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785. 国連作業部会、核兵器禁止条約の交渉を来年開催勧告ー2016.8.22 [国際ー国連]

(a)日本語のニュース

ジュネーブで開かれていた国連核軍縮作業部会は、19日、核兵器の法的禁止を協議する交渉を来年始めることを国連総会に勧告することで大筋で合意しました。
国連加盟193か国からなる国連総会は、昨年12月、核廃絶への「具体的で効果的な法的手段」を討議するため、ジュネーブで作業部会を開催する決議を採択し、今年2月から作業部会が会合を始め、最終日の19日に、9月に始まる国連総会に提出する報告書をまとめたものです。
作業部会には、もともとアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国などの核保有国は、核軍縮は安全保障の実情を見ながら検討すべきで、核兵器禁止条約は現実的でないとして、参加していませんが、国連総会に対して勧告を行うかどうかの採決では、メキシコ、オーストリアなど68か国が賛成、22か国が反対、アメリカの核の傘の下にある日本、韓国など13か国が棄権しました。

(b)ニュースの背景

今後の交渉の舞台は、ニューヨークの国連本部で10月に本格議論に入る総会第1委員会(軍縮・安全保障)に移ります。
核兵器禁止条約の推進派は、条約交渉を来年始めることや交渉のルールなどの手順を盛り込んだ決議案を提出するものとみられています。一方、核保有国は、総会での議論に参加するものとみられ、核の傘の下にある国々とともに、これに反対することが考えられます。こうしたことから、きびしい対立が予想されています。
日本の場合は、ジュネーブの国連核軍縮作業部会での一連の議論を通じて、日本政府は、核兵器禁止条約に反対の姿勢を示しており、条約の早期実現を求める被爆者団体や広島や長崎市との隔たりが鮮明になっています。

(c) 英語のニュース

A United Nations working group has adopted a report recommending to the U.N. General Assembly to begin negotiations next year on a new treaty to ban nuclear weapons.
This came as delegates from more than 100 U.N. member countries ended discussions on Friday which had been held in Geneva since February.
68 countries voted in favor of the report, 22 nations opposed and 13 others, including Japan, abstained.
Nuclear powers, including the United States and Russia, did not join the working group. They said that a new treaty to ban nuclear weapons is unrealistic and argued that actual security situations should be considered.
The decision in Geneva is expected to stir debate at the U.N. General Assembly beginning next month on a new treaty to ban nuclear weapons.

(d) ニュースの比較研究

ジュネーブの国連核軍縮作業部会が核兵器禁止条約の協議の来年開始を勧告したニュースについては、日本のメディアの一部が伝えただけで、外国のメディアは報道していません。


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