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829. 普天間基地騒音訴訟で国に24億円余りの賠償命令ー2016.11.17 [社会、政治ー防衛、国際ーアメリカ]


(a) 日本語のニュース

沖縄のアメリカ軍普天間基地の騒音をめぐって、周辺の住民およそ3400人がアメリカ軍機の騒音で被害を訴えた裁判で、那覇地方裁判所沖縄支部は、「違法な騒音被害が漫然と放置されている」として、国に対し、24億円余りの賠償を命じる判決を言い渡しました。一方、アメリカ軍の軍用機の騒音を止めるよう求めた訴えなどは、認めませんでした。
裁判長は、判決理由で、騒音被害については、精神的苦痛や健康上の悪影響を認定し、合わせて24億5800万円の賠償を国に命じました。
騒音差し止めについては、「日米安全保障条約などによれば、国には、アメリカ軍機の運航を規制できる立場にはない」として退けました。
一方、原告弁護団は、騒音差し止めを求めて、福岡高等裁判所那覇支部に控訴すると発表しました。

(b) ニュースの背景

アメリカ軍基地の飛行騒音をめぐっては、住民の被害を認める判決が全国でほぼ定着しています。普天間基地についても同様で、今回の訴訟は、アメリカ軍普天間基地の周辺住民が国に騒音の差し止めと損害賠償を求めた第2次普天間騒音訴訟です。
2002年提訴の第1次訴訟では、原告およそ400人に対し、合わせて3億7000万円を賠償するよう国に命じた2010年の福岡高等裁判所那覇支部の判決で確定しています。
住民が賠償だけを求めた別の訴訟では、2015年には那覇地方裁判所沖縄支部が、住民およそ2100人に対し、合わせて7億5400万円の支払いを国に命じています。
なお、騒音の差し止めについては、「騒音を生じさせているのは、アメリカで、日本政府は、アメリカ軍機の運航などを規制できる立場にはない」としていずれも退けています。

(c)英語のニュース

A Japanese district court has ordered the government to pay some 2.46 billion yen or about 22.6 million dollars in damages to nearly 3,400 residents living near a key U.S. air base in Okinawa Prefecture due to aircraft noise. But it rejected the plaintiffs’ demand for a halt to flights at the base.
The residents living near the U.S. Marine Corps Futenma Air Station filed the suit against the government in 2012. They demanded that the government pay damages for the health problems they suffered and take action to stop noise above certain levels.
The presiding judge recognized the emotional distress and negative impacts on the health of residents around the base caused by the aircraft noise that he said has disrupted sleep and people’s daily lives. He said that the government has left the problem unaddressed without taking effective measures even though the noise from the base has been an issue since 1970s.
However, the presiding judge dismissed the plaintiffs’ demand for suspension of flights, saying that the government is in no position to regulate the operation of military aircraft by the U.S. forces in accordance with the Japan-U.S. security treaty and other arrangements.

(d ) ニュースの比較研究

普天間基地騒音訴訟で、国に24億円余りの賠償を命じる判決がでたニュースについては、日本のメディアは、報道しましたが、外国のメディアは報道していません。



744. 安倍首相、沖縄の事件で、翁長知事と会談ー2016.5.23 [社会、政治ー防衛、国際ーアメリカ]


(a) 日本語のニュース

安倍首相は、23日、沖縄県で女性の遺体を遺棄した疑いでアメリカ人の軍属の男が逮捕された事件を受け、沖縄県の翁長知事と首相官邸で会談しました。
この会談で、翁長知事は、「今回の事件は、決して許されるものではない。強く抗議をする」と強調し、沖縄へのアメリカ軍基地の集中が今回の事件の原因にあるとしたうえで、「二度とこうした事件が起きないよう、日米両政府の責任で、日米地位協定の見直しを含め、抜本的な対策を講じるよう求めました。そして、来日するアメリカのオバマ大統領に「直接話す機会を与えてほしい」と要請しました。
安倍首相は、「身勝手で卑劣きわまりない犯罪に強い憤りを覚える。ご遺族に心からお見舞いを申し上げたい。政府としても真剣に受け止めており、アメリカ政府に強く抗議した」と述べました。そのうえで、「オバマ大統領に国民の気持ちを踏まえ、厳正な対処を求めていく」と述べ、今週の伊勢志摩サミットに合わせて行われる日米首脳会談でこの問題を取り上げ、実効性のある再発防止策を講じるよう求める考えを示しました。
沖縄県では、今回の事件を受け、県議会議員や市民団体が、アメリカ軍基地反対の大規模集会を6月に開く準備を進めており、反基地感情が高まりつつあると伝えられています。

(b)ニュースの背景

沖縄県で4月下旬から行方不明になっていた女性の会社員が遺体でみつかった事件で、警察は、5月19日、在日アメリカ軍の軍属でアメリカ国籍の男を死体遺棄容疑で逮捕しました。警察によりますと、容疑者は、殺害したことを供述をしているということです。
警察の発表によりますと、シンザト・ケネフ・フランクリン容疑者32歳は、元海兵隊員で、空軍嘉手納基地に勤務していますが、4月28日から29日未明にかけて、沖縄県うるま市の会社員島袋里奈さん20歳の遺体を雑木林に遺棄したとして逮捕したものです。
警察は、付近の防犯カメラの映像や目撃情報から、シンザト容疑者の車がこの時間帯に付近を通っていたことをつきとめ、5月16日から任意の事情聴取を続け、使用車両の任意提出を受けて調べた結果、車から島袋さんのDNA型が検出されました。警察が、19日、雑木林で、島袋さんの白骨化した遺体を発見し、シンザト容疑者を逮捕したものです。
警察は、シンザト容疑者について、日米地位協定が定める「軍属」にあたると説明、ただ、事件は、「公務外」で起きたとし、日本の刑事手続きに従って送検するとしています。

岸田外相は、5月19日、アメリカのケネディ駐日大使を呼び、「事件の発生は、極めて遺憾だ。非難し、強く抗議する」と表明したのに対し、ケネディ大使は、「アメリカ政府と国民に代わって心からの悲しみを表明する」と述べました。

今回の事件は、今後の沖縄問題を中心にした日本の政治情勢と日米関係に大きな影響を与えるものとみられています。
1995年沖縄でアメリカ海兵隊による少女暴行事件が発生し、抗議の大規模な県民大会が開かれ、アメリカ軍の基地反対運動に拡大していきました。そして翌1996年日米両政府による普天間基地返還合意につながっていきました。
しかし、その後も、アメリカ兵による事件は、後を絶たず、今年3月にも、アメリカ海兵隊員による観光客の女性への暴行事件も発生しています。
アメリカ軍の普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画についても影響がでてくることが予想されます。政府と沖縄県は、移設作業をめぐる訴訟が和解したことを受けて設置された協議の場の作業部会を30日に開くことになっていますが、先延ばしすることを検討していると伝えられています。
今月26日と27日に行われる主要国首脳会議=伊勢志摩サミットの際に開かれる日米首脳会談でも、この問題が取り上げられるものとみられます。
さらに、6月の沖縄県議会選挙や7月の参議院選挙の沖縄県での選挙運動でも、基地問題は、主要なテーマになるものとみられます。
こうした状況から、今回の事件は、沖縄の県民の怒りを呼び起こし、今後の国内外の動向に大きな影響を与えるものとみられます。

(c) 英語のニュース

Japanese Prime Minister Shinzo Abe has met Okinawa Governor Takeshi Onaga to discuss the incident involving a U.S. military base worker who was arrested on suspicion of abandoning the body of a Japanese woman in central Okinawa.
Mr. Onaga told Mr. Abe that the incident is intolerable and that such crimes are inevitable as long as U.S. military bases remain in Okinawa.
He called for a drastic review of the Japan-U.S. status of forces agreement – a bilateral accord defining the handling of U.S. military and other personnel in Japan.
Mr. Onaga requested Mr. Abe to set up a meeting between him and U.S. President Barack Obama in the wake of the incident.
Mr. Abe said that he is furious over the incident and that he will ask President Obama to take effective measures to prevent crimes by U.S. military personnel. Mr. Obama will come to Japan later this week to attend a G7 summit and visit Hiroshima.
Last Thursday, Kenneth Franklin Shinzato, a 32-year-old former U.S. Marine, was arrested for allegedly dumping the body of a 20-year-old Japanese woman. Japanese police say that he has admitted to killing her.
Meanwhile, an organization comprising political parties and civic groups in Okinawa are planning to hold a massive rally next month to protest against the incident and call for the reduction of U.S. military bases in Okinawa.

(d)ニュースの比較研究

安倍首相と翁長沖縄県知事の沖縄における女性遺体遺棄事件をめぐる会談については、日本のメディアは、大きく報道していますが、今のところ、外国のメディアは報道していません。




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618.オスプレイ、2017年から10機配備ー2015.5.13 [社会、政治ー防衛、国際ーアメリカ]

*2015.5.9のサロンのテキスト*(617&618)

(a)日本語のニュース

アメリカ空軍の新型輸送機オスプレイ10機が、2017年から2021年にかけて東京の横田基地に配備されることになりました。
これは、アメリカ国防総省と日本の防衛省が、日本時間の12日午前に発表したもので、特殊作戦に使われる垂直離着陸輸送機CV22オスプレイは、2017年後半に3機、残り7機は、2021年までに横田基地に配備されるということです。
現在兵員・物資輸送用のMV22オスプレイ24機が、アメリカ海兵隊の沖縄の普天間基地に配備されていますが、日本では、沖縄県以外のところにオスプレイが配備されるのは、初めてになります。
アメリカ国防総省は、声明を発表し、「オスプレイの配備によって、日本やアジア太平洋地域での事故、災害を含む危機や緊急事態への即応能力を高めるとともに、自衛隊と作戦面での協力を高め日米防衛関係をより強固にさせる」と述べるとともに、「オスプレイは、優れた性能と安全の飛行記録を持つ高度な航空機だ」と安全性も強調しています。
中谷元・防衛相は、記者会見で、オスプレイの横田基地への配備について、「安全性は十分に確認されていると判断した。部隊が沖縄に所在しているため、沖縄に飛来することも考えられる。通常の飛行訓練に加えて、低空飛行、夜間飛行も実施するが、地域住民に十分配慮し、最大限の安全対策がとられることを日米間で合意している」などと述べました。

(b)ニュースの背景

オスプレイは、アメリカ軍の新型輸送機で、プロペラの向きを変えることで、ヘリコプターのような垂直離着陸や飛行機のような高速飛行ができます。航続距離は3900キロで、日本からフィリピンなどにも飛ぶことができます。
2012~2013年に在日アメリカ軍が沖縄県宜野湾市の普天間飛行場に合わせて24機を配備しました。日本の陸上自衛隊も2018年度までに17機を購入する予定で、佐賀空港への配備を計画しています。
普天間飛行場に配備されているMV22は、主に兵員・物資の輸送用で海兵隊仕様なのに対し、横田基地に配備予定のCV22は、特殊作戦部隊が使用し、空軍仕様になっていて、夜間や低空飛行など過酷な条件の下での運用が多いといわれています。
防衛省によりますと、最新の事故率は、MV22が10万時間当たり2.12であるのに対して、CV22は7.21とおよそ3倍高くなっています。これについては、CV22が飛行実績がまだ少ないため事故割合が高くなっていると説明しています。CV22は、2012年にも南部フロリダ州の基地で演習中に事故を起こしたことがあるため、横田基地の周辺住民などから安全の確保を求める声が高まることも予想されています。

(c)英語のニュース

The United States has announced a plan to deploy 10 CV22 Osprey transport aircraft at the Yokota Air Base in western Tokyo.
The U.S. Defense Department says that the first 3 aircraft will be deployed in the second half of 2017 and 7 others by 2021.
This will be the first deployment of Osprey aircraft on the Japanese mainland. At present, 24 Osprey aircraft are stationed in Okinawa.
The U.S. Defense Department says that the deployment of the Osprey will increase U.S. Special Operations forces' capability to respond quickly to crises and contingencies in Japan and across the
Asia-Pacific region, including humanitarian crises and natural disasters.
It also says that the Osprey deployment will enhance operational cooperation, and promote stronger defense relations with the Japanese Self-Defense Forces.
However, residents around the Yokota Air Base are expected to demand that U.S. forces ensure safety, as one of the Osprey aircraft crashed in Florida in 2012.

(d)ニュースの比較研究

アメリカの新型輸送機オスプレイ10機の横田基地への配備計画のニュースについては、日本のメディアでは、大々的に報道されましたが、外国のメディアでは、今のところ報道されていません。







157.オスプレイ、沖縄に到着(最新版)ー2012.10.1~6 [社会、政治ー防衛、国際ーアメリカ]

*2012.10.6のサロンのテキスト*

(a)日本語のニュース

日本に配備されたアメリカ軍の新型輸送機オスプレイ12機すべてが、山口県の岩国基地から沖縄県の普天間基地に到着しました。
1日に6機、2日に3機、そして6日に3機が到着したもので、アメリカ軍は、沖縄に配備された機体のうち準備が整ったものから、ただちに訓練を始めており、10月中にも本格的な運用を始める予定です。
オスプレイの日本への搬入・配備をめぐっては、墜落事故が相次いだことから安全性に問題があるとして、搬入先の岩国や配備先の沖縄は、強く反発し、反対の集会やデモが繰り返し行われています。
アメリカ政府も日本の防衛省もそれぞれオスプレイの事故原因調査を行った結果、運転ミスなどによるもので、機器の欠陥ではないとしてオスプレイの安全性は確認できたという報告をしていますが、沖縄県の仲井真知事が「県民の不安は払しょくされておらず、街中にある普天間基地でオスプレイを使うのは無理がある」と述べるなど、沖縄では反発が一層高まっています。

(b)ニュースの背景

オスプレイ(Osprey)は、もともとはミサゴというタカの一種のことですが、アメリカ軍の新型の垂直離着陸輸送機のことです。両翼の端にある大型のプロペラ(直径約11メートル)の角度を変えることで、ヘリコプターのように垂直に上昇する「ヘリコプター・モード」と飛行機のように水平飛行ができる「固定翼モード」に切り替えることができます。最高速度は、時速約500キロ、航続距離は、約3900キロです。
アメリカ軍は、沖縄県宜野湾市(ぎのわんし)の普天間飛行場のCH46中型ヘリコプターを2012年10月から順次オスプレイに切り替える方針で、2012年、2013年にそれぞれ12機ずつ配備することになっています。オスプレイをヘリコプターCH46と比較しますと、最高時速は約2倍、航続距離は約6倍優れているといわれています。
オスプレイは、開発段階から墜落事故を起こしており、死者も出していますが、改良を重ね、イラクやアフガニスタンで実戦配備されています。
しかし、沖縄では、オスプレイの配備に強く反対して抗議行動が続いています。

(c)英語のニュース

All the 12 controversial US Osprey military transport aircraft deployed in Japan have arrived at a base in Okinawa, southern Japan.
Six Ospreys landed at the US Marine Corps' Futenma air station in Ginowan, Okinawa Prefecture,on Monday and six more followed on Tuesday and Saturday after flying about 1,000 kilometers from its Iwakuni base in Yamaguchi Prefecture, western Japan.
The 12 Ospreys were shipped to the Iwakuni base from the United States in July and stayed there for maintenance work and test flights.
They have begun training flights and will carry out operations at the Futenma air station by the end of this month.
People in Okinawa strongly oppose the Osprey deployment due to safety concerns in light of a series of crashes involing Ospreys outside Japan.
Protests against the deployment of Ospreys are continuing near the Futenma air station.
Participants say that they will continue protesting until the aircraft will be removed from Okinawa.

(d)ニュースの比較研究

アメリカ軍の新型輸送機オスプレイの沖縄到着のニュースについては、日本のメディアは、
岩国基地を飛び立ったときと普天間基地に到着したときに、テレビは生中継で伝えるなど、テレビも新聞も、大きく報道していましたが、外国のメディア、とくにアメリカのメディアもこのニュースを報道していました。
アメリカとイギリスのメディアの報道を紹介しましょう。

アメリカの『AP(=Associated Press)』通信は、"Ospreys fly to U.S. base in Okinawa despite protests"(オスプレイ、抗議の中、沖縄のアメリカ軍基地に到着)という見出しで、"Six Osprey hybrid aircraft were transferred to a U.S.base on the southern Japanese island of Okinawa on Monday -- and were greeted by hundreds of protesters outside the fence showing their concern about the plane's safety"(オスプレイ6機が、日本の南の島の沖縄に移送された。そこでは、何百人もの抗議デモの人たちが、基地のフェンスの外で、オスプレイの安全性に懸念を示して出迎えた)と伝えました。

アメリカの『The New York Times』紙は、"U.S.Sends Aircraft to Okinawa, Despite Fierce Opposition"(アメリカ、激しい反対の中、沖縄に航空機(オスプレイ)送る)という見出しで、"The United States military sent the first batch of a sophisticated but accident-plagued new aircraft to an air base on Okinawa on Monday, going forward with its planned deployment despite unexpectedly fierce opposition by islanders and warnings that any crash could threaten the huge American military presence on the island"(アメリカ軍は、精巧ではあるが事故の多い航空機(オスプレイ)の第1陣を沖縄の空軍基地に送った。それは、計画された配備を進めるためであったが、(沖縄の)島の人たちから予期せぬはげしい反対に合った。また、いかなる墜落事故でも島にある巨大なアメリカの軍事的プレゼンスを脅かすことになるだろうという警告もあるのだ)と伝えました。

イギリスの『BBC(=British Broadcasting Corporation)』放送は、"US Osprey military aircraft begin Okinawa base move"(アメリカのオスプレイ軍用機、沖縄の基地での行動開始)という見出しで、"The US has begun the controversial deployment of Osprey military aircraft to the southern Japanese island of Okinawa, amid protests over the move"(アメリカは、問題のオスプレイ軍用機の日本の南の島の沖縄への配備を抗議の中で始めた)と伝え、また"Okinawa residents have opposed the move,citing safety fears following crashes in Morocco and Florida"(沖縄の住民は、モロッコやフロリダでの事故から安全性に恐れを抱いて配備に反対してきた)と報道しました。













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