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772.ソフトバンク、英半導体設計会社ARMホールディングスを3.3兆円で買収ー2016.7.19 [経済、国際ーヨーロッパ]

*2016.7.23の阿佐谷のテキスト*(770、772~774)

(a) 日本語ニュース

日本の通信大手のソフトバンクグループは、18日、イギリスに本社を置く世界的な半導体設計会社ARM=アームホールディングスをおよそ240億ポンド、3兆3000億円で買収すると発表しました。
これは、日本企業による外国企業の買収では、過去最大のものです。
ソフトバンクは、スマートフォン用CPU=中央演算処理装置などに広く使われるアームの半導体技術を取り込み、あらゆるものをインターネットでつなぐ新しい技術IoT
の事業を強化することがねらいだとしています。
ソフトバンクは、買収額のうち7割にあたる167億ポンドは、手元資金から拠出するとしています。中国のネット通販大手アリババ集団などの保有株を立て続けに売却して得たおよそ2兆円が元手となり、残る73億ポンドは、新規の借り入れ金をあて、大手銀行と最大1兆円のつなぎ融資契約を結んだと説明しています。
ソフトバンクは、アームの強みは、導入コストの安さと消費電力の低さだとし、自動車や家電、インフラ機器などがネットでつながれば、スマートフォンで築いたシェアを生かし、IoT技術が一段の成長を促すと期待しています。

(b) ニュースの背景

IoTは、Internet of Thingsの頭文字で、モノのインターネットと訳されています。これは、パソコンやスマートフォンだけでなく、家電や家具など、いろいろなモノがネットにつながることで、使い道が増え、便利になる世界が訪れ始めているのです。ネット経由で集められたモノの情報を活用したビジネスにも注目が集まっています。
メールやSNSなどで人と人とのつながりを変えたインターネットがIoTの登場で、モノとモノがつながる新しい段階に進んでいるのです。たとえば、家電では、テレビでネットの動画がみられるし、洗濯機やエアコンを家の外から操作することも可能になります。体重計や運動靴とスマートフォンをつないで、体調管理や運動のアドバイスを受けることもできます。ベッドについたセンサーが寝ている時の体温や脈拍、呼吸を測ることで体調を管理することも可能になります。
IoTを使うと、企業は、リアルタイムで状況を把握し、利用状況に応じたきめ細かいサービスの提供や利用者の手を煩わせずに製品価値を向上させる新しいビジネスを展開できるようになります。さらに、ビッグデータといわれる膨大なデータを解析する技術やデータをもとに自らが考える人工頭脳の開発も盛んになっています。

(c) 英語のニュース

Japanese telecommunication company, SoftBank, has announced that it will buy a major British semiconductor developer, ARM Holdings for 31 billion U.S. dollars or 3.3 trillion yen.
This is the largest takeover of an overseas business by a Japanese company.
SoftBank said that it will pursue business opportunities being created by emerging Internet of Things product network.

(d) ニュースの比較研究

ソフトバンクがイギリスのARMホールディングスを3.3兆円で買収するというニュースについては、驚きをもって受け止められ、日本のメディアも外国のメディアも報道していました。
主なメディアの報道を紹介しましょう。

イギリスの『BBC(=British Broadcasting Corporation)』放送は、”ARM chipmaker to be bought for £24bn by Japan’s Softbank”(ARM半導体メーカー、日本のソフトバンクによって240億ポンドで買収へ)という見出しで、”UK technology firm ARM Holdings is to be bought by Japan’s Softbank for £24bn($32bn)it confirmed on Monday. The board of ARM is expected to recommend shareholders accept the offer – which is around a 43% premium on its closing market value of £16.8bn on Friday”(イギリスの技術関係の会社ARMホールディングスは、日本のソフトバンクによって240億ポンド、320億ドルで買収されることを確認した。ARMの理事会は、168億ポンドの15日の終値に43%のプレミアムを上乗せするという提案を株主たちに受け入れるよう勧告することになっている)と報じました。

イギリスの『REUTERS』通信は、”Softbank made formal approach to ARM after Brexit vote”(ソフトバンク、イギリスのEU=欧州連合からの離脱が国民投票で決まった後で、ARMに正式に接近)という見出しで、”Japan’s SoftBank made its formal approach to buy UK chip designer ARM after Britain voted to leave the European Union on June 23”(日本のソフトバンクは、イギリスが6月23日EU=欧州連合からの離脱することを国民投票で決めた後で、イギリスの半導体設計会社ARMを買収したいと正式に接近した)と報じました。

アメリカの『The Wall Street Journal』紙は、”SoftBank to buy ARM Holdings for More Than $32 Billion”(ソフトバンク、ARMホールディングスを320億ドルで買収へ)という見出しで、”U.K.-based chip designer ARM Holdings PLC confirmed Monday that it agreed to a buyout offer worth more than $32 billion from SoftBank Group Corp., marking a significant push for the Japanese telecommunications giant into the mobile internet”(イギリスに本社がある半導体設計会社ARMホールディングスPLC(株式公開会社)は、ソフトバンクグループからの320億ドル以上の買収提案に合意したことを確認した。このことは、日本の大手通信会社(ソフトバンク)がモバイル・インターネットに大きく乗り出していくことを示している)と報じました。























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