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909. 稲田防衛相の発言めぐり政府・自民党と野党対立ー2017.6.29 [政治]



(a)日本語のニュース

稲田朋美防衛相が、東京都議選の自民党候補者の応援演説で「防衛省・自衛隊としてもお願いしたい」と発言したことをめぐって、野党は、稲田防衛相の罷免を迫り、政府・自民党は、野党の要求には応じず、続投させる方針で、激しく対立しています。
稲田防衛相は、27日東京都議会議員選挙の自民党候補の応援演説で、「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と述べて投票を呼びかけ、その後、「誤解を招きかねない発言だった」として発言を撤回しました。
しかし、民進党や共産党など野党4党は、稲田防衛相の発言は、公職選挙法や自衛隊の政治的行為を制限している自衛隊法に違反しており、到底看過できないとして、安倍首相に稲田防衛相の罷免を求めていくことを確認しました。
これに対して、菅義偉官房長官は、「稲田防衛相は発言を撤回し謝罪している。今後も誠実に職務にあたっていただきたい」と述べ、辞任する必要はないという考えを重ねて示しました。

(b)ニュースの背景

稲田朋美

1959年福井県生まれ、1981年早稲田大学法学部卒業、1982年司法試験合格、1985年弁護士登録、2005年衆議院議員選挙で福井1区・自民党公認で初当選、2009年衆議院議員選挙で2期目当選、2010年自民党副幹事長、2012年衆議院議員選挙で3期目当選、内閣府特命担当大臣((規制改革担当、同時に行政改革、公務員制度改革、再チャレンジ、クールジャパン戦略等担当)2014年国家公務員制度担当大臣、自民党政務調査会長、衆議院議員選挙で4期目当選、2016年防衛大臣に就任、自衛隊が駐屯しているアフリカ東部のジブチ訪問、南スーダン派遣の施設部隊訪問、
これまで、稲田氏の言動は、しばしば問題になってきました。国会で野党から「長期的には日本独自の核保有を国家戦略として検討すべきではないか」といった過去の発言について追及されたり、PKO=国連平和維持活動で南スーダンに派遣した自衛隊部隊の日報をめぐる問題や学校法人「森友学園」との関係をめぐっても野党から追及を受けました。安倍首相は、稲田氏を「将来のリーダー候補」としてかばい続け、重用してきましたが、今回の発言で安倍首相の任命責任が問われています。

(c)英語のニュース

Japanese Defense Minister Tomomi Inada is now under fire for her political remarks.
She suggested on Tuesday that the Self-Defense Forces support a Liberal Democratic Party candidate running in Sunday’s Tokyo metropolitan assembly election, sparking criticism from opposition parties that her remarks amounted to a political use of the nation’s defense apparatus.
Later in the day, Mrs. Inada retracted her remarks, acknowledging that it could have been misunderstood.
Under the law governing the country's defense apparatus, the SDF is meant to remain politically neutral and its personnel are restricted in their ability to engage in political activities.
Opposition parties are now demanding her resignation, as they say her remarks conflict with the SDF Law.
However, Chief Cabinet Secretary Yoshihide Suga dismissed calls for Defense Minister Inada to step down.
Speaking at a news conference on Wednesday, he said that she admitted that her remarks were misleading and that Mr. Inada confirmed that government institutions are politically neutral and do not endorse specific candidates. Mr. Suga said that he hopes the defense minister is accountable for her comments and will continue to devote herself to her duties.

(d)ニュースの比較研究

稲田防衛相の東京都議選の自民党候補の応援演説に関するニュースについては、日本のメディアは、それをめぐる動きを連日報道していますが、外国のメディアは、ごくわずかのメディアが伝えただけでした。それらの報道を紹介しましょう。

中国の『Xinhua(新華社)』通信は、”Japan’s DM urged to quit for remarks made during election campaign”(日本の防衛相、選挙運動期間中に示した見解のために辞任を迫られている)という見出しで、 “Japan’s opposition parties, including the main opposition Democratic Party on Wednesday demanded the resignation of Defense Minister Tomomi Inada for remarks she made using the Self-Defense Forces to promote a specific candidate in the upcoming Tokyo metropolitan assembly election.“ (民進党など日本の野党は、稲田防衛相の辞任を要求した。それは、自衛隊に東京都議会選挙で特定の候補を推薦するような見解を述べたからだ)と報じました。

イギリスの『REUTERS』通信は、”Japan defence minister under fire before key Tokyo poll”(日本の防衛相、東京都議選を前に非難される)という見出しで、”Japanese Prime Minister Shinzo Abe’s government, its rating, slipping over suspicions of favouritism, has suffered a fresh embarrassment when his defence minister made politically sensitive remarks just days ahead of a key local election”(日本の安倍首相の政権は、便宜をはかった嫌疑の問題で支持率が下がっているが、新たな困惑の事態に陥った。それは、重要な地方選挙の前に、政治的に微妙な発言をしたからだ)と報じました。






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906.「共謀罪」法成立に関するニュースの日本と外国の報道比較ー2017.6.18 [政治]

906.「共謀罪」法成立に関するニュースの日本と外国の報道比較―2017.6.18


「共謀罪」法成立に関するニュースについて、日本のメディアと外国のメディアの報道を比較してみました。
外国のメディアの報道は、リードに、必ずといっていいほど、法律の内容や政府・与党の強行採決や反対の動きを盛り込んでいるのが特徴です。
日本のメディアの報道は、リードでは、参議院の本会議の採決が中心で、なにかこうした法案が成立するニュースについてはフォーマットがあるようで、似たり寄ったりの文章になっています。
なお、日本のメディアについては、新聞のニュース本記、解説、社説は、6/15夕刊または6/16朝刊。新聞の順番は、発行部数の多い順。
日本の新聞以外は、すべて電子版によるものです。
このテキストは、6月24日の土曜講座で使用します。


・日本のメディアの報道


『読売』
・ニュース本記―6/15 
見出しーテロ準備罪法成立、277の組織犯罪処罰、参院委省略 徹夜国会 朝に採決
リード-―テロ等準備罪の創設を柱とした改正組織犯罪処罰法は15日朝の参院本会議で、自民、公明、日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。与党は、本会議での採決にあたり、委員会審議・採決を省く「中間報告」の手続きを取った。18日の国会会期末までに確実に成立を期すためだ。民進党など野党4党は14日夜に安倍内閣不信任決議案を衆院に提出するなど強く反発し、与野党の攻防は日をまたいで続いた。
・解説―6/15 不安解消へ さらなる説明必要 / 6/16 スキャナー準備罪法成立、テロ抑止へ一歩、適用には高いハードル、議論深まらぬまま
・社説―6/16 凶行を未然に防ぐ努力続けよ 法に基づいた適正捜査の徹底を

『朝日』
・ニュース本記―6/15
見出しー「共謀罪」法成立。採決強行 自公維賛成、参院本会議、懸念消えぬまま、徹夜の反対 与党一蹴
リードー犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織的犯罪処罰法が15日朝、参院本会議で成立した。自民、公明両党が委員会採決を省略「中間報告」の手続きを使って一方的に参院法務委員会の審議を打ち切り、本会議採決を強行。異例も徹夜国会の末、与党や日本維新の会などの賛成多数で可決した。投票総数235票のうち、賛成が165票、反対が70票だった。 
・解説―6/16 民主主義の後輩した姿 (東京社会部長 長谷川玲) / 「共謀罪」疑問山積み、誰を処罰?範囲あいまい、捜査機関への懸念も残す、警察・検察は評価・「使いづらい」声も
・社説―6/16 「共謀罪」市民が監視を

『毎日』
・ニュース本記―6/15
見出しー「共謀罪」法成立、早朝の審議 採決強行、参院本会議、計画段階で処罰可能、
リードー「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等樹微罪」を新設する改正組織犯罪処罰法は15日朝の参院本会議で採決され、自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。与党は参院法務委員会での採決を省略する異例の「中間報告」を行い、本会議での採決を強行。一般人が対象となるなどを巡り疑問残るなか幕引きを急いだ。
・解説―6/16 運用の監視強めたい (社会部長 磯崎由美)
した。
・社説ー6/16 「共謀罪」法の成立 一層募った乱用への懸念

『日本経済』
・ニュースの本記―6/15
見出しー「共謀罪」法が成立、与党、採決強行、参院本会議、犯罪、準備段階で処罰、自民「会期延長せず」
リードー犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の構成要件を改め「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法が15日朝の参院本会議で自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。徹夜の攻防の末だった。政府・与党は、18日の会期末までに性犯罪を厳罰化する刑法改正案などの成立をめざす。自民党幹部は会期をしない方針を表明した。
・解説―6/16 「共謀罪」法成立、計画・準備行為で処罰、「一般人」曖昧さ残る、国際条約夏にも締結 / チェック機能を鍛えよ (編集委員 坂口祐一)
・社説―6/16 あまりに強引で説明不足ではないか

『産経』
・ニュース本記―6/16
見出しーテロ準備罪法成立、組織犯罪防止条約締結へ、徹夜国会、朝に採決
リードー共謀罪の構成要件を厳格化した「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法が15日の参院本会議で、自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。安倍晋三首相は官邸で記者団に「国民の生命、財産を守るために適切に、効果的に運用していきたい」と語り、組織犯罪やテロに対峙するための国際組織犯罪防止条約(TOC条約)の締結手続きを急ぐ考えを示した。
・解説―6/16 こんな国会で改憲発議できるのか (政治部長 石橋文登)
・主張―6/16 テロ等準備罪法成立、国民を守るための運用を、海外との連携強化に生かせ

『東京』(中日新聞東京本社発行)
・ニュース本記―6/15 (共同通信の記事をそのまま掲載)
見出しー強行「共謀罪」成立、市民処罰恐れ残す、徹夜の攻防 参院で採決
リードー犯罪の合意を処罰する「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法は15日朝の参院本会議で、自民、公明の与党と日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。参院法務委員会での採決を省略し、本会議で「中間報告」を行う異例の手法で、与党が採決を強行した。14日から徹夜の攻防で、反対する野党の抵抗を押し切った。一般市民が処罰対象になる恐れや、内心の自由が侵される恐れが指摘される中、政府は同法を7月11日に施行する方針だ。
・解説―6/16 自由と人権はどこへ (論説主幹 深田実)
・社説―6/16 「共謀罪」法が成立、「私」への侵入を恐れる 

『共同通信』
・ニュースの本記―6/15
見出しー「共謀罪」法が成立、与党、参院本会議で採決強行
リードー犯罪の合意を処罰する「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法は15日朝の参院本会議で、自民、公明の与党と日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。参院法務委員会での採決を省略し、本会議で「中間報告」を行う異例の手法で、与党が採決を強行した。14日から徹夜の攻防で、反対する野党の抵抗を押し切った。一般市民が処罰対象になる恐れや、内心の自由が侵される恐れが指摘される中、政府は同法を7月11日に施行する方針だ。

『時事通信』
・ニュースの本記―6/15
見出しー「共謀罪」法が成立=「中間報告」自公強行―会期延長なしの方針
リードー「共謀罪」の構成要件を改めた「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法は15日朝の参院本会議で、自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。来月にも施行される。与党は参院法務委員会での採決を省略して「中間報告」を行い、野党が反発する中、本会議採決に踏み切った。緊迫した与野党の攻防は14日から夜を徹して続き、与党の採決強行で幕を閉じた。

『NHK』
・ニュースの本記―6/15
見出しー「テロ等準備罪」新設法可決・成立
リードー「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法は、けさ、参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決・成立しました。これにより、一定の要件を満たすことを条件に犯罪の実行前の段階で処罰可能な範囲が広がることになります。


・外国のメディアの報道


アメリカの『CNN(=Cable News Network)』放送
・見出しーJapan accused of stifling freedom with new terror law (日本、新テロ法で自由を抑制すると非難される)
・リードーJapan’s parliament has passed a controversial “anti-conspiracy” bill which critics say could be used to curb civil liberties across the country. The bill, which has been criticized by both the Japanese Bar Association and the United Nations’ Special Rapporteur, was passed early Thursday by Prime Minister Shinzo Abe’s ruling coalition, who hold a majority in the Diet, the nation’s Parliament. (日本の国会は、問題の“反共謀罪法を通過させた。批判的な人たちは、その法律が、日本で市民の自由を制限するのに使われ得るといっている。その法律は、日本弁護士連合会や国連の特別報告者によって批判されているが、日本の議会である国会で過半数を占めている安倍首相の連立政権によって承認された)

イギリスの『BBC(=British Broadcasting Corporation)』放送
・見出しーJapan passes controversial anti-terror conspiracy law(日本、問題の反テロ共謀罪法を承認)
・ガードーJapan’s lawmakers have passed a controversial bill allowing authorities to target terror conspiracies. PM Shinzo Abe’s ruling bloc pushed it through the upper house early Thursday, despite vocal opposition. The government argues the law is needed to improve security ahead of the 2020 Olympics and to comply with a UN agreement Japan has signed. But critics say it weakens civil liberties and could be abused to monitor and target innocent citizens.(日本の国会は、当局がテロ共謀を標的とすることを認める法案を承認した。安倍首相の政権は、声高な反対にもかかわらず、その法案を参議院で強行採決した。政府は、その法律は、2020年のオリンピックに先立って安全保障を改善するためと日本が調印した国連の取り決めに従うために必要だと主張している。しかし、批判的な人たちは、その法律は、市民の自由を弱め、何も知らない市民たちを監視したり、標的にしたりするために乱用される可能性があるといっている)

フランスの『FRANCE24』放送
・見出しーJapanese government forces through anti-terror bill (日本政府、反テロ法案を強行採決)
・リードーJapan’s ruling bloc enacted a law targeting conspiracies to commit terrorism and other serious crimes on Thursday, pushing it through
Parliament’s upper house despite concerns over civil liberties. The vote followed opposition party delaying tactics, protests and concerns raised by a United Nations expert – who called the legislation “defective” – and came days before the current session of parliament was set to end on June18. (日本の与党陣営は、市民の自由をめぐる懸念があるにもかかわらず、テロやその他の重大な犯罪を行おうと共謀することを標的とする法律を国会の参議院で強行採決し、成立させた。 この採決は、野党の牛歩戦術や抗議行動やその法律を”欠陥製品“だと非難した国連の専門家によって提起された懸念が出た後なされたもので、また、6月18日に国会の会期が終わりを迎える直前になされたものだ)

ドイツの『Deutsche Welle』放送
・見出しーJapan anti-terror law prompts protests (日本の反テロ法で抗議起こる)
・リードーBleary-eyed Japanese upper-house lawmakers passed the bill on Thursday morning, after a night of stalled efforts to block the legislation in its tracks. A sizable crowd had assembled the previous day to protest outside parliament. The bill, which criminalizes the planning of 277 different types of crime, was drawn up by the government, which says it is necessary to prevent terrorism ahead of the 2020 Olympic Games. Ruling politicians also say they need the change to comply with a UN treaty on organized crime. (疲れた目の日本の参議院議員たちは、その法案を承認した。それは、その過程で法案を阻止しようと一晩中長く続いた動きのあとで起こった。多くの人々が前夜国会の外で抗議行動を行っていた。その法案は、277の様々な犯罪の計画段階で犯罪と見なすもので、政府が起草したが、2020年のオリンピックに先立ってテロを防ぐために必要だといっている。与党の政治家は、また、国連の組織犯罪防止条約に従うために、そうした改正が必要だといっている)

中国の『Xinhua(新華社)』通信
・見出しー”Japan’s ruling bloc forces enactment of controversial ‘conspiracy’ law”(日本の与党陣営、問題の’共謀罪“法を強行採決)
・リードーControversial legislation to criminalize the planning of serious crimes was enacted by Japan’s parliament on Thursday despite vociferous calls from opposition parties and the public. Prime Minister Shinzo Abe’s ruling coalition used its majority so the amendment to the law could clear a vote in an upper house plenary session after the Abe-led bloc contentiously bypassed an upper house committee vote.(日本の国会は、重大な犯罪の計画段階から犯罪にする問題の法律を野党や民衆の激しい抗議にもかかわらず、成立させた。安倍首相の連立政権は、多数の勢いで、強引に参議院の委員会での採決をしないで、参議院の本会議で強行採決し、その法律の改正を通した)

シンガポールの『The Straits Times』紙
・見出しーJapan ruling bloc pushes through anti-conspiracy bill despite privacy concerns (日本の与党陣営、プライバシー侵害の懸念があるにもかかわらず、反共謀罪法を強行採決)
・リードーJapan on Thursday (June 15) enacted a law that preemptively punishes the organized planning of 277 different crimes from terrorism, drug trafficking to copyright violation, despite mounting concerns over civil liberties. (日本は、テロ、薬物違法売買から著作権侵害に至るまで277のさまざまな犯罪の組織的な計画段階から事前に罰する法律を成立させた。これは、市民の自由を巡る懸念が高まる中で行われたのだ)

中東・カタールの『ALJAZEERA』放送
・見出しーProtests in Japan as anti-conspiracy bill passed – Government claims bill is necessary to tackle crime ahead of 2020 Olympics, but critics say it threatens human rights - (日本で共謀罪法成立で抗議行動)
・リードーJapan’s ruling coalition passed a controversial law on Thursday, targeting conspiracies to commit “terrorism” and other serious crimes. Thousands of people have protested in Tokyo against the law over the past two days. (日本の与党陣営は、“テロ”やその他の重大な犯罪を行う共謀を標的とした法律を成立させた。何千もの人たちが、この2日間この法律に反対する抗議行動を東京で行った)











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802.安倍首相、施政方針演説、代表質問ー2016.9.26-27 [政治]

(a) 日本語のニュース

臨時国会が26日召集され、安倍首相が、所信表明演説を行って経済政策最優先の姿勢を改めて打ち出したのに対し、野党側は、27日代表質問で安倍政権の政策を批判しました。
憲法改正をすべきだとする改憲勢力が衆参両院で3分の2を占めて以来初めての国会で、会期は11月30日までの66日間で、安倍政権は、会期中に、補正予算の早期成立をめざすとともに、TPP=環太平洋経済連携協定の承認と関連法案の成立をはかる方針です。
安倍首相は、衆参両院の本会議で、所信表明演説を行い、「イギリスのEU=欧州連合離脱や新興国経済の失速で、世界経済は、今大きなリスクに直面している」と指摘し、事業規模28兆円規模の経済政策消費税率10%への引き上げ再延期などをあげて、「あらゆる政策を総動員してアベノミックスを一層加速し、デフレからの脱却を目指す」考えを示しました。
安倍首相は、TPP=環太平洋経済連携協定の承認を求める議案について、臨時国会での早期成立をめざす方針を強調しました。
安倍首相は、憲法改正について、「憲法はどうあるべきか、それを決めるのは政府ではなくて国民だ。その案を国民に提示するのは、私たちは、国会議員の責任だ」と述べ、国会の憲法審査会で与野党の議論が深まることに期待を示しました。
国会は、翌27日、安倍首相の所信表明演説に対する各党の代表質問が始まり、最大野党民進党の野田幹事長が、アベノミックスについて、金融緩和が「もう限界だ」と批判するとともに、TPP=環太平洋経済連携協定に反対の姿勢を明確にしました。
野田氏は、TPPは、コメ、麦、砂糖、牛・豚肉、乳製品の農産物5項目の聖域は守られず、自動車分野のメリットも少ない結果に終わった」と指摘し、「攻めるものを攻めきれず、守るものも守り切れていない現在の協定案に反対」だという立場を表明しました。

(b)ニュースの背景

TPP(=Trans-Pacific Partnership free trade agreement)は、環太平洋経済連携協定または環太平洋パートナーシップ協定などといわれています。
もともとTPPは、シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4か国で2006年に発効した自由貿易協定で、2010年アメリカ、オーストラリア、ペルー、ベトナムを加え、8か国で交渉開始、マレーシアの交渉参加で9か国に、2012年メキシコ、カナダの交渉参加で11か国、2013年日本の交渉参加で、合わせて12か国になりました。
TPP交渉は、2015年10月アメリカのジョージア州アトランタで開かれた閣僚会合で大筋合意に達しました。
そして、TPP協定に参加する日本、アメリカなど12か国は、2016年2月ニュージーランドのオークランドで、協定の署名式を行いました。
TPPは、日本やアメリカなど世界のGDP=国内総生産の4割を占める12か国が参加し、アジア太平洋地域での貿易や投資の自由化に加え、サービスや知的財産などのルールを決める包括的な経済連携協定です。
TPP協定の署名によって、2015年10月に大筋合意した協定文が確定し、現在、議会承認などの国内手続きに入っています。協定が発効するためには、2つの段階があります。2年以内に参加する12の国すべてが議会の承認など国内手続きを終えれば、協定は発効することになっています。しかし、2年以内にこうした手続きを終えることができなかった場合には、12か国のGDPの85%以上を占める少なくとも6か国が手続きを終えれば、その時点から60日後に協定が発効することになっています。

日本政府は、2016年3月、TPP=環太平洋経済連携協定の批准に向け、国会の承認を求める議案と関連法案を閣議決定し、国会に提出しました。
TPP協定には、参加国は、95%から100%の品目の関税を撤廃するほか、ビジネスや投資に規制も緩和することになっています。日本は、日本が輸入する農林水産品や工業製品など9321品目のうち、95%に当たる8862品目の関税を撤廃することになっています。
TPPの関連法案は、関連する11本の法律の改正事項を1本の法案に取りまとめたもので、関税が下がって輸入が急増した時の緊急輸入制限(セーフガード)の手続きを定める関税暫定措置法の改正や著作権の保護期間をいまの「作者の死後50年」から「死後70年」に延ばす著作権法の改正などが盛り込まれています。
また、TPP協定の発効には、日本に加えてアメリカの批准が不可欠ですが、アメリカでは、11月に大統領選挙があり、民主党のクリントン候補も共和党のトランプ候補もTPP協定に反対という立場をとっており、議会でも、上下両院で過半数を占める共和党や民主党の一部の議員も反対しており、議会で批准承認が得られるかどうかは不透明な情勢です。

(c) 英語のニュース

Japanese Prime Minister Shinzo Abe says that his government intends to further accelerate his Abenomics policy package to lift Japan out of deflation as quickly as possible through steps including the implementation of a fiscal stimulus package worth more than 28 trillion yen.
In his policy speech before Parliament on Monday, he also asked
both Houses to approve the Trans-Pacific Partnership free trade
agreement during its current extraordinary session which will end on November 30th.
Mr. Abe called on ruling bloc and opposition lawmakers to deepen
discussions on constitutional amendments during the session and stressed the Parliament’s duty to present constitutional reform proposals to the public.
Mr. Abe’s ruling Liberal Democratic Party and other parties in favor of
constitutional revisions now have a two-thirds majority in both Houses, following the Upper House election in July. A two-thirds majority is required in both Houses to make proposals for amending the constitution.
Opposition parties on Tuesday grilled the government on the Abenomics policies and the Trans-Pacific Partnership free trade agreement. Opposition leaders claimed that the Abenomics policies are a failure, particularly in monetary easing. They also expressed opposition to the Trans-Pacific Partnership free trade agreement. They said that the TPP agreement would negatively impact Japan’s agriculture and auto industry and pointed that both candidates for the U.S. presidency and U.S. Congress are opposing the agreement. They added that there is “no reason for Japan to hasten its ratification.”

(d) ニュースの比較研究

臨時国会が召集され、安倍首相の所信表明演説、これについての代表質問のニュースについては、日本のメディアは、詳しく伝えましたが、外国のメディアで報道したのはわずかでした。
それらを紹介しましょう。

アメリカの『AP(=The Associated Press)』は、“Japans leader vows to accelerate economic measures, TPP”(日本のリーダー、TPPなど経済政策の加速を誓う)という見出しで、”Japanese Prime Minister Shinzo Abe pledged Monday to accelerate his mix of policies to prop up Japan’s economic recovery and speed up parliamentary approval of the Trans-Pacific Partnership trade pact. In his policy statement opening the 66-day parliamentary session, Abe outlined an extra set of stimulus measures to help the economic recovery and spur more consumer and corporate spending”(日本の安倍首相は、日本の景気回復をテコ入れし、TPP=環太平洋経済連携協定の国会承認を急ぐために、合成した政策を加速することを約束した。安倍首相は、66日間の国会の会期を開く政策声明の中で、景気回復を助長し、消費者と企業がもっとカネを使うようにするための特別な一連の刺激策の概略を説明した)と報じました。

中国の『Xinhua(新華社)』通信は、”Spotlight: Japan kicks off parliament session with TPP, constitutional change in focus”(焦点:日本、TPP=環太平洋経済連携協定、憲法改正を中心に国会開始)という見出しで、”Japan’s National Diet kicked off a 66-day extraordinary session on Monday, with Prime Minister Shinzo Abe’s economic policies, as well as whether to swiftly ratify the Trans-Pacific Partnership(TPP) trade pact and to change the pacifist Constitution, under the spotlight”(日本の国会は、66日にわたる臨時国会を開始した。焦点は、安倍首相の経済政策、TPP=環太平洋経済連携協定を速やかに批准するかどうか、平和憲法を改正するかどうかである)と報じました。






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796.民進党、蓮舫氏を新代表に選出、女性初ー2016.9.15 [政治]


(a)日本語のニュース

日本の最大野党の民進党は、15日臨時党大会を開き、新しい党代表に蓮舫代表代行を選出しました。
民主党時代を通じて女性が党の代表に就任するのは、蓮舫氏が初めてです。
民進党代表選挙は、国会議員、地方議員、党員・サポーターらが参加して行われ、蓮舫氏が、総数849ポイントのおよそ6割にあたる503ポイントを獲得し、新しい代表に選ばれました。2位が前原誠司元外相で230ポイント、3位が玉木雄一郎国会対策副委員長で116ポイントでした。
蓮舫氏は、48歳、参議院議員で、東京選挙区選出の当選3回。タレントとして活躍し、報道番組のキャスターなどを経て、2004年の参議院選挙で初当選し、民主党政権では行政刷新担当相などをつとめました。民主党時代の昨年1月には、岡田代表の下で、代表代行に就任し、今年3月の民進党結党後も、引き続き代表代行をつとめていました。
蓮舫氏の党代表としての任期は、2019年9月までの3年間です。

(b)ニュースの背景

蓮舫氏は、台湾人の父と日本人の母の間に1967年東京で生まれ、出生時は台湾籍で、後に日本国籍を取得。青山学院大学法学部卒業。在学中からタレントとして活躍、報道番組のキャスターをつとめました。
2004年の参議院選挙で初当選、民主党政権で、内閣府特命担当相として、行政刷新、消費者および食品安全などを担当しました。また、民主党代表代行、民進党代表代行など党の要職もつとめました。

今回の党代表選挙で蓮舫氏の二重国籍問題が取り上げられました。
蓮舫氏は、自身の国籍問題で、これまで日本国籍を取得した17歳の時に台湾籍の放棄を届け出たと説明していましたが、9月13日国会内で記者会見し、「私の台湾籍が残っていた」と述べました。蓮舫氏が台湾当局に確認していたところ、大使館に当たる台北駐日経済文化代表処(東京都港区)から12日夕にその旨連絡があったと説明しました。蓮舫氏は、「いま台湾当局に籍を抜く届け出をしている。手続きが完了すれば確定される」と述べました。
しかし、これは今後かなり問題化するものとみられています。

(c)英語のニュース

Japan’s major opposition Democratic Party has selected its acting president Renho as its new leader.
She is the first woman to head the Democratic Party.
Mrs. Renho, 48-year-old third-term member of the Upper House, beat former Foreign Minister Seiji Maehara and Lower House member Yuichiro Tamaki in the party leadership race.
Mrs. Renho was born to a Taiwanese father and a Japanese mother in 1967. She gained Japanese nationality in 1985 at the age of 17. On Tuesday she apologized for holding dual citizenship, but said that she believed she had renounced her Taiwanese citizenship.
Mrs.Renho first won an Upper House seat in 2004 after working as TV personality and newscaster.
She served as an administrative reform minister when the Democratic Party was in power.
She is to lead the Democratic Party through September 2019.

(d)ニュースの比較研究

蓮舫氏が民進党の代表に選出されたニュースについては、日本のメディアも外国のメディアも大きく伝えていましたが、外国のメディアは、二重国籍の問題と日本では女性の活躍が少なく、女性の党首はめずらしいといったアングルから書いた記事が多かったように思いました。
主なメディアの報道を紹介しましょう。

台湾の『Taipei Times』紙は、”Renho elected party leader in Japan”(蓮舫氏、日本の政党のリーダーに選出)という見出しで、”TAIWAN CONNECTION: Renho, whose dad is Taiwanese, was elected despite a flap caused by her discovery that her ROC citizenship had not been canceled years ago”(台湾関連:台湾人が父親の蓮舫氏は、彼女の中華民国の国籍が何年も取り消されていなかったことを発見して引き起こされた騒ぎにも拘わらず、選出された)と伝えました。

中国の『Xinhua(新華社)』通信は、”Japan’s largest opposition party elects first female leader”(日本の最大野党、初の女性のリーダーを選出)という見出しで、”Japan’s main opposition Democratic Party(DP) elected its first female leader Thursday as 48-year-old former TV newscaster Renho won the leadership election by a large margin”( 日本の最大野党の民進党は最初の女性のリーダーを選出した。これは、48歳の元テレビのニュースキャスターの蓮舫氏が、民進党代表の選挙で大差で勝利を収めたからだ)と報じました。(注:ニュース全体でも台湾籍の問題には触れていません)

アメリカの『The Wall Street Journal』紙は、”Japan’s Democratic Party Elects Renho as New Leader”(日本の民進党、蓮舫氏を新しいリーダーに選出)という見出しで、”Japan’s main opposition Democratic Party on Thursday chose as its new leader a lawmaker whose father was Taiwanese, making her first person with mixed ethnic heritage to head a major political party in Japan”(日本の最大野党の民進党は、新しいリーダーに父親が台湾人である国会議員を選出した。彼女は、人種の混じった遺産を持った日本の最大野党を率いる最初の人物だ)と報じました。

アメリカの『The New York Times』紙は、”Opposition Figure’s Rise Could Pave for Female Leaders in Japan”(野党党首の出現、日本の女性リーダーのための道を開くか)という見出しで、”Among democracies in the developed world, Japan has one of the worst records of putting women in positions of political power. Yet if, as widely predicted, Renho Murata, a member of the upper house of Parliament, prevails in a leadership contest on Thursday and becomes the first woman to lead the opposition Democratic Party, she will be the third woman to assume a high-profile political post in Japan in less two months. In July, Tokyo elected its first female governor, Yuriko Koike, and last month, Prime Minister Shinzo Abe appointed Japan’s second female defense minister, Tomomi Inada.(Ms. Koike was the first) Both are members of Mr. Abe’s conservative party, the Liberal Democrats”(先進国の世界における民主主義国家の中で、日本は、女性を政治権力の地位につけるという点で世界で最も悪い例の1つだ。もし広く予想されているように、参議院議員の村田蓮舫氏が、党首選挙で勝ち、野党民進党の初めての女性リーダーになるなら、この2か月足らずの間で日本の高い政治的地位につく3番目の女性になるだろう。7月東京は、小池百合子氏を最初の都知事に選んだし、先月は、安倍首相は、日本の2番目の女性の防衛相に稲田朋美氏を指名した。(小池氏は最初の女性の防衛相) 2人とも安倍氏の保守政党である自民党のメンバーだ)と報じました。

イギリスの『FINANCIAL TIMES』紙は、”Rising Japanese politician attacked over Taiwanese ancestry”(日本の大活躍の政治家、台湾の家系で攻撃される)という見出しで、”One of the rising stars of Japanese politics has come under pressure to quit the race to become leader of the opposition in a row over her Taiwanese ancestry. Renho Murata – who goes by her first name, Renho – is under attack because Japan forbids dual nationality and she has not formally renounced her Taiwanese citizenship”(日本の政治で大活躍しているスターの一人が、その台湾の家系をめぐる騒ぎで、野党のリーダーを選ぶ選挙から下りるよう圧力をかけられている。村田蓮舫氏(ファースト・ネームで蓮舫氏といっているが)は、日本が二重国籍を禁じており、彼女が、台湾籍を正式に放棄していなかったため、攻撃を受けている)と報じました。

イギリスの『BBC(=British Broadcasting Corporation)』放送は、”Japan’s opposition chooses female, mixed-race leader”(日本の野党、女性で人種の混じったリーダーを選出)という見出しで、”When Renho was elected the first female leader for Japan’s opposition Democratic Party on Thursday, she also broke another glass ceiling. She is the first mixed-race person to hold the position”(蓮舫氏は、日本の野党民進党の初の女性のリーダーに選出され、さらに別のガラスの天井を破った、それは、彼女が、その地位を獲得した最初の人種が混じった人物だからだ)と報じました。



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781.終戦から71年、全国戦没者追悼式ー2016.8.15 [政治]


(a)日本語のニュース

71回目の「終戦の日」を迎えた15日、およそ310万人の戦没者を慰霊する政府主催の全国戦没者追悼式が、東京の武道館で、天皇、皇后両陛下や安倍首相など6000人余りが出席して行われました。
式典は午前11時50分すぎに始まり、安倍首相は、式辞で「戦争の惨禍を決して繰り返さない」と不戦の決意を表明し、「明日を生きる世代のために、希望に満ちた国の未来を切り開いていく」と述べました。
歴代の首相が表明してきたアジア諸国への加害と反省については、第2次安倍政権の発足以来この4年間式辞の中で触れていません。
正午から参列者が黙とうした後、天皇陛下は、お言葉で「過去を顧み、深い反省とともに、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願う」と述べられました。
追悼の対象は、戦死した軍人・軍属およそ230万人と空襲や広島・長崎の原爆投下、沖縄線などで亡くなった民間人およそ80万人、合わせておよそ310万人で、終戦から71年たち遺族は高齢化し、追悼式参列の遺族のうち戦没者の妻は、今回7人で初めて10人を割り込みました。

(b)ニュースの背景

安倍首相が昨年8月戦後70周年にあたって発表した談話は、「わが国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきた」「歴代内閣の立場は、今後も、ゆるぎないものであります」という表現を使い、明示的に確認する形をとりました。これは、有識者グループからの提言、平和主義を党是とする連立与党の公明党の要請、保守政治家としての安倍首相の想いが混在した内容で、閣議決定されたものです。
安倍首相は、今回の式辞では、昨年に続いて「戦争の惨禍を決して繰り返さない」という表現で不戦の決意を示しましたが、歴代の首相が踏襲してきたアジア諸国への「加害」とそれに対する「深い反省」については、4年連続で触れませんでした。

(c)英語のニュース

People in Japan offered prayers for the war-dead on Monday the country marked the 71st anniversary of the end of World War Two.
A government-sponsored ceremony was held in Tokyo attended by about 6,000 people, including the Emperor and Empress, Prime Minister Shinzo Abe and relatives of the victims of the war.
Prime Minister Shinzo Abe said in a speech that people in Japan will never forget that today’s peace and prosperity was built on the sacrifices of the fallen.
He pledged to humbly face history, contribute to global peace and prosperity and strive a society that enriches everyone’s lives.
Participants observed a minute of silence for the 3.1 million war dead.
Then, the Emperor, in his speech, expressed a profound sense of remorse over the war and hoped that the devastation of war will never be repeated. He offered condolence to those who died in the war and prayed for world peace and further progress of Japan.
Fewer close relatives of the war dead are still alive. Wartime widows represented only 0.1 percent of those in attendance.

(d) ニュースの比較研究

政府主催の全国戦没者慰霊追悼式が終戦の日に開かれたニュースについては、毎年恒例で日本のメディアは、大きく報道しましたが、外国のメディアは、わずかにアメリカのメディアが伝えただけでした。
主なメディアの報道を紹介しましょう。

アメリカの『AP(=The Associated Press)』通信は、”Japan marks 71st war-end anniversary, PM avoids war shrine”(日本、71回目の終戦帰任日を迎え、首相、靖国神社参拝避ける)という見出しで、”Japanese Prime Minister Shinzo Abe stayed away from a Tokyo Shrine that honors convicted war criminals among the war dead apparently not to spark controversy from neighboring countries as Japan marked the 71st anniversary of the end of World War II”(日本が第2次世界大戦終結71周年を迎えた時、日本の安倍首相は、隣国から非難されると思われる戦争犯罪人を祀ってある東京の神社への参拝から遠ざかっていた)と報じました。

アメリカの『USA TODAY』紙は、”Japan’s new outspoken defense chief courts controversy”(ずばずばものをいう日本の新しい防衛相、物議をかもす)という見出しで、”Prime Minister Shinzo Abe’s new defense chief already has courted controversy as an outspoken conservative and symbol of Japan’s World War II militaristic heritage after less than two weeks on the job. Perhaps that’s why Abe sought to avoid a new flap involving Defense Minister Tomomi Inada on Monday by sending her 6,000 miles away. While two Cabinet ministers and dozens of conservative leaders visited the controversial Yasukuni Shrine to mark the 71st anniversary of the end of World War II, Inada was inspecting Japanese troops at a remote air base in the Horn of Africa”(安倍首相の新防衛相は、就任して2週間足らずなのに、ずばずばものをいう保守派で日本の第2次世界大戦中の軍国主義の遺産の象徴として、物議をかもしている。恐らくそれは、安倍首相が、稲田防衛相を6000マイル離れたところに派遣することによって、新たな問題が起こるのを避けようとしている理由だ。2人の閣僚と何十人もの保守派の指導者たちが第2次世界大戦の終結71周年を記念して問題の靖国神社に参拝している間に、稲田防衛相は、アフリカの角(アフリカ東部のジプチ)の遠い空軍基地で日本の軍隊を視察していたのだ)と報じました。








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778. 安倍再改造内閣発足ー2016.8.3 [政治]

*2016.8.6の荻窪のテキスト*(775~778)

(a) 日本語のニュース

安倍晋三首相は、3日内閣改造を行い、皇居での認証式を経て第3次安倍再改造内閣を発足させました。
安倍首相は、麻生太郎副首相兼財務相、菅義偉官房長官、石原伸晃経済財政・再生担当相、岸田文雄外相ら経済や外交の要となる主要閣僚を留任させ、経済政策アベノミクスと積極的平和主義に基づく外交路線を引き続き推進していく考えです。
また、防衛相には、将来のリーダー候補として重用してきた自民党政調会長だった稲田朋美氏をあてました。
アベノミクス推進の一環として今回新設された働き方改革担当相は、側近の加藤勝信・一億総活躍担当相に兼務させ、同じく側近の官房副長官だった世耕弘成氏を経済産業相にあてました。
さらに、高市早苗総務相を留任させ、公明党の石井啓一国土交通相も留任させました。
オリンピック・パラリンピック担当相には丸川珠代環境相をあてました。

このあと、安倍首相は、記者会見で、この内閣は、未来チャレンジ内閣で、最優先課題は、経済で、デフレ脱出速度を最大限にしていく考えを強調し、長時間労働の是正や同一労働同一賃金など「働き方改革」の実現に向け、年度内に実行計画を取りまとめる方針を明らかにしました。
また、中国や韓国との関係強化につとめるとともに、日本とロシアの平和条約の締結交渉を着実に進める考えを示しました。
安倍首相は、任期中に憲法改正をめざすが、衆参両院の憲法審査会で政局を考えずに議論を深めていってほしいと述べました。

(b) ニュースの背景

・自民党新執行部(2016.8.2)
総裁―安倍晋三、副総裁―高村正彦、幹事長―二階俊博、総務会長―細田博之。政調会長―茂木敏充、選対委員長―古屋圭司、国対委員長―竹下亘

・今年の政治日程
2016年8月21日 安倍首相、リオ五輪閉会式に出席
     27、28日 安倍首相、ケニアでアフリカ開発会議(TICAD)に出席
   9月2、3日安倍首相訪ロ、ウラジオストクで、プーチン大統領と会談
     4、5日安倍首相、中国・杭州で開かれるG20=主要20か国・地域首脳会議に出席
     6~8日安倍首相、ラオスで東アジア首脳会議などに出席
     中旬 臨時国会召集(2016年度第2次補正予算案、消費税増税延期の関連法案、TPP関連        法案、衆参両院の憲法審査会を開催)
   10月23日 衆院東京10区、衆院福岡6区の補欠選挙投開票
   11月19、20日安倍首相、ペルーで開かれるAPEC=アジア太平洋経済協力会議首脳会議に出席

(c)英語のニュース

Japanese Prime Minister Shinzo Abe has reshuffled his Cabinet, retaining key Cabinet ministers to continue work for his economic policies called Abenomics and foreign policies.
The retained members include Deputy Prime Minister and Finance Minister Taro Aso, Chief Cabinet Secretary Yoshihide Suga, Minister for Economic Revitalization Nobuteru Ishihara and Foreign Minister Fumio Kishida.
Mr. Katsunobu Kato ,remains as the minister for promoting the active engagement of all citizens in society. Mr. Abe has also tasked him Cabinet’s work.with a new portfolio to tackle challenges in working habits and practices in the country, such as curbing long work hours.
Internal Affairs and Communications Minister Sanae Takaichi and Minister of Health, Labor and Welfare Yasuhisa Shonozaki retained their posts.
Ms. Tomomi Inada, chairman of the Policy Research Council of the ruling Liberal Democratic Party, was appointed Defense Minister.
Environment Minister Tamayo Marukawa was named Minister in charge of the Tokyo Olympic and Paralympic Games.

Later, Prime Minister Abe said at a news conference that his new cabinet is one to take on the challenges for the future and that the economy is top priority in his new cabinet’s work.
He said that his government will mobilize all policy measures to quickly pull the country out of deflation.
Mr. Abe also said that the biggest challenge is to reform the working conditions and practices in Japan. He went on to say that his government will curb long working hours and realize equal pay for equal work as well as eliminate the term “non-regular employee”.
The Prime Minister expressed his eagerness to revise the Constitution by the end of his term as president of the ruling Liberal Democratic Party now expected for September in 2018.

(d)ニュースの比較研究

安倍再改造内閣発足のニュースについては、日本のメディアは、内閣の各メンバーと安倍首相の記者会見を大きく報道していましたが、外国のメディアは、特に稲田防衛相に注目して報道していました。
主なメディアの報道を紹介しましょう。

中国の『Xinhua(新華社)』通信は、”News Analysis: Abe appoints ultra-right wing “hawk” Inada as new DM to push military agenda”(ニュース分析: 安倍首相、極右派“タカ派”の稲田氏を軍事的課題を推進するために防衛相に指名)という見出しで、”Japanese Prime Minister Shinzo Abe’s appointment of Tomomi Inada as defense minister following a cabinet reshuffle on Wednesday has underscored his intention to forge ahead with a controversial push to mend the nation’s pacifist Constitution and further expand the scope of the nation’s military, observers here have said”(東京の観測筋によれば、日本の安倍首相が、内閣改造で稲田朋美氏を防衛相に指名したことは、日本の平和憲法を改正し、日本の軍隊の範囲をさらに拡大しようとする問題になっている力で推進しようとする安倍首相の意志を特徴づけるものなのだ)と報じました。

アメリカの『The Wall Street Journal』紙は、”Abe Protégé With Nationalist Views Is Japan’s New Defense Minister – Tomomi Inada won the defense post in a cabinet reshuffle on Wednesday”(国家主義的な考えを持った安倍首相の弟子が、新防衛相にー稲田朋美氏、内閣改造で防衛相のポストを勝ち得た)という見出しで、”Prime Minister Shinzo Abe named a new defense minister known for her nationalist views, giving a protégé a job that could help her advance in government. Tomomi Inada, 57 years old, won the defense post in a cabinet reshuffle following a victory by Mr. Abe’s ruling coalition in parliamentary election last month”(安倍首相は、国家主義的な考えで知られている防衛相を任命した。これによって、政府内で出世する仕事を弟子に与えることになるのだ。稲田朋美氏は、57歳で、安倍首相の連立政権が先月の議会選挙で勝利を収めた後に行われた内閣改造で、防衛相のポストを勝ち得たのだ)と報じました。

イギリスの『REUTERS』通信は、”Japan’s PM picks hawkish defense minister for new cabinet, vows economic recovery!(日本の首相、新閣僚にタカ派の防衛相任命、景気回復を誓う)という見出しで、”Japanese Prime Minister Shinzo Abe appointed a conservative ally as defense minister in a cabinet reshuffle on Wednesday that left most key posts unchanged and he promised to hasten the economy’s escape from deflation and boost regional ties”(日本の安倍首相は、内閣改造で保守派の協力者を防衛相に任命した。その内閣改造では、ほとんどの主要閣僚は留任した。そして、安倍首相は、日本経済がデフレから脱却するのを急ぐことと地方を活性化することを誓った)と報じました。

ドイツの『Deutsche Welle』放送は、”Japan PM appoints nationalist to defense post in cabinet reshuffle”(日本の首相、内閣改造で防衛相に国家主義者任命)という見出しで、”Japan’s Prime Minister has appointed conservative Tomomi as defense minister in a limited cabinet reshuffle. Inada’s revisionist views of WWII history could unsettle relations with neighbors China and South Korea”(日本の首相は、限定的な内閣改造で保守派の稲田朋美氏を防衛相に任命した。稲田氏の第2次世界大戦史に関する修正主義的な見方は、隣国の中国や韓国との関係を不安定なものにする可能性がある)と報じました。










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775.小池百合子氏、東京都知事に就任ー2016.8.2 [政治]

*2016.8.6の荻窪のテキスト*(775~778)

(a)日本語のニュース

東京都知事選挙で当選した元防衛相の小池百合子氏が、2日、初めての女性都知事として就任しました。
小池氏は、2日初登庁し、職員への訓示で、「まず都政の透明化、情報公開で都政への信頼を回復したい。なによりも都民ファーストに徹していただきたい」の述べ、政治とカネの問題で2代続けて都知事が任期途中で退任したことから、都政の改革を強調しました。
31日行われた東京都知事選挙で、小池百合子氏=64歳は、無所属で、政党の枠を超えて幅広い有権者の支持を得て、無所属で自民、公明などが推薦した元総務相の増田寛也氏=64歳や無所属で民進、共産などが推薦したジャーナリストの鳥越俊太郎氏=76歳などを破って当選を果たしたものです。
開票結果は、小池氏が、およそ291万票、増田氏がおよそ179万票、鳥越氏がおよそ134万票で、小池氏は、増田氏を110万票余り引き離して当選しました。
投票率は、59.73%で、前回2年前の投票率を13.59%上回りました。
今後の都政の課題としては、待機児童対策や介護問題、首都直下地震の対応、2020年のオリンピック・パラリンピックの費用負担や準備態勢などが山積していて、小池新都知事は、これらの問題と取り組むことになります。

(b)ニュースの背景

小池百合子氏は、1952年兵庫県生まれで64歳。エジプトのカイロ大学を卒業後、テレビのニュースキャスターなどを経て、1992年の参議院選挙で当時の日本新党から立候補して初当選、翌1993年衆議院議員に転じ、今回東京都知事選挙に立候補するまで8年間連続で衆議院議員をつとめました。この間、日本新党から新進党、自由党、保守党を経て、2002年自民党入りし、2003年小泉第2次改造内閣で環境相として初入閣し、地球温暖化対策を進めるため、「クールビズ」の旗振り役をつとめました。2007年第1次安倍内閣で防衛相に就任し、防衛庁時代を含めて女性で初めて防衛省のトップに立ちました。2010年には、女性初の自民党3役として総務会長に就任しました。2016年8月初の女性都知事として就任。

(c)英語のニュース

Tokyo’s new governor, Ms. Yuriko Koike, has assumed the post, following her victory in Sunday’s gubernatorial election.
The 64-year-old former environmental and defense minister, is the first female governor of Tokyo.
Ms. Koike defied her party, the main ruling Liberal Democratic Party, by running as an independent. She defeated her rival Mr. Hiroya Masuda, a former internal affairs minister, backed by the ruling coalition parties LDP and Komeito by more than 1 million votes. Journalist Shuntaro Torigoe, placed third supported by four opposition parties, including the Democratic Party and the Communist Party.
The voter turnout was 59.73 percent, up from 46.14 percent in the previous governor’s race in 2014.
Ms. Koike has promised to alleviate the chronic shortage of day care and nursing facilities and beef up disaster preparedness in the quake-prone capital. She said she will study how to rein in the ballooning costs of the 2020 Tokyo Olympics.

(d)ニュースの比較研究

小池百合子氏が東京都知事に当選したニュースについては、日本のメディアは、投開票の7月31日午後8時ほぼ投票締め切りと同時くらいに出口調査をもとに一斉に当選確実を報じました。外国のメディアもこのニュースを報道していました。
主なアメリカのメディアの報道を紹介しましょう。

『The New York Times』紙は、”Tokyo Elects Yuriko Koike as Its First Female Governor”(東京、小池百合子氏を初の女性知事に選出)という見出しで、”Yuriko Koike, a conservative former defense minister of Japan, became the first woman elected governor of Tokyo on Sunday, handily winning a vote to replace the city’s previous chief executive after he fell to a financial scandal”(日本の保守派の元防衛相の小池百合子氏は、初の女性の東京都知事に選出された。金銭スキャンダルの後辞任した前任者の後任を決める選挙で楽勝したのだ)と報じました。

『The Wall Street Journal』紙は、”Yuriko Koike Elected Governor of Tokyo, First Woman in Post – Former defense minister ran as an independent, turnout was high at 59%”(小池百合子氏、初の女性東京都知事に選出―元防衛相、無所属で立候補、投票率高く59%)という見出しで、”Former Defense Minister Yuriko Koike on Sunday was elected governor of Tokyo, becoming the first woman in the post and taking the helm four years before the city plays host to the 2020 Summer Olympic Games. Ms. Koike, 64-year-old, is a member of parliament from Prime Minister Shinzo Abe’s ruling Liberal Democratic Party, but she failed to get the party’s endorsement and ran as an independent”(元防衛相の小池百合子氏は、東京都知事に選出され、女性初の都知事になり、東京都が2020年の夏のオリンピックを主催する4年前にその舵取りをすることになった。小池氏は、64歳で、安倍首相の与党の自由民主党の国会議員だが、党の推薦を得られず、無所属で立候補したのだ)と報じました。

『The Washington Post 』紙は、”Tokyo elects first woman governor to tackle Olympic-size tasks”(東京、初の女性都知事を選出、オリンピック級の大きさの課題に取り組む)という見出しで、”Tokyo has elected its first woman governor, choosing Yuriko Koike, an English-speaking former defense minister who once compared herself to Hillary Clinton, to lead the Japanese capital into the next Olympic Games”(東京は、初の女性都知事を選出した、小池百合子氏で、英語を話す元防衛相で、かつては、ヒラリー・クリントンに例えられ、次回のオリンピックまで日本の首都を引っ張っていく人物なのだ)と報じました。

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767.参院選で改憲派3分の2超えるー2016.7.11 [政治]

*2016.7.16の荻窪のテキスト*(767~769)

(a)日本語のニュース

10日行われた参議院選挙で、与党の自民、公明両党が改選議席121議席の過半数を上回る70議席を獲得し、さらに両党を含め憲法改正に前向きな勢力は、憲法改正の発議に必要な3分の2の議席を確保しました。
参議院は、定数が242議席で、任期が6年、3年ごとに半数の121議席が改選されます。今回の選挙で、各党が選挙区と比例代表で合わせて獲得した議席は、自民党が56議席、公明党が14議席、与党の両党合わせて70議席、野党の民進党が32議席、おおさか維新の会が7議席、共産党が6議席、生活の党が1議席、無所属が4議席となっています。
この結果、自民、公明両党は、改選議席の過半数の61議席を上回る70議席を獲得し、さらに両党とおおさか維新の会やそのほかの憲法改正に前向きな議員をあわせると改憲勢力は、77議席で、非改選を含めると、憲法改正の発議に必要な参議院全体の3分の2を超える議席を占めることになりました。
なお、定数476議席の衆議院では、自民、公明、おおさか維新の会の3党で、すでに全議席の3分の2の317議席を超えています。
今回の選挙の投票率は、54.70%で、過去4番目の低さでした。
11日、自民党総裁の安倍首相と公明党の山口代表が会談し、憲法改正の問題については、衆参両院の憲法審査会で、議論を深め、幅広い合意を模索していく方針を確認しました。
また、安倍首相は、記者会見で、今回の選挙では有権者からアベノミックスを加速するようにという信任をいただいたとし、新たな大型の経済政策を推進していく方針を明らかにしました。

(b)ニュースの背景

安倍政権の歩み
安倍政権の自民、公明両党は、2012年と2014年の衆議院選挙で、2013年と2016年の参議院選挙で勝利を収めたことになります。
2012年12月の衆議院選挙で、自民、公明両党は、3分の2以上の議席を獲得して民主党から政権を奪還しました。2013年の参議院選挙でも、両党は、過半数を確保しました。安倍政権は、国家機密情報の管理徹底を目的とする特定秘密保護法を成立させ、集団的自衛権の行使を容認するための憲法解釈の変更を閣議決定しました。日中関係は、尖閣諸島問題や安倍首相の靖国神社参拝によって一層冷え込み、日韓関係も歴史認識の問題などで悪化しました。
安倍首相は、2015年10月に予定していた消費増税の延期の是非を問うと称して、2014年11月衆議院を解散し、総選挙を行い、自民、公明両党が再び3分の2以上の議席を獲得しました。
2015年4月、安倍首相は、アメリカ議会で演説し、安保法制の整備によって自衛隊と米軍の協力関係が強化され、日米関係は一層強固になると述べ、安保関連法案を同年夏までに成立させると明言しました。安倍政権は、5月に法案を通常国会に提出しましたが、法案審議が停滞したため、国会の会期を戦後最長となる95日間延長しました。全国各地では、安保関連法案の廃案を求める大規模なデモが連日のように行われ、法案は、9月ようやく参議院本会議で可決、成立しました。
2015年9月行われた自民党総裁選挙で安倍首相の続投が決まりました。総裁任期は、2018年9月までです。さっそく、安倍首相は、改造内閣に目玉として、1億総活躍担当相を新設し、アベノミックスの「新3本の矢」として、GDP=国内総生産600兆円、希望出生率1.8の実現、介護離職ゼロの目標を掲げました。
安倍首相は、2016年5月G7=主要国首脳会議=伊勢志摩サミットを開催し、議長をつとめました。サミットが終わった直後、6月に記者会見を開き、消費増税を再び先送りし、2017年4月に予定していた消費税率8%から10%への引き上げを2019年10月まで再延期することを表明し、参議院選挙を7月10日に行うと発表し、増税延期について選挙で国民の信を問うと述べました。

憲法改正
日本国憲法は、1946年公布、1947年施行されて以来、一度も改正されていません。憲法改正は、衆議院100人以上、参議院50人以上の議員の賛成で原案が発議され、両院それぞれの本会議で総議員の3分の2以上の賛成で可決して、国会が国民に憲法改正を発議し、発議の日から60~180日に国民投票(投票権は18歳以上)を行い、有効投票の過半数の賛成を得て承認されます。
憲法改正をめぐる動きについては、2000年衆参両院に憲法審査会が設立され、国会議員による憲法のあり方をめぐる話し合いが始まっていますし、2007年第1次安倍内閣の時、憲法改正のための国民投票法が成立しています。2012年第2次安倍内閣が成立、憲法改正を目標に掲げています。
安倍首相は、6月21日、日本記者クラブ主催の与野党9党による党首討論会で、憲法改正の国会発議に必要な3分の2の勢力を参議院選挙後の衆参両院の憲法審査会の議論を通じて形成したいという考えを表明しました。これに対して民進党の岡田代表は、安倍政権下で憲法改正の議論を進めることに慎重な考えを示し、共産党の志位委員長も安倍政権による憲法改正に反対を表明しました。

(c)英語のニュース

Japan’s ruling Liberal Democratic Party and its coalition partner, Komeito, have scored a sweeping victory in Sunday’s Upper House election, which cleared a path for reform of the Constitution.
The Liberal Democratic Party took 56 of the 121 contested seats – half of all 242 seats in the Upper House – and Komeito gained 14 seats. The opposition Democratic Party obtained 32 seats, Osaka Ishin no Kai 7 seats and the Communist Party 6 seats.
The LDP-Komeito coalition has now 70 seats, retaining a majority. Together with the uncontested seats, the coalition – plus several other lawmakers and parties in favor of revising the Constitution - now accounts for two-thirds of the Upper House. The coalition has already held more than two-thirds of the seats in the Lower House. That level of support in both chambers is needed to call a national referendum on any proposed amendments to the Constitution.
Prime Minister Shinzo Abe has told reporters that debate will take place at the Commissions on the Constitution in both Houses, beginning in September.
He also said that the results of the election represent a mandate from voters for the government to vigorously press ahead with his economic policies, called Abenomics.

(d)ニュースの比較研究

参議院選挙のニュースについては、日本のメディアも外国のメディアも、改憲勢力が3分2を超えた点に注目して報道していました。
主なメディアの報道を紹介しましょう。

アメリカの『The New York Times』紙は、”Japan Vote Strengthens Shinzo Abe’s Goal to Change Constitution”(日本の選挙の投票、安倍首相の憲法改正の目標を強化)という見出しで、”Voters helped Prime Minister Shinzo Abe of Japan move closer on Sunday to securing the lawmaker support he needs to revise a pacifist Constitution that has been in place since American occupiers created in 1947”(選挙の有権者たちは、日本の安倍首相が、アメリカの占領者たちが1947年に創った平和憲法を改正するために必要としている国会議員の支持を確保するのにより近づくのを助けた)と報じました。

アメリカの『The Wall Street Journal』紙は、”In Japan Election, Voters Learn to Love the One They’re With – Shinzo Ab is regarded as a pair of relatively safe hands, delivering stability after a string of hapless leaders”(日本の選挙で、有権者たちは、共にいる1人の人を愛していることを知る -安倍首相は、1連の不運なリーダーの後で、安定さをもたらす比較的安全な人物とみなされている) という見出しで、”In a world rocked by destabilizing political passions, Japan is an island unto itself. In elections Sunday, early results showed Prime Minister Shinzo Abe’s ruling coalition expanded its control of parliament and might have a big enough majority to try revising the constitution. Already in power for 3 1/2 years, Mr. Abe looks likely to stay on until at least 2018”(不安定な政治的熱情によって激震が走った世界で、日本だけが島国のままだ。選挙結果は、安倍首相の連立政権は、議会での支配を拡大し、憲法を改正しようとするのに十分な過半数を持っている。安倍首相は、すでに3年半政権の座にあって、さらに少なくとも2018年まで居座り続けるようにみえる)と報じました。

イギリスの『BBC(=British Broadcasting Corporation)』放送は、”Japan PM Shinzo Abe claims victory in parliamentary election”(日本の安倍首相、議会選挙で勝利宣言)という見出しで、2Japanese Prime Minister Shinzo Abe has claimed victory in an election for the upper house of parliament, saying voters backed his economic policies”(日本の安倍首相は、議会の上院の選挙で勝利を宣言し、有権者は、自らの経済政策を支持したのだと述べた)と報じました。

ドイツの『Deutsche Welle』放送は、”Japan PM’s party set to win two-thirds needed to change constitution”(日本の首相の政党、憲法改正に必要な3分の2獲得へ)という見出しで、”Prime Minister Shinzo Abe’s Liberal Democratic Party and its junior coalition partner, Komeito, have claimed victory in an upper house election. The coalition and allied parties have won the two-thirds “super majority” needed to enable them to begin revising Japan’s pacifist postwar constitution”
(安倍首相の自民党と連合政権を組んでいる公明党は、上院選挙での勝利を宣言した。連合政権とその他の政党は、日本の戦後の平和憲法を改正するのに必要な”超過半数“を獲得した)と報じました。

中国の『Xinhua(新華社)』通信は、”Commentary: Abe’s victory in Upper House election threat to Japan, regional stability” (解説:安倍首相の上院選挙での勝利、日本や地域の安定にとって脅威)という見出しで、”The Japanese ruling camp led by Prime Minister Shinzo Abe has won a majority in Sunday’s upper house election, which means Abe’s coalition and like-minded parties managed to take the two-thirds majority needed to try to revise the nation’s post-war pacific Constitution.
The victory, though came as no surprise to the public, could pose a danger to Japan and regional stability, as it means Prime Minister Shinzo Abe will snatch more power and put Japan’s Constitution in jeopardy”(安倍首相に率いられた日本の政権は、上院の選挙で過半数を獲得した。このことは、安倍連立政権とそれに似た政党が、日本の戦後の平和憲法を改正するのに必要な3分の2を制したことになるのだ、この勝利は、日本の有権者にとっては驚きではなかったが、日本や地域の安定にとって危険なことである。というのは、安倍首相が、より強い権力を掌握し、日本の憲法を危険な状態に置くことになるからだ)と報じました

















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755.参議院選挙、きょう公示、7月10日投票へー2016.6.22 [政治]

*2016.6.25の阿佐谷のテキスト*(753、755、756、他に「英EU離脱」席上配布)

(a)日本語のニュース

第24回参議院選挙が、22日公示され、7月10日の投票に向けて、18日間の本格的な選挙戦に入りました。
参議院議員は、任期が6年で、3年ごとに定数242人のうち半数の121人が改選されます。今回の選挙は、選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げて行われる初めての国政選挙です。
改選議席数は、選挙区73、比例代表48の合計121で、立候補者は、およそ390人です。
焦点は、与党の自民、公明両党が目標としている改選議席数の過半数の61議席を獲得できるかどうか、さらには、与党など憲法改正を目指す勢力で、改正の発議に必要な参議院全体の3分の2にあたる162議席を獲得するために、今回の改選で78議席を勝ち取ることができるかどうかです。
選挙戦では、安倍政権の経済政策であるアベノミックスの是非、それに憲法改正や安全保障のあり方などをめぐって激しい論戦がかわされるものとみられ、7月10日の投票日に向けて18日間の選挙戦が繰り広げられることになります。

(b)ニュースの背景

憲法改正

日本国憲法は、1946年公布、1947年施行されて以来、一度も改正されていません。憲法改正は、衆議院100人以上、参議院50人以上の議員の賛成で原案が発議され、両院それぞれの本会議で総議員の3分の2以上の賛成で可決して、国会が国民に憲法改正を発議し、発議の日から60~180日に国民投票(投票権は18歳以上)を行い、有効投票の過半数の賛成を得て承認されます。
憲法改正をめぐる動きについては、2000年衆参両院に憲法調査会が設立され、国会議員による憲法のあり方をめぐる話し合いが始まっていますし、2007年第1次安倍内閣の時、憲法改正のための国民投票法が成立しています。2012年第2次安倍内閣が成立、憲法改正を目標に掲げています。
安倍首相は、6月21日、日本記者クラブ主催の与野党9党による党首討論会で、憲法改正の国会発議に必要な3分の2の勢力を参議院選挙後の衆参両院の憲法調査会の議論を通じて形成したいという考えを表明しました。これに対して民進党の岡田代表は、安倍政権下で憲法改正の議論を進めることに慎重な考えを示し、共産党の志位委員長も安倍政権による憲法改正に反対を表明しました。

(c)英語のニュース

Official campaigning has begun for Japan’s Upper House election on July 10th. 
Half of the 242 Upper House seats are at stake every 3 years. The term of the Upper House members is 6 years.
Prime Minister Shinzo Abe’s ruling Liberal Democratic Party and its coalition partner, Komeito, aim to win a majority of seats contested this time. That’s 61 of the 121 seats up for grabs. Opposition parties intend to block the move.
It will be the first nationwide election since Japan lowered the voting age from 20 to 18.
The official campaign will continue for 18 days until July 9th, a day before the vote.
Prime Minister Abe has defended his economic policy, called ‘Abenomics’ and stressed the need for amending the Constitution, while opposition parties criticized Mr. Abe’s policies. Mr. Abe needs the support of more than two-thirds of both houses of parliament to amend the Constitution. His ruling coalition has already had the required number in the Lower House. He said he wants to discuss amending the Constitution in the next parliamentary session after the Upper House election. In order to make an amendment, a national referendum is needed.

(d) ニュースの比較研究

参議院選挙きょう公示、7月10日投票に向けて本格的選挙運動開始のニュースについては、日本のメディアは、前日の党首討論会から報道堂していますが、外国のメディアは、あまり関心を示していません。
主なメディアの報道を紹介しましょう。

アメリカの『AP(=Associated Press)』通信は、”Japan election campaign kicks off, voting age lowered to 18”(日本の選挙運動開始、投票年齢18歳に引き下げ)という見出しで、”Japan’s parliamentary election campaign kicked off Wednesday in the first nationwide balloting after the voting age was lowered to 18 from 20. Up for grabs in the July 10 vote are 121 seats, or half of the seats in Parliament’s less powerful upper house”(日本の議会の選挙運動が、投票年齢を20歳から18歳に引き下げた後初めての全国的な投票に向けて開始した。7月10日の投票では、議会の中でより力のない上院の議席のうち半数の121議席が争われる)と報じました。

イギリスの『REUTERS』通信は、”Japan upper house poll campaign begins, Abe’s ruling bloc leads”(日本の下院の選挙運動開始、安倍首相の与党陣営リード)という見出しで、”Campaigning for an election to Japan’s upper house of parliament began on Wednesday, as surveys give Prime Minister Shinzo Abe’s ruling bloc the lead, despite doubts about his growth policies and desire to revise the post-war pacifist constitution”(日本の議会の上院の選挙運動が始まった。世論調査によれば、安倍首相の与党陣営が、彼の成長政策や彼の戦後の平和憲法改正の意欲に関して疑義が存在するにも関わらず、リードしているのだ)と報じました。

シンガポールの『The Straits Times』紙は、”Campaigning for Japan polls starts”(日本の選挙運動スタート)という見出しで、”Official campaigning for elections to Japan’s Upper House of Parliament began today. Political parties are targeting young voters in their campaign pledge for the election set for July 10, in response to a revised law, which came into effect on Sunday that lowered the country’s minimum voting age from 20 to 18”(日本の議会の下院の公式の選挙運動が始まった。各政党は、7月10日の選挙に向けての選挙公約で若者の有権者に目標を絞っている。というのは、公職選挙法が改正されて有効になり、、最低の投票年齢が20歳から18歳に引き下げられたからだ)と報じました。





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752.東京都の舛添知事辞職ー2016.6.15 [政治]

(a) 日本語のニュース

東京都の舛添知事は、15日、政治資金流用疑惑などをめぐる一連の問題で、都議会が不信任決議案を全会一致で可決することが確実になったため、都政を混乱させた責任をとって、自ら辞職することを決め、都議会議長に辞職願を提出しました。これを受けて、都議会は、21日付けで辞職することを正式に承認しました。
舛添氏をめぐっては、今年3月頃から週刊誌報道をきっかけに、高額な海外出張費や公用車を使った毎週末の別荘通いが問題視されました。その後、参議院議員時代から政治資金を家族旅行や私的な飲食、美術品購入などにあてていたことが明るみにでました。舛添氏は、海外出張でのファーストクラスやスイートルームの使用を取りやめると発表し、政治資金の私的流用では、元検事の弁護士に調査を依頼し、「不適切だが違法性はない」との調査報告を公表しました。
しかし、舛添氏に対する批判は収まらず、都議会では、野党を中心に辞職を求める声が高まってきました。舛添氏は、知事として続投する意欲をみせていましたが、与党の自民、公明両党を含む都議会の全会派が一致して不信任決議案を提出したことで、辞職に追い込まれたものです。
舛添氏は、2014年2月の東京都知事選挙で自民、公明両党の支持を得て初当選し、就任からおよそ2年4か月で、前任の猪瀬直樹氏に続いて、2代にわたって都知事が「政治とカネ」の問題で辞職することになりました。後任の都知事を選ぶ選挙は、7月31日に行われる予定です。

(b)ニュースの焦点

舛添東京都知事をめぐる一連の動き

2016年3月~5月―週刊誌報道で、公用車での別荘通いや家族旅行への政治資金の支出などが発覚
    5月13日―都知事、定例記者会見で、政治資金の私的流用などで謝罪
    5月20日―都知事、定例記者会見で、複数の弁護士に調査を依頼すると発表
    5月25日―元検事の弁護士による調査開始
    6月1日―都知事、都議会で謝罪、高級ホテルの宿泊やファーストクラスの使用をやめるこ        となどを表明
    6月6日―弁護士による調査報告書を公表、家族を伴った113万円の宿泊費や飲食費などを         「不適切」としましたが、全ての支出を「違法性はない」と結論
    6月7、8日―都議会で代表質問、一般質問で、与野党議員が追及、都知事は、「第三者の目          で厳しく調査していただいた」という答弁を繰り返す
    6月13日―都知事、都議会総務委員会の集中審議で、リオ・オリンピックまで進退の猶予を         求める、給与の全額返上を表明
    6月15日―都議会の全会派が一致して不信任決議案を議会運営委員会に提出、都知事、辞職         願を提出

(c) 英語のニュース

Tokyo Governor Yoichi Masuzoe has submitted his resignation over a political funds scandal The Tokyo Metropolitan Assembly immediately approved his offer to resign on Tuesday next week.
This came after a no-confidence motion, submitted by all parties in the assembly, became certain to be approved at Wednesday’s session.
Mr. Masuzoe has been accused of using political funds for private purposes. He has been under a chorus of calls for stepping down to take responsibility for his allocation of political funds for covering the costs of private wining and dining and stays at a hotel, his heavy spending on overseas trips on duty, and his use of an official car for many weekend trips to his villa
An election to choose the next Tokyo governor is now expected to be held on July 31st.

(d)ニュースの比較研究

東京都の舛添知事の「政治とカネ」をめぐるニュースについては、日本のメディアは、連日報道していましたが、外国のメディアもどの国でもスキャンダルとして報道していました。
主なメディアの報道を紹介しましょう。

アメリカの『The New York Times』紙は、”Tokyo Governor, Yoichi Masuzoe, to Resign Over Spending Scandal”(東京都知事舛添要一氏、金銭スキャンダルで辞職へ)という見出しで、The governor of Tokyo said on Wednesday that he would resign, after he admitted charging taxpayers and political donors for personal travel and entertainment, setting off a public furor”(東京都知事は、納税者や政治献金者に彼の個人の旅行やエンターティンメントにカネを使ったことを認め、国民の怒りを買った後で辞職すると発表した)と報じました。
また、"・・・If anything, the public's antagonism appears to have deepened. The word that has perhaps been most frequently used to describe the episode is sekoi, meaning cheap or petty.・・・"(もしそうなら、大衆の反目は、さらに深まったようにみえる。エピソードを伝えるのにほとんどしばしば使われた言葉は、「セコイ」で、安いとかけちなという意味だ)と伝えました。

アメリカの『The Wall Street Journal』紙は、”Tokyo Governor Offers to Resign Over Inappropriate Spending – Yoichi Masuzoe recorded family stays at a resort hotel, among other things, as political activities”(東京都知事、不適切な支出をめぐって辞職を申し出―舛添要一氏、リゾート・ホテルの家族の滞在費などを政治活動費として届け出)という見出しで、”Tokyo Gov. Yoichi Masuzoe submitted his resignation Wednesday over allegations that he used public funds for personal expenses, creating another disruption as the city prepares to host the 2020 Olympic Games”(東京都知事の舛添要一氏は、公金を個人的な支出のために使ったという疑惑で辞職願を提出した。このことは、東京が2020年のオリンッピックを主催する準備を進めている中で。さらなる混乱を招くことになる)と報じました。

イギリスの『Financial Times』紙は、“Tokyo governor Yoichi Masuzoe resigns over expenses scandal”(東京都の舛添要一知事、金銭スキャンダルで辞職)という見出しで、”The governor of Tokyo has resigned after accusations he used public money to pay for family holidays and artworks, the latest scandal to strike preparations for the 2020 Olympic Games” (東京都知事は、公金を家族の休日や美術品のために使ったという疑惑が出た後辞職した。これは、2020年のオリンピックのための準備に打撃を与えるような新たなスキャンダルだ)と報じました。

イギリスの『BBC(=British Broadcasting Corporation)』放送は、”Tokyo Governor Yoichi Masuzoe resigns over spending scandal”(東京都の舛添要一知事、金銭スキャンダルで辞職)という見出しで、”The governor of Tokyo has said he is standing down amid spending scandal, Japanese media report. Yoichi Masuzoe has faced fierce criticism over allegations he used official funds to pay for holidays, art and comic books for his children”(日本のメディアが報道したところによると、東京都知事は、金銭スキャンダルで辞(任すると述べた、舛添要一氏は、公金を休日や美術や子どもたちのためにコミックを購入したという疑惑で厳しい批判をあびた)と報じました。

フランスの『AFP(=Agence France Presse)』通信は、”Tokyo Governor Submits Resignation Over Spending Scandal”(東京都知事、金銭スキャンダルで辞職願提出)という見出しで、”Tokyo’s governor submitted his resignation on Wednesday after being criticized over lavish personal spending and faced with a no-confidence vote in the local assembly, reports said”(報道によると、東京都知事は、豪勢な個人的支出をめぐって批判をあび、都議会で不信任案の投票を直前にして、辞職願を提出した)と報じました。

ドイツの『Deutche Welle』放送は、”Tokyo 2020 Olympics face another setback after governor resigns over expenses”(2020年の東京オリンピック、都知事の金銭問題で辞職後、再び新たな後退に直面)という見出しで、”The governor of Tokyo, Yoichi Masuzoe, has submitted his resignation after coming under fire for his inappropriate use of tax money. His departure is the latest in a series of scandals ahead of the 2020 Olympics”(東京都の舛添要一知事は、税金の不適切な使用で批判をあびた後で、辞職願を提出した)と報じました。

中東・カタールの『ALJAZEERA』放送は、”Tokyo’s Yoichi Masuzoe resigns over ‘misuse of funds – Governor Yoichi Masuzoe accused of using public money for family trips, expensive hotels and artwork”(東京都の舛添要一知事、’資金の誤用‘で辞職―舛添知事は、公金を家族旅行、豪華ホテル、美術品に使ったと非難されていた)という見出しで、”The governor of Tokyo has submitted his resignation after weeks of pressure on him to step down over allegations of misusing public funds”(東京都知事は、公金を誤用した疑いで辞職するよう何週間にもわたって圧力を受けた後、辞職願を提出した)と報じました。

中国の『Xinhua(新華社)』通信は、”Tokyo assembly accepts disgraced governor’s resignation over funds scandal”(東京都議会、信用を失った都知事の金銭スキャンダルをめぐる辞職願を受理)という見出しで、”The Tokyo assembly accepted the resignation of Tokyo Governor Yoichi Masuzoe on Wednesday evening following his involvement in a fund scandal, with his departure coming into effect next Tuesday”(東京都議会は、金銭スキャンダルに関与した舛添要一都知事の21日付けの辞職願を受理した)と報じました。



























  

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