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908. タカタ、民事再生法の適用申請ー2017.6.26 [経済]



(a) 日本語のニュース

世界的なエアバッグメーカーのタカタは、欠陥エアバッグの問題で経営が悪化し、26日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請し、受理されました。負債総額は、1兆円にのぼり、製造業では、戦後最大の大型倒産になります。
タカタは、アメリカでエアバッグの不具合が原因となった死亡事故が相次いだことをきっかけに、日本など世界各地で、リコール=回収・無償修理が拡大し、今年3月期の決算は795億円の最終赤字に陥りました。さらに、自動車メーカーが肩代わりしているリコールの費用を含めた負債の総額は、1兆円をこえています。
タカタの高田重久会長兼社長は、26日の記者会見で、「すべての関係者、債権者にご迷惑をおかけすることになり深くお詫びしたい」と陳謝し、2018年3月までに経営責任をとって辞任することを明らかにしました。
また、アメリカなどにある海外の子会社12社は、25日、アメリカのデラウエア州にある連邦破産裁判所に、日本の民事再生法にあたる連邦破産法11条の適用を申請して、経営破綻しました。
タカタは、今後、裁判所の管理下でリコールの対応などに専念し、それ以外の自動車部品の製造などのすべての事業は、中国企業の傘下にあるKSS=キー・セイフティー・システムズにおよそ1750億円で譲渡し、その傘下で再建をめざすことになります。

(b)ニュースの背景

タカタは、1933年に滋賀県彦根市で繊維メーカーとして創業し、1980年代にエアバッグの生産を開始し、世界シェアがおよそ2割を占める大手で、シートベルトなども生産しています。2017年3月期の連結売上高は6625億円でした。欧米やアジアなどおよそ20か国に拠点を持ち、従業員はおよそ4万6000人います。
タカタ製エアバッグの異常破裂では、2009年アメリカで初の死亡事故が起こり、これまで因果関係が特定できないものも含め世界で17人が亡くなっています。
リコール対象のエアバッグは、世界で1億規模にのぼり、この1兆円規模の費用の大半は自動車メーカーが負担しています。
事態をより深刻化させたのは、リコール(回収・無償修理)への対応です。エアバッグの不具合を把握してからリコールを実施するまで時間がかかり、リコールの範囲を広げなかったとして、批判が高まりました。
タカタの創業家出身の高田氏ら経営陣は、当初、自動車メーカーなど関係者の話し合いに基づき、企業イメージが傷つきにくい「私的整理」での再建を模索していました。しかし、アメリカで法的な問題にまで発展したうえ、リコール費用を肩代わりする自動車メーカーは、より公平に負担額を確定させ、経営陣や株主の責任も明確になる「法的整理」を主張し、タカタも、財務の悪化や人材の流出が続き、それを受け入れざるを得なくなりました。

民事再生とは、2000年4月施行された民事再生法による手続きのことで、株式会社、有限会社のほか、医療法人、学校法人を含むすべての法人および個人に適用されます。早期再建を目的とし、現経営陣が残り、倒産した企業の実態に合わせ、半年程度で再生計画案をまとめます。可決条件は緩やかで、対応も柔軟です。「3年経過ルール」があり、裁判所の認可3年後に自動的に終結の決定がおります。

(c)英語のニュース

Troubled Japanese air bag maker, Takata Corporation, has filed with Tokyo District Court for bankruptcy protection under Japan’s civil rehabilitation law, following massive recalls of its products around the world.
Takata’s liabilities are seen finally exceeding one trillion yen, or about 9 billion dollars, the largest amount for any failed manufacturer in Japan since the end of World War Two.
The head of the company, Chairman and CEO Shigehisa Takata, said at a news conference that he will step down to take responsibility for the company’s failure.
Takata said that it has reached a basic agreement to transfer its operations to U.S.auto parts maker, Key Safety Systems for about 1.6 billion dollars. The U.S. maker is owned by Chinese company Ningbo Hoyson Electronic Corporation.
Takata airbags have been subject to recall since 2013. Since then, costs have been ballooning and Takata has had a difficult time restructuring on its own.
U.S. transport authorities say that Takata airbags were responsible for at least 11 deaths. Two people have been injured in Japan.

(d)ニュースの比較研究

エアバッグの欠陥で大量リコール(回収・無償修理)を招いたタカタが経営破綻し民事再生法の適用を申請したニュースについては、日本のメディアも外国のメディアも大きく伝えました。
欧米の代表的なメディアの報道を紹介しましょう。

アメリカの『CNN(=Cable News Network)』放送は、”Takata, brought down by airbag crisis, files for bankruptcy”(タカタ、エアバッグ危機で、破産申請)という見出しで、”The company at the heart of one of the worst auto safety scandals in history has filed for bankruptcy. Japan’s Takata was brought down by the huge cost of its exploding airbag crisis. The company’s faulty airbag inflators, which can blast shrapnel into drivers and passengers have resulted in the recall of tens of millions of vehicles and been linked to 11 deaths in the US and several others elsewhere”(史上最悪の自動車の安全性にかかわるスキャンダルの一つの中心にあった会社が、破産の申請を行った。日本のタカタは、そのエアバッグのリコールの危機の膨大な費用で経営破綻に陥った。その会社の欠陥エアバッグが爆発しドライバーや乗客を襲い、何千万台の車のリコールをもたらし、アメリカやその他の所で11人が死亡する事故に関連したのだ)と報じました。

イギリスの『BBC(=British Broadcasting Corporation)』放送は、”Takata:
Airbag-maker files for bankruptcy”(タカタ:エアバッグ・メーカー、破産申請)という見出しで、”Japanese car parts maker Takata has filed for bankruptcy protection in the US and Japan. It is facing billions of dollars in liabilities over its defective airbags, which have been linked to at least 17 deaths worldwide”(日本の自動車部品メーカーのタカタは、アメリカと日本で破産保護申請を行った。タカタは、世界中で少なくとも17人が死亡した欠陥エアバッグの事故を巡って、何万ドルという負債を抱えている)と報じました。

ドイツの『Deutche Welle』放送は、”Takata declares insolvency in face of airbag recall costs”(タカタ、エアバッグのリコールの費用で破産宣告)という見出しで、”The Japanese auto supply company whose airbags were blamed for killing at least 17 people around the world, filed for bankruptcy in the US and Japan on Sunday. Most of Takata’s assets will be sold to a Chinese-owned American rival for 1.6 billion dollars”(日本の自動車部品の会社タカタは、そのエアバッグで世界中で少なくとも17人が死亡したとして非難されているが、アメリカと日本で破産申請を行った。タカタの財産の多くは、中国系のアメリカのライバル会社に16万ドルで売却されることになるだろう)と報じました。

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894. 1~3月期のGDP,年率2.2%増、5期連続でプラスー2017.5.18 [経済]

(a) 日本語のニュース

今年1月から3月までのGDP=国内総生産は、物価の変動を除いた実質成長率が前の3か月と比べてプラス0.5%、年率に換算してプラス2.2%になりました。、GDPがプラスとなるのは、5四半期連続で、これは、11年ぶりのこです。
これは、内閣府が18日発表したもので、好調な海外経済に支えられ輸出が伸びを主導、個人消費が回復したためです。
主な項目では、GDPの半分以上を占める「個人消費」が、雇用や所得の改善を背景に携帯電話や衣料品などの売り上げが伸びて、前の3か月と比べて0.4%のプラスとなりました。
また、「輸出」は、アジア向けに半導体製造装置など工作機械の輸出堅調が続いたため、2.1%のプラス、「住宅投資」も0.7%のプラスとなりました。
一方、「企業の設備投資」は、昨年の秋以降の生産設備を増強する動きが鈍化し、プラス0.2%の小幅な伸びにとどまりました、

(b) ニュースの背景

GDP(=Gross Domestic Product)は、国内総生産のことで、その国の経済力を示す指標になっています。GDPは、企業や政府の活動が、国内で一定期間に生み出した経済的な価値の総額を示しています。個人消費や設備投資、住宅投資、公共事業などの「内需」と輸出から輸入を引いた「外需」に分かれています。GDPは、実質GDPと名目GDPがあります。GDPは、物価の変動の影響を受けるため、その影響を取り除き、その年に生産された財の本当の価値を算出したものが実質GDPで、一方それを取り除かず、その年の経済活動の水準を算出したのが、名目GDPです。GDPの1年間の増加率を示すのが、経済成長率です。

(c) 英語のニュース

Japan’s Gross Domestic Product in January to March grew 0.5 percent from the previous quarter in real terms. It represents a 2.2 percent annualized rise. This shows that, the country’s economy has expanded for the 5th straight quarter.
The world’s number three economy has been picked up steam on the back of strong exports, but consumer spending tepid. Exports increased 2.1 percent and consumer spending rose 0.4 percent. And corporate investment grew 0.2 percent.

(d) ニュースの比較研究

1~3月期のGDPが年率2.2%増と5期連続でプラスになったニュースについては、日本のメディアは伝えましたが、外国のメディアは、今のところ報道していません。
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882. 東芝、2度延期の決算報告書発表、監査法人は「意見不表明」-2017.4.11 [経済]

(a) 日本語のニュース

大手電機メーカーの東芝は、11日、2度延期していた2016年4月から12月までの連結決算を発表しました。東芝は、決算をチェックする監査法人との間で、経営破たんしたアメリカの原発子会社ウエスチングハウスの会計処理をめぐって対立して溝が埋まらず、監査の適正意見がない異例の決算となったうえに、監査法人は、アメリカの原発事業の巨額損失などを理由に、東芝の事業継続に「重要な疑義」があるとの注記をつけました。
2016年4月から12月の連結売上高は、前年同期比4%減の3兆8468億円で、最終損益は5325億円の赤字でした。株主から預かったお金である自己資本は、2256億円のマイナスと初の債務超過に陥りました。
東京証券取引所第一部に上場する大企業の決算には、適正意見が付くのが通例ですが、今回の東芝のように監査の意見不表明は、大手製造業では異例のことです。
この決算の発表があった11日は、国が延長を認めた期限にあたり、東芝は、ウエスチングハウスの問題で、不適切な圧力による不正な会計処理はなかったと結論づけるとともに、これ以上決算発表をおくらせることはできないとして、発表に踏み切ったものです。
東芝は、これによって決算の信頼性は揺らぎ、上場維持へ正念場を迎え、企業統治の抜本的な見直しを迫られる厳しい情勢になりました。

(b)ニュースの背景

経営再建中の東芝は、3月29日、アメリカの原子力子会社ウエスチングハウスがアメリカ連邦破産法11条の適用を申請し、経営破綻したと発表しました。
東芝は、その損失をかぶるため、2016年度の決算は、国内の製造業としては過去最大の1兆円を超える最終赤字に転落することになりました。
ウエスチングハウスは、設計などを手掛ける原発の世界シェアが20%を超える世界的な大手原発メーカーで、東芝が海外原発事業を推し進める狙いで2006年買収し、およそ5500億円を投じてきましたが、アメリカで手掛ける原発4基の建設で巨額の追加費用が発生し、経営に行き詰まり、ウエスチングハウスが、アメリカ連邦破産法11条の適用をニューヨーク州連邦破産裁判所に申請し、経営破綻したものです。
これによって、東芝は、海外の原発事業から撤退することになりました。

しかし、東芝では、ウエスチングハウスの会計処理をめぐって、「一部の経営者が損失を少なく見せるよう不適切な圧力をかけた」とする内部通報が寄せられ、東芝の監査委員会が外部の弁護士などと調査を行いました。
東芝の監査委員会は、その調査結果を11日に公表し、「特定の経営者数人による不適切なプレッシャーと見なされる言動が認められた」と報告しましたが、「ウエスチングハウスでの内部統制は有効に機能しており、会計処理に影響は与えなかった」として、不正な会計処理はなかったと結論づけました。
しかし、東芝の決算をチェックした監査法人は、この調査結果が終わっていないことを理由に、東芝が作成した決算書について、「修正が必要となるか否かについて、判断することができなかった」として、決算の内容を承認せず、結論を表明しない「意見不表明」としました。

(c) 英語のニュース

Japanese electrics maker Toshiba Corporation has released an earnings report without auditor approval after postponing the release twice.
This came on Tuesday – the deadline for submitting the report to the Finance Ministry.
Toshiba reported a net loss of 532.51 billion yen(54.8 billion dollars) for the April-to-December period of last year
The embattled Japanese conglomerate’s auditor did not sign off on the final figures, as the two sides were struggling to resolve disagreements over losses related to the company’s U.S. nuclear unit Westinghouse Electric Company, which filed for Chapter 11 bankruptcy protection last month.
Toshiba failed to obtain approval for the earnings report from the auditing firm. This placed the company at a greater risk of stock delisting.
The Tokyo Stock Exchange is to study whether it will maintain its listing of Toshiba shares.

(d)ニュースの比較研究

東芝が適正との監査意見が得られないまま決算報告を発表したニュースについては、多くの世界のメディアが報道しました。
代表的なメディアの報道を紹介しましょう。

アメリカの『CNN(=Cable News Network)』放送は、”Toshiba warns it may not survive crisis”(東芝、危機から脱することができないかもしれないと警告)という見出しで、”Toshiba may not survive its deepening crisis. The Japanese conglomerate said Tuesday that there is “substantial doubt” about its ability to continue as a going concern after it reported huge losses. Toshiba has been hammered by the collapse of its American nuclear business, Westinghouse Electric, which filed for bankruptcy protection in the U.S. last month”(東芝は、深まりつつある危機から脱することができないかもしれない。この日本のコングロマリット(複合産業)-東芝―は、巨額の損失を報告した後、現行の企業として存続できるかについて“実質的な疑い”があると述べた。東芝は、先月アメリカで破産保護を申請したアメリカの原子力産業のウエスチングハウスの崩壊によって衝撃を受けた)と報じました。

イギリスの『BBC(=British Broadcasting Corporation)』放送は、”Toshiba files unaudited results and says future is in doubt”(東芝、会計監査を受けない決算報告を提出、将来はどうなるかわからないと言明)という見出しで、”Toshiba has filed its delayed financial results, warning that the company’s survival is at risk. There are material events and conditions that raise substantial doubt about the company’s ability to continue as a going concern, the company said in a statement”(東芝は、遅延していた決算報告を提出し、会社の生き残りは危機的な状況にあると警告した。東芝は、声明の中で、会社が現行の企業として存続していくことができるかについては、実質的な疑いを引き起こす具体的な状況が存在すると述べた)と報じました。

中国の『Xinhua(新華社)』通信は、”Toshiba files twice-delayed earnings report without auditor endorsement”(東芝、監査法人のお墨付きなしで、2回にわたって遅らせた決算報告を提出)という見出しで、”Toshiba Corp. on Tuesday reported its twice-delayed earnings report for the nine months through December that were filed without the endorsement from its author”(東芝は、12月までの9か月間の決算報告書を2度にわたって発表が遅れていたが提出した。しかし、それは、監査法人のお墨付きではなかった)と報じました。

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860.昨年の外国人旅行者の消費額過去最高ー2017.1.17 [経済]


(a) 日本語のニュース

昨年1年間に日本を訪れた外国人旅行者が買い物や宿泊などに消費した金額は、3兆7400億円余りで過去最高を記録しましたが、1人当たりの消費額は、およそ15万5900円で前の年に比べて大幅な減少になりました。
政府の観光庁が17日発表した訪日外国人消費動向調査によりますと、日本を訪れた外国人旅行者が、昨年1年間に買い物や宿泊などに消費した金額は、3兆7476億円と、前の年より7.8%増えて、4年連続で過去最高を更新しました。これは、日本を訪れた外国人旅行者が昨年初めて2000万人を突破するなど大幅に増えたことによるものです。国・地域別では、中国人が1兆4700億円で全体の4割を占めて最大、次が台湾人が5200億円、韓国人が3500億円となっています。
しかし、外国人旅行者の1人当たりの消費額は、15万5896円と過去最高だったおととしを11.5%下回る大幅な減少になりました。これは、特に、中国政府が海外の土産物の関税を引き上げたことや中国でインターネットで海外の商品を買う習慣が広がったことなどから、中国からの旅行者の平均の消費額が前の年に比べて18.4%も落ち込み、いわゆる爆買いが減ったためです。
中国からの旅行者の数の伸びは堅調で、昨年は637万人で前の年に比べて27.6%増えて2年連続で最多、全体の26.5%を占めています。しかし、日本を訪れる中国人は富裕層から中間所得層に広がりつつあり、このことが消費額の伸び悩みにつながる一因とみられています。

(b) ニュースの背景

観光庁のHPによると以下の通り。

国籍・地域別に旅行消費額をみると、中国が1兆4754億円(構成比39.4%)と最も大きい。次いで、台湾5246億円(同14.0%)、韓国3578億円(同9.5%)、香港2947億円(同7.9%)、米国2130億円(同5.7%)の順になっており、これら上位5か国で全体の76.5%を占めた。

国籍・地域別に1人当たりの旅行支出をみると、オーストラリアが最も高く(24万7千円)、次いで中国(23万2千円)、スペイン(22万4千円)の順で高い。中国においては、1人当たり旅行支出が前年比18.4%減少し、全国籍・地域の中で最大の減少幅になった。

(c) 英語のニュース

The number of foreign visitors to Japan and their spending both marked all- time high last year.
The government’s tourism agency says that the number of visitors to Japan from overseas rose 21.8 percent to 24.04 million in 2016 and their spending grew 7.8 percent to 3.75 trillion yen or 33 billion dollars.
It attributes the 2016 rise in spending to the expansion of duty-free items, relaxed visa requirements for tourists and the slowdown to a stronger yen.
Chinese travelers spent an estimated 1.48 million yen last year – 39.4 percent of the total – followed by travelers from Taiwan and South Korea.
Average spending per visitor fell 11.5 percent from a year earlier to 155,896 yen. This is mainly due to slowdown in Chinese on “bakugai” shopping sprees.

(d)ニュースの比較研究

昨年の外国人旅行者の消費額が過去最高のニュースについては、日本のメディアは報道しましたが、外国のメディアは報道していません。





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848. 日銀短観、大企業製造業の景気判断6期ぶりに改善ー2016.12.14 [経済]


(a) 日本語のニュース

日本銀行が14日発表した短観=企業短期経済観測調査によりますと、代表的な指標とされる大企業の製造業の景気判断は、プラス10ポイントで、前回、およそ3か月前の調査を4ポイント上回り、6四半期ぶりに改善しました。
これは、アメリカなど海外経済の回復で電気機械や自動車など輸出企業の景況感が改善したこととアメリカ大統領選挙後の世界的な株高や原油市況の回復も追い風になったためとみられます。
一方、大企業の非製造業は、プラス、18ポイントで、横ばいでした。
日銀の短観は、3か月に1度、国内のおよそ1万社に景気の見方を聞くもので、今回は、11月14日から12月13日まで調査を行いました。

(b) ニュースの背景

日銀のHPによりますと、
日銀短観というのは、日銀が行っている「全国企業短期経済観測調査」のことで、統計法に基づいて日本銀行が行う統計調査であり、全国の企業動向を的確に把握し、金融政策の適切な運営に資することを目的としています。全国の約1万社の企業を対象に、四半期ごとに実施しています。
短観では、企業が自社の業況や経済環境の現状・先行きについてどうみているか、といった項目に加え、売上高や収益、設備投資額といった事業計画の実績・予測値など、企業活動全般にわたる項目について調査しています

(c)英語のニュース

The Bank of Japan says that business sentiment among large manufacturers in Japan improved in December for the first time in 6 quarters.
The central bank conducts a survey of more than 10,000 companies across the country every 3 months, asking them what they think about business conditions.
The Bank of Japan says that the index for large manufacturers’ current business conditions stood at plus 10, against plus 6 in the previous survey for September.
The index for large nonmanufacturers was unchanged at plus 18.

(d)ニュースの比較研究
日銀短観に関するニュースについては、日本のメディアは報道しましたが、外国のメディアは伝えていません。



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826. 7~9月期のGDP、年率2.2%、3期連続プラスー2016.11.14 [経済]

(a) 日本語のニュース

今年7月から9月までのGDP=国内総生産が、年率に換算して2.2%プラスとなり、3期連続でプラスを記録しました。
内閣府が14日発表したところによりますと、2016年7月から9月期のGDP=国内総生産の速報値は、物価の変動を除いた実質で、前の3か月と比べた伸び率は、プラス0.5%、年率に換算してプラス2.2%となり、3期連続でプラスになりました。
これは、個人消費が伸び悩んだものの、輸出の増加が全体を押し上げたためです。
主な項目では、「住宅投資」が、日銀がマイナス金利政策で住宅ローンの金利が低い水準で推移していることが後押しになり、前の3か月に比べて2.3%のプラス、また、「輸出」もスマートフォン向けの部品が堅調で、2.0%プラスになりました。
一方、GDPの6割を占める「個人消費」は、消費者の節約志向が根強いことに加え、8月から9月に台風の上陸が相次ぎ、外出を控える人が多かったことも影響し0.1%のプラスにとどまりました。
「企業の設備投資」も、円高による収益の悪化を懸念して設備の更新を控える動きが出て、プラス0.0%とほぼ横ばいにとどまりました。

(b)ニュースの背景

GDP(=Gross Domestic Product)は、国内総生産のことで、その国の経済力を示す指標になっています。GDPは、企業や政府の活動が、国内で一定期間に生み出した経済的な価値の総額を示しています。個人消費や設備投資、住宅投資、公共事業などの「内需」と輸出から輸入を引いた「外需」に分かれています。GDPは、実質GDPと名目GDPがあります。GDPは、物価の変動の影響を受けるため、その影響を取り除き、その年に生産された財の本当の価値を算出したものが実質GDPで、一方それを取り除かず、その年の経済活動の水準を算出したのが、名目GDPです。GDPの1年間の増加率を示すのが、経済成長率です。

(c) 英語のニュース

Japan’s economy grew an annualized 2.2 percent in inflation-adjusted real terms in the July-September period, up for the third straight quarter.
The Cabinet Office says that the expansion corresponds to a 0.5 percent increase from the previous quarter.
The increase is due to a rise in exports while consumer spending and capital investment lacked vigor.
However, individual spending that shares 60 percent of the GDP, was sluggish, as consumers lend to save money.

(d) ニュースの比較研究

7~9月期のGDPが年率2.2%増で3期連続でプラスになったというニュースについては、日本のメディアも外国のメディアも報道していました。
主なメディアの報道を紹介いたしましょう。

アメリカの『The Wall Street Journal』紙は、”Japanese Economy Likely expanded on Stronger Exports - Japan’s gross domestic product like grew an annualized 0.9% in the third quarter!”(日本経済、輸出増で拡大か-―日本のGDP=国内総生産、第3四半期年率0.9%(原文のまま)増)という見出しで、”Japan’s economy likely expanded modestly in the three months through September on the back of a rise in exports despite tepid spending by businesses and households”(日本経済は、9月までの3か月間ゆるやかに拡大したようだ。それは、企業や家庭の消費が鈍いにもかかわらず、輸出が伸びたという背景がある)と報じました。

イギリスの『REUTERS』通信は、”Japan third quarter GDP growth hits annualized 2.2 percent on exports, beats expectations”(日本の第3四半期のGDPの成長率、輸出増で2.2%増、予想を覆す)という見出しで、”Japan’s economic growth beat expectations in the July-September period, helped by stronger exports to expand for a third straight quarter, but weak domestic activity cast doubt on hopes for a sustainable economic recovery”(7月から9月期の日本の経済成長は、予想を裏切って、輸出が増えたおかげで、3期連続で拡大した。しかし、国内需要が弱く、持続可能な景気回復への希望については疑問を投げかけた)と報じました。

ドイツの『Deutsche Welle』放送は、”Japan’s economy grows 0.5 percent in third quarter”(日本経済、第3四半期に0.5%増)という見出しで、”Japan’s economy beat expectations in the third quarter thanks to exports, according to government data. Good news for the Abe administration, though a slowdown is expected in the fourth quarter”(日本政府のデータによれば、日本経済は、第3四半期には輸出が伸びたおかげで、予想を裏切った。安倍政権にとっては、良いニュースだが、第4四半期には、減速が予想されている)と報じました。、



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812. トヨタとスズキ、業務提携へー2016.10.12 [経済]


(a) 日本語のニュース

トヨタ自動車とスズキは、12日、エコカーの環境技術や自動運転に関する技術など幅広い分野で業務提携に向けた検討を始めると発表しました。
これは、トヨタ自動車の豊田章男社長とスズキの鈴木修会長が、東京都内で記者会見し、発表したものです。
トヨタ自動車は、次世代のエコカーの環境技術や将来的に普及が期待される自
動運転などの独自の技術について世界的にどう普及させるかが課題になっています。一方スズキは、小型車を低コストで開発する技術やインド事業に強みを持つ一方、巨額の資金が必要な先進技術の開発に遅れていて、提携先を必要としていました。
両社は、今回の提携について、「両社以外にもオープンなスタンスであり、将来的には技術の標準化にもつながる」と述べ、前向きな姿勢を示しました。
両社による将来の資本提携について、鈴木会長も豊田社長とも「ゆっくり考えると話し、否定はしませんでした。

(a) ニュースの背景

今回の提携によって、国内の自動車業界は、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダの3つの陣営に集約されることになります。
世界最大規模の販売台数で、国内でも高いシェアを誇るトヨタ自動車は、昨年マツダとの間で、自動車の環境技術など幅広い分野で基本合意したほか、今年8月に軽自動車などの開発に強みを持つダイハツ工業を完全子会社化しています。このほか、日野自動車に50%出資、富士重工業に16%出資、いすず自動車に6%出資しています。
燃費偽装の発覚をきっかけに、三菱自動車も、日産自動車の傘下に入ることになり、10月中にも日産から34%の出資を受け入れ、今後、両社の強みをいかしたエコカーの共同開発を進めることにしています。
こうした自動車業界の提携は、エコカー、自動運転など先進技術が求められ、巨額の投資が必要な開発競争が激化していることが背景にあるとみられています。

世界販売台数(2015年)
トヨタ自動車 1015万台、日産自動車・ルノー 852万台、ホンダ 466万台、
スズキ 287万台

(c) 英語のニュース

Japanese automakers Toyota and Suzuki have announced that they will start discussions on a business tie-up in the fields of environment-friendly, self-driving autos, safety and vehicle information technology.
The announcement was made by Toyota Motor Corporation’s President Akio Toyota and Suzuki Motor Corporation’s Chairman Osamu Suzuki at a joint news conference in Tokyo on Wednesday.
They said that the tie-up under consideration would be open to other companies and is expected to lead to technological standardization in Japan’s auto industry – the latest sign of the consolidation of the sector in the country to survive intensifying global cooperation.
The envisioned tie-up would realign the Japanese auto industry into three major camps, led by Toyota, Japan’s largest automaker, Nissan Motor Company, the second largest, and Honda Motor Company, the third.

(d) ニュースの比較研究

トヨタとスズキの提携交渉開始の発表のニュースについては、日本のメディアも外国のメディアも日本の自動車業界の大きな動きとして報道していました。
主なメヂィアの報道を紹介しましょう。

アメリカの『The Wall Street Journal』紙は、”Toyota Motor, Suzuki in Talks on business Partnership – Car makers said they would explore cooperation on new vehicle technologies”(トヨタ自動車、スズキ、業務提携で交渉へー両自動車会社は、新自動車技術での協力を探ると言明)という見出しで、”Toyota Motor Corp. said Wednesday it was holding talks with Suzuki Motor Corp. on a business partnership, a sign that Suzuki could be heading into the orbit of Japan’s top auto maker after breaking up with Volkswagen AG”(トヨタ自動車は、スズキと業務提携に関する交渉を行うと発表した。このことは、スズキが、フォルクスワーゲン社との交渉が決裂した後、日本のトップの自動車会社(トヨタ自動車)の軌道に入ろうとしていることを示すものだ)と報じました。

イギリスの『The Financial Times』は、”Toyota and Suzuki announce technology alliance”(トヨタとスズキ、技術提携発表)という見出しで、”The sprawling Toyota family is expanding yet again. Toyota, Japan’s biggest carmaker, said it will explore a business tie-up with smaller rival Suzuki to develop next-generation technologies”(拡大を続けているトヨタ・ファミリーは、さらに拡大を続けている。日本最大の自動車会社トヨタは、次世代の自動車技術を開発するために、より小規模のライバル会社スズキと業務提携行うと発表した)と報じました。

フランスの『AFP(=Agence France-Presse)』通信は、”Toyota, Suzuki shares soar on reports of emerging market tie-up”(トヨタ、スズキの株、業務提携の報道で急上昇)という見出しで、”Toyota and Suzuki soared in Tokyo trading Wednesday after reports that the Japanese automakers are in talks over a partnership focused on making compact cars for emerging markets including India”(東京の株式市場でトヨタとスズキの株が急上昇した。これは、両社がインドなど新興国のためにコンパクト・カーを生産することを中心にした業務提携に関する交渉を行うという報道のためだ)と報じました。














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780. 4~6月期のGDP、年率で0.2%-2016.8.15 [経済]

(a) 日本語のニュース

今年4月から6月までのGDP=国内総生産は、年率に換算してプラス0.2%と2期連続でプラスになりましたが、ほぼ横ばい状態が続いています。
内閣府が15日発表したところによりますと、今年4月から6月までのGDPの速報値は、物価の変動を除いた実質で前の3か月に比べて、プラス0.048%、年率に換算してプラス0.2%と2四半期連続でプラスでしたが、ほぼ横ばいにとどまりました。
これは、住宅投資や公共投資はわずかに増えましたが、世界経済の停滞や円高の影響で設備投資や輸出が減少し、GDPの6割を占める個人消費もふるわず、景気のもたつきが長引いているためです。
石原伸晃経済財政・再生相は、記者会見で、「経済対策の着実な実施で、当面の需要喚起だけでなく、民需主導の持続的な経済成長につなげていきたい」と述べました。

(b)ニュースの背景

GDP(=Gross Domestic Product)は、国内総生産のことで、その国の経済力を示す指標になっています。GDPは、企業や政府の活動が、国内で一定期間に生み出した経済的な価値の総額を示しています。個人消費や設備投資、住宅投資、公共事業などの「内需」と輸出から輸入を引いた「外需」に分かれています。GDPは、実質GDPと名目GDPがあります。GDPは、物価の変動の影響を受けるため、その影響を取り除き、その年に生産された財の本当の価値を算出したものが実質GDPで、一方それを取り除かず、その年の経済活動水準を算出したのが、名目GDPです。GDPの1年間の増加率を示すのが、経済成長率です。

(c)英語のニュース

The Japanese economy is still lagging, as the country’s real Gross Domestic Product in the April to June quarter was unchanged from the previous 3 months.
Japan’s Cabinet Office says that the country’s Gross Domestic Product in the April-June quarter grew 0.2 percent from the previous 3 months on an annualized basis in real terms, rising for the second straight quarter.
It says that on a quarter-to-quarter basis, the GDP was flat in real terms.
The Cabinet’s Office says that consumer spending, which accounts for about 60 percent of GDP was up 0.2 percent.
But capital investment and exports weakened, bearing the brunt of a slowing global economy and the yen’s appreciation against major counterparts.

(d)ニュースの比較研究

4~6月期のGDP=国内総生産が年率で0.2%と横ばいの状態というニュースについては、日本のメディアは大きく伝えましたが、外国のメディアでは、このニュースを伝えたものはわずかでした。
代表的なメディアの報道を紹介しましょう。”Japan Economy Nearly Stalls in Second Quarter – Japan’s growth was nearly flat in April-June, despite government spending and easy monetary policy”(日本経済、第2四半期でほぼ横ばい状態―日本の成長、政府の財政出動や金融緩和政策にも拘わらず、4~6月期ほぼ横ばい)という見出しで、”Japan’s economy nearly stalled in the second quarter amid falling exports and weak corporate investment, showing the nation is still largely dependent on government stimulus for growth. The economy expanded an annualized 0.2% in the April-June quarter, weaker than a 2% expansion in the first three months of the year, Japan’s government said on Monday”(日本経済は、輸出が減少し、企業投資が振るわない中で、第2四半期ではほぼ停滞した。このことは、日本は、依然として政府の景気刺激策に大きく依存していることを示している。日本政府の発表によれば、日本経済は、4~6月期年率0.2%成長した、これは、前の1~3月期の2%よりも低い)と報じました。

イギリスの『BBC(=British Broadcasting Corporation)』放送は、”Japan’s economic expansion misses forecasts”(日本の経済成長、予想はずれる)という見出しで、”Japan’s economy posted nearly flat growth in the second quarter despite an aggressive spending policy by the government. Gross domestic product expanded by an annualized 0.2% in the three months to June, well below market forecasts for 0.7% and a marked slowdown from the 2% increase in the first quarter”(日本経済は、政府による大幅な財政出動政策にも拘わらず、第2四半期では成長はほぼ横ばいだった。GDP=国内総生産は、6月までの3か月の間年率で0.2%の成長だった。これは、市場の予測の0.7%よりもかなり低く、第1四半期の2%成長よりも低い)と報じました。

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776. 政府、28兆円の経済対策決定ー2016.8.2 [経済]

(a) 日本語のニュース

政府は、2日事業規模が28兆円余りとなる新たな経済対策を閣議決定しました。
それによりますと、国内経済は、個人消費や民間投資が力強さを欠き、世界経済も減速するリスクがあるとしたうえで、内需を下支えするとともに、「未来への投資」の加速を目的とする総合的かつ大胆な経済対策を講じるとしています。
対策では、子育て支援や介護の充実など「一億総活躍社会」の実現に向けた政策は、3兆5000億円程度で、保育士や介護職員の給与の引き上げ、返済のいらない給付型奨学金の創設、低所得者1人あたり1万5000円の給付などを行うことになっています。
インフラ整備は、10兆7000億円程度で、リニア中央新幹線の整備を最大8年前倒し、外国人観光客を増やすために大型クルーズ船が利用できる港の建設などに使うことになっています。
さらに、英国のEU=欧州連合からの離脱の伴うリスクに備え、中小企業に対する融資の拡充などに10兆9000億円程度、熊本地震や東日本大震災からの復興などに3兆円程度を割り当てています。
経済対策の事業規模は、28兆1000億円程度となります。このうち国と地方の財政支出は、7兆5000億円程度で、国の支出が6兆2000億円で、複数年度の執行になります。それに、国が低い金利で資金を供給する財政投融資が6兆円程度で、これらを合わせた財政措置は、13兆5000億円程度になっています。
政府は、今回の経済対策で、2016年度~2017年度のGDP=実質国内総生産を実質で1.3%押し上げることが見込まれるとしています。

(b)ニュースの背景

安倍首相は、7月の参議院選挙で、「アベノミクスを最大限ふかす」と繰り返し有権者にアピールしてきたこともあって、今回事業規模28兆円を超える新たな経済政策を組み、「未来への投資を大胆に行う力強い経済対策をまとめることができた」と述べました。また、麻生財務相と黒田日銀総裁が「アベノミクスの加速化に一体となって取り組む」と述べ、連携を強化していくこともアピールしました。しかし、今回の経済対策では、従来型の公共事業がずらりと並び、一億総活躍プランの財源は明示されないままで、その効果に疑問視する見方も出ていますし、市場の反応もよくない状態です。
この発表と同じ日、IMF=国際通貨基金が、日本経済についての年次審査の報告書を発表し、アベノミクスについて、「相当な改善が必要だ」として、労働市場改革など構造改革を進めるよう求めています。報告書は、アベノミクスは、短期的には、成長を押し上げたが、巨額の債務や前例のない金融緩和による「下向きリスクが支配的だ」と指摘しています。このため、大胆な構造改革によるアベノミクスの改善が必要だとして、企業に対して、賃金の引き上げを促すような政策の導入や正社員と非正規労働者の格差をなくすため、同一労働同一賃金といった労働市場の改革を求めています。そのうえで、長期的な課題として、財政健全化の達成を挙げ、消費税について少なくとも15%まで毎年0.5%から1%の幅で、段階的に引き上げるとともに、社会保障費を抑えることが必要だとしています。

(c)英語のニュース

The Japanese government has approved a new economic stimulus package worth 28.1 trillion yen, or more than 270 billion dollars.
The government says that Japan’s personal spending and corporate investment are weak and the global economy is at risk of slowing down.
It says that the stimulus package aims to prop up domestic demand and spur investment.
The economic stimulus package calls for improving the working conditions of staff at nursery schools and nursing care facilities and reducing employment insurance premiums shouldered by both employers and employees. It also includes distributing 15,000 yen in cash to low-income earners.
The package calls for bringing forward the launch of high-speed maglev train services between Tokyo and Osaka from 2045 and promoting the development of infrastructure to boost the tourism and agricultural sectors.
It also includes helping small- and medium-sized companies deal with possible negative effects of Britain’s decision to exit from the European Union.
The government predicts that the stimulus package will boost Japan’s GDP or Gross Domestic Product by about 1.3 percent in real terms.

(d) ニュースの比較研究

政府が28兆円を超える経済対策を閣議決定したニュースについては、日本のメディアは、大きく伝えましたが、外国のメディアは、アメリカの少数の新聞が伝えただけでした。
それらの報道を紹介しましょう。

『The Wall Street Journal』紙は、”Japan’s Shinzo Abe Fires Stimulus Gun, Again – Economic plan ranks among country’s biggest since the global financial crisis, though direct spending is just $73 billion”(日本の安倍首相、また、経済刺激の銃を発射―その経済刺激策は、世界的な金融危機以来日本にとって最大級のものだ。直接的な支出は、730億ドルだが・・)という見出しで、”Japan’s cabinet approved a government stimulus package that includes \28 trillion($73 billion) in new spending, in the latest effort by Prime Minister Shinzo Abe to jump-start the nation’s sluggish economy”(日本の内閣は、新たな支出で28兆円、730億ドルに上る一括した政府の経済刺激策を承認した。これは、安倍首相が日本の停滞した経済を活性化させようとする努力の最新のものなのだ)と報じました。

『The New York Times』紙は、”Japan Announces More Stimulus Measures as Economy Struggles”(日本、経済が苦闘している中で、さらなる刺激策を発表)という見出しで、”In the three and a half years since he won the Japanese prime minister’s office on a pledge to rekindle economic growth, Shinzo Abe has tried many tactics to coax the economy into expanding”(日本の安倍首相は、就任して3年半の間経済成長を再活性化させると約束し、経済を拡大させるために多くの戦略を試みてきた)と報じ、”The result has been well short of the renaissance Mr. Abe promised. Now his government is embarking on what may be its biggest spending program yet”(しかし、結果は、安倍首相が約束した再生とはほど遠いものだった。そこで今や安倍政権は、これまでで最大の支出をする計画を始めようとしているのだ)と伝えました。



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765. 長期金利、20年国債初のマイナス、円高株安ー2016.7.6 [経済]



(a)日本語のニュース

世界経済の先行き懸念から、6日の東京市場で、比較的安全とされる国債と円に資金が集中し、債券市場では、新発20年物国債利回りが初のマイナスになり、為替市場では、1ドル=100円台をつけ、6月24日以来の円高水準になりました。
6日の東京債券市場では、長期金利の代表的な指標である満期10年の新発国債の流通利回りが一時、前日より0.030%幅低い(価格は上昇)マイナス0.285%をつけ、過去最低を更新しました。満期20年の国債の利回りも一時、マイナス0.005%と初めてマイナスとなりました。
市場関係者は、「イギリスの国民投票が行われて以降、世界経済の不透明感が高まっているとして、日本だけでなく、アメリカやドイツなどでも、国債が買われる動きが強まっている」と話しています。
一方、6日の東京外国為替市場では、円相場が、6月24日イギリスの国民投票でEU=欧州連合からの離脱が明らかになって以来、1ドル=100円台と円高が進みました。6日の東京株式市場では、企業業績への悪化懸念から下げ幅が一時500円を超えました。

(b)ニュースの背景

長期金利は、1年を超える預金・債券などに適用される金利のことで、日本では、新発10年物国債の流通利回りが代表的な指標とされ、他の長期金利に影響を与えます。短期金利が、日銀など中央銀行の金融政策の影響を直接的に受けるのに対し、長金利は、短期金利の影響を受けながら、景気やインフレ動向に関する予測を反映した長期資金の需給によって市場で決定されます。
新発10年国債利回りは、国が期間10年の借金をするときに発行する債券(国債)の流通利回りで、通常、債券市場の需給関係で決まり、国債の買い手が少なくなれば、価格は下落して利回りは上昇する一方で、逆に買い手が増えれば、価格は上昇して、利回りは下落することになります。

(c)英語のニュース

The yield on Japan’s key 20-year Japanese government bond fell below zero for the first time on Wednesday, as investors seek relatively safety on mounting concern about the course of the world economy, following Britain’s vote to leave the European Union.
The 10-year Japanese government bond yield also fell, hitting a record low of minus 0.285%.
The U.S. dollar fell as low as around 100.60 yen after the 225-issue Nikkei stock average accelerated its downswing to tumble some 500 points in trading on Wednesday.

(d)ニュースの比較研究

長期金利が20年国債で初のマイナスになり、円高株安が続いている市場のニュースについて、日本のメディアは、大きく報道しましたが、外国のメディアは、債券、外為、株の市場の動きを数字でだけしか伝えていません。












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