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196.国際学力調査で日本の平均点5位以内ー2012.12.11 [社会ー教育、国際ー全般]

(a)日本語のニュース

国際的な学力調査で、日本の子どもの算数・数学と理科の平均点が5位以内で、上昇または横ばいとなり、小学校4年生は過去最高になりました。
これは、オランダに本部がある国際教育到達評価学会(IEA)が、11日、小学4年と中学2年を対象に行った国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の2011年の結果を発表した中で、明らかになったものです。この調査は、4年に1度行っているもので、2011年は、世界60の国と地域のおよそ50万人が参加し、日本からは小学4年生と中学2年生の合わせて8800人が参加しました。
この調査は、1995年の世界の基準点を500点と設定しており、日本の平均点は、小学4年生では、算数が前回2007年より17点上がって585点で50カ国中5位、理科が11点上がって559点で50カ国中4位でした。
中学2年生では、数学が前回と同じ570点で42カ国中5位、理科が4点上がって558点で42カ国中4位でした。
小学生、中学生ともに平均点は上昇傾向にあります。
参加国の順位をみますと、小学校、中学校とも、シンガポール、韓国、香港、台湾が上位を占め、日本は、それに次ぐ結果になっています。
日本の文部科学省は、「学習指導要領の改定で授業時間が増えたのが背景にある」として、「脱ゆとり教育」の効果を強調しています。
一方、この国際学力調査は、学習意欲について、「勉強が好き」と答えた中学2年生は、数学で、国際平均66%に対して日本は39%、理科で、国際平均76%に対して日本は53%などと国際平均を下回っており、上回っていたのは、小学4年生の理科の「勉強は楽しい」という回答だけで、国際平均88%に対して日本は90%でした。

(b)ニュースの背景
国際教育到達度評価学会の国際数学・理科教育動向調査については、2003年の調査で、日本の子どもたちの算数・数学、理科の学力が低下傾向にあることが明らかになり、学力低下論争が起きました。これを受けて、文部科学省は、「ゆとり教育」を転換して授業時間や学習内容を増やしていきました。各学校は、授業に実験や観察を多く取り入れ、子供たちが算数・数学や理科を日常生活と関連付けて考えるよう改善していて、文部科学省は、こうした取り組みの成果が出てきているとして、指導の充実を図ることにしています。

国際的な学力調査には、このほかに、OECD=経済協力開発機構の学習到達調査(PISA=the Programme for International Student Assessment)があります。これは、2000年から3年ごとに実施している学習到達度調査で、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野について調査し、毎回そのうち一つが中心t的分野に設定されます。単なる知識の習得度よりも、活用力や応用力をみることを重点にしています。
2009年の調査では、65の国と地域の15歳の生徒を対象とし、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野で、読解力を中心的分野として実施されました。この回初参加の上海が3分野すべてで1位で、韓国、香港、シンガポールのアジア勢が日本を上回る好成績をあげました。2000年、2003年、2006年、2009年の順位を比較すると、日本は、読解力が8位→14位→15位→8位、数学的リテラシーが1位→6位→10位→9位、科学的リテラシーが2位→2位→6位→5位となっていて、「学力低下に歯止めがかかった」といわれています。

(c)英語のニュース

An international study shows that Japanese schoolchildren are getting better at mathematics and science.
The study - Trends in International Mathematics and Science Study - is conducted every 4 years throughout the world by the Netherlands-based International Association for the Evaluation of Educational Achievement. Last year, a total of 500,000 schoolchildren in 60 countries and territories, including 8,800 Japanese, took part in the tests.
For 4th graders, Japan ranked 5th in math and 4th in science among 50 countries and territories.
For 8th graders, Japan also ranked 5th in math and 4th in science among 42 countries and territories.
The average scores of the Japanese school children tended to improve.
The Japanse Education Ministry attributed the rise to changes in the curriculum guidelines in 2009 that led to an increase in hours spent on instruction.
The internation study shows that Asian schoolchildren from Singapore, South Korea, Hong Kong and Taiwan dominated the higher ranks.

(c)英語のニュース

国際学力調査に関するニュースについては、日本のメディアは、国際教育到達評価学会(IEA, 本部オランダのアムステルダム)が行った国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の結果発表のうち、日本の小4と中2の平均点の動向を中心に伝えていました。一方外国のメディアは、IEAが発表したTIMSSとPIRLS(=the Progress in International Reading Literacy Study 国際読解力動向調査)の2つの調査報告を報道していました。いずれにせよ、世界各国が教育に大きな関心を寄せていることを示していました。
アメリカ、イギリス、中国のメディアの報道を紹介しましょう。

アメリカの『USA TODAY』紙は、"U.S. schools moving up international rankings"(アメリカの学校、国際ランキングで上昇)という見出しで、"Results from a pair of new international assessments released today show that American kids are holding their own in math, reading and other subjects, in a few cases, they're actually bypassing the rest of the world"(発表された2つの新たな国際的な評価の結果によると、アメリカの子どもたちは、数学、読解、そのほかの教科で、彼ら自身の成績を維持し、2~3のケースではあるが、実際に世界のほかの国々を追い抜いた)と報じました。

イギリスの『BBC(=British Broadcasting Corporation)』放送は、"Asians top of school tables - England in maths top 10(アジアの国々、学校の成績表でトップ、イングランド、数学でトップ・テンに)という見出しで、"Asian countries hav taken top places in global school rankings for maths, science and reading, with England and Northern Ireland among high performers"(アジア諸国は、数学、科学、読解に関する世界の学校の順位でトップの座を占めた。また、イングランドや北アイルランドは上位の中にあった)と報じました。

中国の『Xinhua(新華社)』通信は、"U.S. students trail Asian peers in math, science, reading: reports"(アメリカの学生、数学、科学、読解で、アジア諸国の後に続くと伝えられる)という見出しで、"U.S. fourth and eighth grade students continue to lag behind many of their peers in Eastern Asia and Europe in math, science and reading, found two reports released Tuesday"(2つの発表された報告書によると、アメリカの4年生と8年生は、数学、化学、読解で、東アジアやヨーロッパの多くの国々よりも後ろに居続けている)と報じました。






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