suntory officials say that they hope to combine their drink line-ups with those of Beam and use the U.S. firm's marketing network to expand its global business operations.

(d)ニュースの比較研究

サントリーホールディングスが、アメリカ酒造大手のビーム社を160億ドル、1兆6500億円で買収すると発表したニュースについては、日本のメディアは、ほぼトップ・ニュースで報道しました。アメリカのメディアもほとんどが報道しましたので、代表的なものを2つを紹介しましょう。

アメリカの『Chicago Tribune』紙は、"Bem to be sold to Suntory for $16 billion"(ビーム、サントリーに160億ドルで買収へ)という見出しで、"Suntory Holdings Ltd. has agreed a $16 billion deal to buy Deerfield's Beam Inc, making the Japanese company the world's third-largest maker of distilled drinks with a global footprint"(サントリーホールディングス社は、ディーフィールドのビーム社を160億ドルで買収する取引に合意した。これによって、サントリーホールディングス社は、グローバルな足場をもった世界第3位の蒸留酒のメーカーになる)と報じました。

アメリカの『NBC(=National Broadcasting Company)』放送は、"Japan's Suntory buying Jim Beam bourbon whisky maker"(日本のサントリー、バーボン・ウィスキー・メーカーのジム・ビーム買収)という見出しで、"Suntory said on Monday it plans to buy Beam for $16 billion, including debt, making the Japanese company the world's third largest maker of liquor"(サントリーは、ビーム社を負債を含めて160億ドルで買収する計画だと発表した。サントリーは、これによって、世界で3番目に大きな酒造会社になる)と報じました。













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296.米ボーイング787運行再開へー2013.4.26 [経済、国際ーアメリカ]

(a)日本語のニュース

アメリカのFAA=連邦航空局は、25日相次ぐバッテリーのトラブルで運航停止しているアメリカのボーイング787型機について運航停止命令を解除しましたが、日本の国土交通省も、26日同機の運航再開を承認すると発表しました。
FAAは、ボーイング社が提示したバッテリー改善策について「安全性が確認された」とし、ボーイング社が設計変更したバッテリーシステム搭載を条件として運航再開を認めましたが、国土交通省は、このほかに、日本独自の安全策の実施を航空会社に要請するとして、機体の点検整備の強化や利用者への適切な情報開示などをあげています。
太田国土交通相は、記者会見で「すべての原因に多重防護の対策が取られており、問題はない」と語りました。
今回の発表は、アメリカと日本の運輸安全委員会の調査でトラブルの原因が特定されないままの運航再開になります。
日米当局に認可を受け、ボーイング787型機を保有する全日本空輸と日本航空は、機体の改修作業を加速し、試験飛行やパイロットの飛行訓練を行い、6月にも乗客を乗せた営業運航を再開する見通しです。

(b)ニュースの背景

ボーイング787(Boeing 787)は、アメリカのボーイング社が開発した新型の中型旅客機のことで、通称ドリームライナー(Dreamliner)といっています。特徴は、軽くて強度に優れた炭素繊維を民間機としては初めて機体製造に幅広く活用したことです。この技術は東レが開発したほか、三菱重工業が主翼部分、川崎重工業が前部と中部の胴体部分、富士重工業が中央翼をそれぞれ担当し、日本の重工メーカーが機体の約35%を担ったため、メイド・ウィズ・ジャパン(made with Japan)ともいわれました。
座席数は210~250、航続距離は1万4800~1万5700キロ、最高巡航速度はマッハ0.85.
2009年飛行テストに成功、1号機は当初の予定より3年以上遅れて2011年全日空に引き渡されました。
しかし、今年1月アメリカのボストンの空港で駐機中だった日本航空機の機内で、バッテリーから出火しました。さらに、羽田行きの全日空機が運航中バッテリーから煙が出て高松空港に緊急着陸するトラブルが発生したため、全世界で運航停止になりました。
この運航停止は、国内の航空各社に大きな打撃を与えました。17機と世界最多の保有数の全日空は、国内線2600便あまり、国際線900便あまりが欠航し、保有する7機を国際線に投入していた日航も、760便あまりが欠航しました。経営面でも大きな影響を受け、全日空が1月だけで14億円の減収、日航も1~3月で7億円の減益でした。

(c)英語のニュース

The Japanese transport ministry has decided to allow Boeing 787 Dreamliners to resume operations after the jets were grounded worldwide for more than 3 months due to battery troubles.
This followed the U.S. Federal Aviation Administration's decision to allow the resumption of the jets' flights from Friday if operators adopt Boeing's modified battery system.
The operators in Japan - All Nippon Airways and Japan Airline - are expected to conduct repairs on the battery system and take other safety measures, including test flights. And, they will resume Boeing 787 flights as early as June.

(d)ニュースの比較研究

ボーイング787運航再開のニュースは、アメリカ連邦航空局の発表に続いて、それに踏襲した形で日本の国土交通省の発表があり、日本のメディアと米英のメディアが報道しました。
米英のメディアの報道を紹介しましょう。

アメリカの『CNN(=Cable News Network)』放送は、"Japan OKs Dreamliners to fly again"(日本、ドリームライナーズ運航再開承認)という見出しで、"Japan has authorized passenger airlines to resume flights of Boeing 787 Dreamliners in the country starting Friday, authorities said"(権威筋によれば、日本は、日本におけるボーイング787ドリームライナーズの運航再開を承認した)と報じました。

アメリカの『The Wall Street Journal』紙は、"Japan to Lift Grounding of Boeing's Dreamliner"(日本、ボーイング・ドリームライナー運航停止を解除へ)という見出しで、"Japan's transport ministry Friday said it is planning to lift the order grounding flights of Boeing Co. 787 Dreamliners by Japanese airlines, following a formal decision by the U.S. counterpart to do the same"(日本の運輸省(国土交通省)は、日本の航空会社によるボーイング社の787ドリームライナーズの運航停止を解除すると発表した。これは、アメリカの運輸省の同様な措置の正式決定のあとで行われたものである)と報じました。

イギリスの『BBC(=British Broadcasting Corporation)』放送は、"US lifts Boeing Dreamliner ban"(アメリカ、ボーイング・ドリームライナーの運航停止を解除)という見出しで、”US regulators have issued a formal "air worthiness" directive allowing revamped Boeing 787 Dreamliners to fly again"(アメリカの規制官は、改良されたボーイング787ドリームライナーがふたたび飛行することを許可する正式命令をだした)と報じました。

イギリスの『REUTERS』通信は、"Japan transport minister: Government to issue permit to resume Boeing 787 flights"(日本の運輸相(国土交通相)言明:政府、ボーイング787の運航再開許可へ)という見出しで、"Japan's transportation minister said on Friday the government will isssue a technical directive on Friday that would permit Boeing Co to resume flights of its grounded 787 Dreamliner jets"
(日本の運輸相(国土交通相)は、政府は、運航停止しているボーイング787ドリームライナーの運航を再開することを許可する技術的命令を出すと発表した)と報じました。







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165.ソフトバンク、米携帯3位を買収(最新版)ー2012.10.15 [経済、国際ーアメリカ]

(a)日本語のニュース

日本の大手通信会社のソフトバンクは、15日、アメリカ第3位の携帯電話会社の「スプリント・ネクステル」を買収すると正式に発表しました。
「スプリント・ネクステル」は、携帯電話の契約件数が5600万を超え、アメリカ最大手の「AT&T]や「ベライゾン」に次ぐアメリカ第3位の顧客基盤をもっています。
ソフトバンクは、来年半ばまでに、「スプリント・ネクステル」の株式のおよそ70%を、およそ200億ドル、日本円にしておよそ1兆5700億円で取得するとしています。
ソフトバンクは、「スプリント・ネクステル」と合わせると、携帯電話の契約数は、およそ9600万件に上り、日米の市場で最大規模、売り上げでは世界第3位になると述べており、巨大通信グループが誕生することになります。

(b)ニュースの背景

ソフトバンク(Softbank Corporation)は、1981年に設立されたIT(=Information Technology(情報技術))企業の大手で、孫正義氏が代表取締役社長。2006年当時のボーダフォンの日本法人を買収して携帯電話事業に参入、その後、携帯電話の基本料金の値下げやアップルのiPhoneの取り扱いなどで契約者数をのばしていきました。2012年10月国内携帯電話4位のイー・アクセスを買収すると発表しています。
今回の「スプリント・ネクステル」の買収によって、ソフトバンクは、日米を網羅する通信網を構築し、多様なコンテンツを組み合わせた通信サービスを世界市場に展開したい意向だといわれます。

(c)英語のニュース

Japanese mobile carrier Softbank Corporation has announced that it will buy the third largest mobile phone company in the United States, Sprint Nextel Corporation, in a bid to expand the communicationss network there.
Softbank plans to take a stake of some 70% in Sprint Nextel with an investment of 20 billion U.S.dollars, or 1 trillion 570-billion yen.
The acquisition would bring togehter 96 million customers.
Softbank says that the takeover would see Softbank become the largest carrier both in Japan and the United States in terms of customer numbers. .

(d)ニュースの比較研究

ソフトバンクがアメリカ第3位の携帯電話会社「スプリント・ネクスト」を買収へというニュースについては、日本のメディアは、大々的に報道しましたが、欧米のメディアでも取り上げていました。
欧米のメディアの報道を紹介しましょう。

アメリカの『CNN(=Cable News Network)』放送は、"Softbank could play Sprint's savior"(ソフトバンク、スプリントの救世主を演じることができるか)という見出しで、”Sprint Nextel's seven-year nightmare may soon be over. The nation's third-largest wireless carrier confirmed Thursday that it is in talks with Japanese technology giant Softbank to sell at least part of the company"(スプリント・ネクステル社の7年間にわたる悪夢は、間もなく終わるかもしれない。そのアメリカの第3位の携帯電話の会社(スプリント・ネクステル)は、日本のIT大手のソフトバンクと少なくともその一部を売却するための交渉に入っていることを確認した)と報じました。

アメリカの『The New York Times』紙は、"Sprint Sas It Is in Negotiations With Softbank of Japan"
(スプリント、日本のソフトバンクと交渉中と言明)という見出しで、”Sprint Nextel confirmed Thursday that it was in talks with Softbank of Japan over a "potential substantial investment" A deal would give the struggling American cellphone service provider a deep-pocketed backer to help finance its turnaround effort"(スプリント・ネクステルは、日本のソフトバンクと”可能性がある実質的な投資”について交渉中であることを確認した。取決めができれば、苦戦しているアメリカの携帯電話会社(スプリント・ネクステル)に支援の手を差し伸べ、方向転換の努力に財政支援を与えることになろう)と報じました。

イギリスの『REUTERS』通信は、"Sprint in talks on potential sale to Japan's Softbank"(スプリント、日本のソフトバンクと売却の可能性について交渉中)とう見出しで、”Japanese wireless service provider Softbank Corp. is looking to buy roughly 70 percent of Sprint Nextel Corp. in a bold move that would make it a major player in the U.S. mobile market"(日本のIT会社のソフトバンクは、スプリント・ネクステルのおよそ70%の株を買おうとしている。これは、アメリカの携帯電話の市場に参入し大きな役割を果たそうとする大胆な行動なのである)と報じています。



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