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766. NATO首脳会議閉幕ー2016.7.10 [国際ーアメリカ、ヨーロッパ]


(a)日本語のニュース

ポーランドの首都ワルシャワで開かれていたNATO=北大西洋条約機構の首脳会議は、9日、防衛力と抑止力の強化などをうたった「ワルシャワ宣言」を採択して閉幕しました。
NATOの首脳会議は、ロシアを念頭においた防衛体制の強化に向けて、ポーランドとバルト3国のエストニア、ラトビア、リトアニアに来年から最大4000人規模の多国籍部隊を展開することを決めました。この部隊は、アメリカ、イギリス、ドイツ。カナダが中心的な役割を果たすことになります。
会議は、また、過激派組織IS=「イスラム国」を抑える対策の一環として、これまでイラクの隣国ヨルダンで行っていた治安部隊の訓練をイラク国内でも行うことで合意しました。
8日の会議には、ロシアに隣接するNATO非加盟のフィンランドやスウェーデンの首脳が参加、9日の会議には、ウクライナのポロシェンコ大統領も出席しました。
NATO首脳は、ポロシェンコ大統領との会談で、ウクライナがロシアの強い脅威にさらされているとして、ウクライナの防衛力の強化を支援していくことで一致しました。

(b)ニュースの背景

NATO(=North Atlantic Treaty Organization)は、北大西洋条約機構のことで、1949年東西冷戦の激化にともない、アメリカを中心に12か国で結成された軍事機構で、1989年の冷戦終結のあと、1999年から東欧諸国が加盟、現在では、28か国が加盟しています。本部は、ベルギーの首都ブリュッセルにあり、理事会は、外相、国防相など閣僚レベルで構成する最高決定機関で、このほかに、政策を担当する委員会グループと実戦指揮にあたる司令部があります。首脳会議は、随時開かれています。事務総長は、イエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)、ノルウェー出身で、2014年10月就任。

(c)英語のニュース

NATO leaders have decided to deploy multinational troops to Poland and the 3 Baltic countries – Estonia, Latvia and Lithuania – starting next year to boost deterrence against Russia.
This decision was made at their 2-day meeting in the Polish capital, Warsaw, which ended on Friday.
The 4,000-member troops will be led by the United States and Britain.
The NATO leaders also agreed to step up measures to counter the Islamic State militant group. The NATO nations will start training forces in Iraq as part of efforts to contain the militants. They have already provided such training in neighboring Jordan..

(d)ニュースの比較研究

NATO=北大西洋条約機構の首脳会議閉幕のニュースについては、日本のメディアも外国のメディアも、ロシアへの対応措置で合意した点に注目した報道がほとんどでした。
主なメディアの報道を紹介しましょう。

アメリカの『The New York Times』紙は、”Obama Tells NATO That ‘Europe Can Count On’ the U.S.”(オバマ大統領、NATO諸国に’ヨーロッパはアメリカをあてにできる‘と言明)という見出しで、”President Obama, acknowledging that the trans-Atlantic alliance faces an unprecedented array of threats from terrorism, migrant flows and an aggressive Russia, said on Saturday that “in good times and in bad, Europe can count on the United States – always”(オバマ大統領は、大西洋同盟(NATO)が、これまでにない一連のテロからの脅威、移民の流入、侵略的なロシアに直面していると認識し、「ヨーロッパは、いい時も悪い時も、いつでも、アメリカをあてにできる」と言明した)と報じました。

イギリスの『BBC(=British Broadcasting Corporation)』放送は、”Nato summit: Obama expects UK to continue Europe security role”(NATO首脳会議:オバマ大統領、イギリスがヨーロッパの安全保障での役割を果たすことに期待)という見出しで、”The UK will remain a major contributor to European security, Barack Obama has said, as Nato and EU nations signed a deal focusing on the perceived threat from Russia. Mr Obama added he hoped for an orderly” UK transition from the EU”(オバマ大統領は、NATO とEUの諸国が、ロシアからの脅威とみられるものに焦点をあてた協定に調印したので、イギリスは、ヨーロッパの安全保障への大いなる貢献者としてとどまるだろうと述べた。オバマ大統領は、“秩序ある”イギリスのEUからの離脱を望んでいると付け加えた)と報じました。

ドイツの『Deutsche Welle』放送は、”NATO sends signals to Russia at Warsaw summit”(NATO、ワルシャワの首脳会議で、ロシアにシグナル送る)という見出しで、”NATO is not only planning to boost its forces in the East. The alliance wants to focus on counterterrorism and immigration on the southern flank. After two days of round-table discussions and many bilateral meetings, among them with the American and Turkish presidents, Chancellor Angela Merkel seemed satisfied. ”I believe that this is an important NATO summit because many concrete decisions have been made” Indeed, the leaders gave their blessings to a series of decisions that had been in preparation in NATO for months. There were no real surprise in Warsaw”(NATOは、東方では、その軍隊を増強する計画があるばかりでなく、南方にあっては、テロ対策や移民問題に焦点をあてたいと望んでいる。2日間にわたる円卓会議やアメリカやトルコの大統領などとの多くの2国間の会談の後で、メルケル首相は、満足気で、「今回は、重要なNATOの首脳会議だった。なぜなら、多くの具体的な決定がなされたからだ」と述べた、たしかに、首脳たちは、今後のNATOの準備として一連の決定に賛意を表したのだ)と報じました。


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410.独仏、盗聴問題で米と協議へー2013.10.26-27 [国際ーアメリカ、ヨーロッパ]

(a)日本語のニュース

ドイツとフランスが、アメリカの情報機関によって盗聴されていたとされる問題について、アメリカと個別に協議することになりました。
これは、ベルギーのブリュッセルで開かれたEU=ヨーロッパ連合の首脳会議に出席していたドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領が、25日会談した後明らかにしたものです。
アメリカの情報機関による情報収集をめぐっては、23日メルケル首相の携帯電話の通話を盗聴した疑惑が発覚し、さらにそれより先フランス国内でも市民の電話記録を集めていたことが明らかになりました。
ドイツとフランスは、テロ防止などを目的とした情報機関による情報収集は必要だとしながらも、信頼関係に基づいて行われるべきだとし、年末までに情報機関の活動について、アメリカと一定のルールを設けることを目指すことになりました。

(b)ニュースの背景

アメリカ国家安全保障局(NSA=US National Security Agency)は、アメリカ国防総省(US Defense Department)傘下の情報機関で、通信傍受、盗聴、暗号解読など情報収集活動をしています。1952年に発足、職員は3万人以上、予算はCIA(=Central Intelligence Agency)を上回るとされています。アメリカにイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが加わった英語圏5か国の傍受情報システム「エシュロン」の主導権を握っているといわれます。インターネット上の電子メールによる情報収集も行っているとされています。

NSA外部契約社員のエドワード・スノーデン氏(Edward Joseph Snowden)がNSAが各国の指導者などの個人情報収集を行っていると告発し、国際的な問題になりました。2013年6月スノーデン氏は、ガーディアン、ワシントン・ポスト、サウスチャイナ・モーニング・ポストなどの新聞社の取材やインタビューを受け、NSA=アメリカ国家安全保障局による個人情報収集の手口を告発しました。アメリカ司法当局によりスノーデン氏に逮捕命令が出されましたが、同氏は香港からモスクワに飛び、さらに第3国に亡命を検討していましたが、同年8月ロシア移民局から1年間の滞在許可証が発給され、現在ロシアに滞在中です。

ドイツの有力な週刊誌「シュピーゲル」が、NSA=アメリカ国家安全保障局の機密文書を入手し明らかになったとして26日伝えたところによりますと、メルケル首相の携帯電話が2002年から今年6月までの10年以上にわたって傍受の対象になっていた可能性が極めて高いということです。また、同誌は、同じような通信の傍受がヨーロッパを含む世界およそ80か所で行われていたと伝えています。

(c)英語のニュース

Germany and France have decided to seek consultations with the United States respectively over the alleged US spying on the nations.
This was disclosed by German Chancellor Angela Merkel and French President Francois Hollande after their talks in Brussels where they attended a summit of the European Union.
They said that Germany and France will separately seek to reach agreement on the matter with the United States by the end of this year.
The allegations are that the US National Security Agency had tapped the phones of 35 world leaders, including German Chancellor Merkel, as released by security documents leaked by former NSA member Edward Snowden.

(d)ニュースの比較研究

NSA=アメリカ国家安全保障局によるヨーロッパ各国における盗聴疑惑が起こり、ヨーロッパ各国にアメリカに対する批判が広まりました。ドイツのメルケル首相の携帯電話盗聴、EU=ヨーロッパ連合の本部での盗聴、フランスの企業や個人の電話盗聴などです。ヨーロッパのメディアは、特に詳しく報道しました。
代表的なヨーロッパとアメリカのメディアの報道を紹介しましょう。

ドイツの『Deutsche Welle(ドイッチェ・ベレ)』放送は、"All eyes on NSA at EU summit"(EU=ヨーロッパ連合の首脳会議、NSA=アメリカ国家安全保障局の動向に注目)という見出しで、""New reports of NSA spying on Chancellor Angela Merkel have overshadowed the EU summit in Brussels. Europe's top politicians have realized that anyone can be targeted and nothing is secret. Distrust of the U.S. is gorwing"(メルケル首相に対するNSA=アメリカ国家安全保障局のスパイ行為に関する新たな報道は、ブリュッセルにおけるEU=ヨーロッパ連合の首脳会議に黒い影を落とした。ヨーロッパの首脳たちは、誰もが目標になり、秘密になるようなものは何にもないと認識した。アメリカに対する不信が拡大しつつある)と報じました。

イギリスの『REUTERS(ロイター)』通信は、"Merkel to seek 'no spy deal' within EU as wellas with US"  (メルケル首相、アメリカとEU内部で’スパイ行為禁止協定’締結めざす)という見出しで、"German Chancellor Angela Merkel wants the European Union's 28 member states to reach a "no spy deal" similar to an agreement France and Germany seek with the United States following alllegations Washington tapped her mobile phone"(ドイツのメルケル首相は、アメリカが彼女の携帯電話を盗聴したという疑惑に続いて、”スパイ行為禁止協定”をアメリカと締結し、EU=ヨーロッパ連合の加盟28か国とも締結したい方針だ)と報じました。

アメリカの『CNN(=Cable News Network)』放送は、"EU leaders warn U.S. spying scandal may hamper fight against terror"(EU=ヨーロッパ連合の指導者たち、アメリカにスパイ行為のスキャンダルが対テロ作戦に障害と警告)という見出しで、"European leaders warned Friday that reports of widespread spying on world leaders by the U.S. National Security Agency have raised 'deep concerns" among Europeans and could affect the cooperation needed for effective intelligence gathering"(ヨーロッパの指導者たちは、NSA=アメリカ国家安全保障局による世界の指導者たちに対する広範なスパイ行為に関する報道が、ヨーロッパで”深い関心”を呼び起こし、効果的な諜報収集活動に必要な協力関係に影響を与えるだろうと警告した)と報じました。











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