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302,G7、通貨安競争回避を確認ー2013.5.11 [経済、国際全般]

(a)日本語のニュース

ロンドン郊外で開かれていたG7=主要先進7か国の財務相・中央銀行総裁会議は、11日閉幕し、財政・金融政策は、国内の景気回復などを目標とし、自国通貨を安く誘導する通貨安競争は回避するという方針を確認しました。
これは、議長国のイギリスのオズボーン財務相が会議後の記者会見で明らかにしたもので、各国は、円安の加速で、日本に関心が集まり、日本の政策をめぐる議論が活発に行われたということです。
会議で、日本銀行の黒田総裁は、最近の日本銀行の大胆な金融緩和策について、「15年続いたデフレから脱却するという国内の目的に資する」ものだと説明し、会議後の記者会見では、麻生財務相が、「日銀の金融緩和や円安に対して批判的意見はなかった」と述べました。

(b)ニュースの背景

G7財務相・中央銀行総裁会議というのは、G7(Group of Seven)のアメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、日本の主要先進7か国の財務相と中央銀行(日本の場合は日本銀行)総裁による会議のことで、国際通貨・金融情勢の変動の対応策などについて協議してきました。
会議は、必要に応じて開かれてきましたが、今回は、日銀の大胆な金融緩和策が発表され、円安ドル高が進み、1ドル=100円台を突破した中で開かれ、各国が日本の金融政策について、デフレ脱却という国内の経済目的のためで、円安を誘導するためではないという日銀の説明を受け入れるかどうかかが焦点でしたが、一応各国とも容認したと伝えられています。

(c)英語のニュース

The Group of Seven leading industrialized nations have reaffirmed their commitment to refrain from competitive currency devaluations through monetary policies.
This came at a meeting of G7 finance ministers and central bank governors in the suburbs of London on Saturday, as the U.S. dollar surged above 100 yen, its highest level against the Japanese yen since October, 2008.
Afterwards,British Finance Minister George Osborne, who chaired the two-day meeting, told newsmen that the G7 delegates reaffirmed their statement in February saying that monetary policy should be directed at supporting domestic economies and should not target exchange rates for competitive purposes.
Ban of Japan Governor Haruhiko Kuroda said that he believes the G7 now has a clear understanding that the Bank of Japan's monetary easing policy is aimed at ending Japan's 15 years of deflation, not at manipulating exchange rates.
Japanese Finance Minister Taro Ao said that none of the G7 delegates had complained about the Bank of Japan's monetary easing or the yen's resulting weakness.

(d) ニュースの比較研究

G7=先進7か国財務相・中央銀行総裁会議のニュースについては、日本のメディアは、財務相・日銀総裁の記者会見や日本側のブリーフィングに基づいて、日本の金融政策は各国の理解を得て、批判はなかったというトーンの報道でした。これに対して、欧米のメディアは、ニュアンスが違っていて、日本は批判を免れたという報道が多かったということができます。
主なアメリカとイギリスのメディアの報道を紹介しましょう。

イギリスの『REUTERS』通信は、"G7 to press on with bank reforms, Japan escapes censure"(G7、銀行改革推進、日本、非難免れる)という見出しで、"Group of Seven finance officials agreed on Saturday to redouble efforts to deal with failing banks and gave a green light to Japan's drive to galvanize its economy"(G7の財政当局者は、破たんしかかっている銀行に対処するのに一層努力することで合意し、日本の経済を刺激する政策を容認した)と報じました。

イギリスの『BBC(=British Broadcasting Corporation)』放送は、"Osborne:G7 agree to target tax evasion and avoidance"(オズボーン英財務相、G7、脱税対策を目標とすることで合意)という見出しで、"The G7 group of industrialised nations have agreed that there must be collective acion against
tax evasion and avoidance, the UK's finance minister has said"(イギリスの財務相が明らかにしたところによると、G7=先進7か国は、脱税に反対してまとまった行動をとらなければならないということで一致した)と報じました。

アメリカの『The Wall Street Journal』紙は、"G-7 Vows to Avoid Currency Manipulation"(G7、通貨操作を回避することを誓う)という見出しで、"The Group of Seven leading industrial nations on Saturday reaffirmed their commitments to refrain from deliberately weakening currencies through monetary policies"(G7主要先進国は、金融政策を通して通貨を故意に安くすることはやらないという約束を再確認した)と報じました。

アメリカの『The New York Times』紙は、"Global Financial Leaders Avoid Public Rift With Japan"(世界的な財政のリーダー、日本との亀裂の表面化を回避)という見出しで、"Finance ministers from leading global economies on Saturday avoided a public rift with Japan over policies driving down the value of its currency, while keeping up pressure on Germany to help lift growth in Europe"(世界の経済大国の財務相たちは、日本の円の価値を引き下げる政策をめぐって、日本との亀裂が表面化するのを避けた、一方で、ドイツに対しては、ヨーロッパにおける経済成長を引き上げるのを支援するよう圧力をかけ続けた)と報じました。

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255.G20、通貨安競争を回避と共同声明ー2013.2.16 [経済、国際全般]

(a)日本語のニュース

モスクワで開かれていたG20=20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議は、16日、「通貨の切り下げ競争を回避する」ことを明記した共同声明を発表して閉幕しました。
これは、先進国が輸出を有利にするために通貨を安く誘導しないよう求めたもので、日本が安倍政権の経済政策「アベノミックス」による積極的な金融緩和の提唱で、円安が比較的速いスピードで進んでいることに参加国からの批判が集まるのではないかとみられていた中で発表されたものです。
しかし、共同声明では、日本が円安を誘導しているという名指しの指摘は避けられた形になりました。
G20の会議では、日本からは、麻生太郎副総理兼財務・金融相と白川方明日本銀行総裁が出席し、安倍政権の経済政策「アベノミックス」が大胆な金融政策を柱の一つとし、目的は、デフレ脱却という国内問題の解決にあり、円安誘導ではないと説明しました。
麻生財務相は、会議終了後の記者会見で「各国からも日本の政策に理解が得られた」と述べました。
しかし、日本としては、参加国の中にある為替誘導との懸念や批判を払しょくするためにも、成長戦略など具体的な政策を早期に実行に移し、実体経済を上向かせることが課題になります。

(b)ニュースの背景

G20(Group of 20)は、世界経済で主要な20の国と地域のことで、世界的な経済の安定と成長をはかるための国際会議をひらいています。サミット(首脳会議)と財務相・中央銀行総裁会議があります。G20のメンバーは、G7(Group of 7 主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議)のアメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ、日本と新興国のロシア、中国、韓国、インド、インドネシア、オーストラリア、トルコ、サウジアラビア、南アフリカ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチンとEU(the European Union 欧州連合)です。

(c)英語のニュース

The Group of 20 countries have agreed that they will seek to avoid competitive devaluation,
This was contained in a joint statement issued in Moscow on Saturday at the end of a two-day meeting attended by finance ministers and central bank governors from G20 countries.
This came after some countries expressed concerns over Japanese Prime Minister Shinzo Abe's policy of pursuing drastic monetary easing that has caused the yen's rapid depression.
However, the joint statment did not single out Japan as a currency manipulator. It stipulated that the G20 countries will not target the exchange rates for competitive purposes.
The joint statement said that monetary policies should be directed toward domestic price stabilization and supporting the economic recovery.

(d)ニュースの比較研究

モスクワで開かれたG20の財務相・中央銀行総裁会議が共同声明を発表して閉幕したニュースについて、日本のメディアは、通貨安競争回避を明記し、日本の円安誘導批判はしなかったとして、各国が日本の政策に一定の理解を示したと報道していました。一方、外国のメディアは、今回の会議は、日本に対する批判は避けたが、それは今回の会議だけでの話であり、そうした批判は変わらないと報道しているのが対照的でした。
世界の代表的なメディアの報道を紹介しましょう。

アメリカの『The Wall Street Journal』紙は、"Japan Escapes Censure at G-20、But Tensions remain”(日本、G20で非難から逃れるが、緊張は依然として続く)という見出しで、"Japan managed to avoid open criticism of its currency policy at meetings of the world's largest economies over the weekend, but there were signs that tensions remained"(日本は、この週末世界最大の経済大国の会議で、日本の通貨政策についての公開の批判をかろうじて避けることができたが、緊張は依然として残っているようにみえる)と伝えました。

イギリスの『REUTERS』通信は、"G20 steps back from currency brink, heat off Japan"(G20、通貨の瀬戸際から逃れ、日本を非難せず)という見出しで、"The Group of 20 nations declared on Saturday there would be no currency war and deferred plans to set new debt-cutting targets, underlining broad concern about the fragile state of the world economy"(G20の国々は、通貨戦争はしないと宣言し、新たな債務削減目標を設定する計画を延期し、世界経済の脆弱な情勢に関する広範な関心を強調した)と報じました。

ドイツの『Deutche Welle(ドイチェベーレ)』放送は、"G20 nations to speak out against currency war"(G20諸国、通貨戦争に反対表明)という見出しで、"The world's 20 largest economies have reportedly strengthened language in a darft communique speaking out against a feared currency war. But the group has so far failed to set new targets for debt reduction. The Group of 20(G20) was working Saturday on a pledge to prevent the competitive devaluation of their currencies, after Japan had depreciated the yen by some 20 percent"(世界の20の経済大国は、恐れられている通貨戦争に対して反対する言葉をコミュニケの中で強めたと伝えられている。しかし、G20は、これまでのところ、新たな債務削減目標を設定していない。G20は、日本が円を約20%切り下げた後、通貨の競争的な引き下げと避ける誓いについて作業していた)と報じています。






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