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853. 最高裁、辺野古訴訟で国の勝訴の判決ー2016.12.20 [政治―防衛、社会―裁判]


(a) 日本語のニュース

沖縄県宜野湾市にあるアメリカ軍普天間基地の移設先とされる名護市辺野古沿岸部の埋め立ての承認をめぐって、国が沖縄県を訴えた裁判で、最高裁判所は、20日、沖縄県の翁長知事が承認を取り消したのは、違法だとする判決を言い渡し、県側の敗訴が確定しました。これを受けて、政府は、中断している埋め立て工事を近く再開する方針です、
辺野古移設に必要な沿岸部の埋め立ては、2013年に前の仲井間知事が国の申請を承認しましたが、2014年11月の県知事選挙で移設反対を訴えた翁長氏が、仲井間氏を破って当選し、2015年10月埋め立て承認を取り消しました。国は、取り消しを撤回するよう是正指示を出しましたが、翁長知事が応じなかったため、従わないことは違法であることの確認を求め、福岡高等裁判所那覇支部に提訴しました。2016年9月県知事が敗訴、県知事が上告していました。
最高裁は、20日の判決で、前の知事は、普天間基地の危険性除去を喫緊の課題と位置づけ、辺野古沿岸部の埋め立てによって住宅地の上空の飛行が避けられることなどを考慮していたと指摘し、環境への影響も検討した上で埋め立てを承認しており、「判断の過程や内容に不合理な点はない」と判断しました。
その上で、翁長知事による承認取り消しは、「問題のない前の知事の承認を取り消したもので違法だ」と結論づけました。
辺野古移設をめぐる訴訟で、司法の判断が確定したのは、今回の判決が初めてです。
これについて、菅官房長官は、記者会見で、「国の主張が最高裁判所によって全面的に受け入れられたものと考える、わが国は、法治国家であり、政府としては、沖縄県と協力して普天間基地の辺野古移設を進めていく」と述べました。
一方、翁長知事は、あらゆる手段で移設を阻止する考えを示していて、国と県の今後の対応が注目されます。

(b)ニュースの背景

普天間基地(=普天間飛行場)は、沖縄本島南部の宜野湾市(ぎのわんし)中心部の人口密集地域にあり、”世界で一番危険な飛行場”といわれています。アメリカ海兵隊が駐屯していて、沖縄のアメリカ軍の拠点の一つです。
1995年アメリカ兵による沖縄の少女暴行事件が起こり、沖縄で大規模な抗議集会が開かれ、翌1996年日米両国政府は、5~7年の間に普天間基地を日本に返還することで合意しました。ただし、返還は、代替施設が運用可能になった後とされ、1997年名護市辺野古を移転先とすることを決定しました。
2012年12月安倍政権が発足し、2013年2月安倍首相とオバマ大統領の日米首脳会談が行われ、辺野古移設を早期に進めることで一致しました。これを受けて、沖縄県の仲井真知事は、名護市辺野古のキャンプシュワブ沿岸の埋め立て申請を承認しました。2014年に入って、移設予定地のキャンプシュワブ内の施設解体工事が始まりました。
しかし、2014年11月に行われた沖縄県知事選挙で、無所属で前の那覇市長の翁長氏が、自民党などが推薦していた現職の仲井真知事を破って当選を果たしました。翁長氏は、選挙期間中、辺野古への移設計画に強く反対し、県外、国外の移設を主張していました。
翁長県知事が2015年10月辺野古埋め立て申請承認を取り消しました。国と県は相互に合わせて3件の訴訟をおこしましたが、今年3月にはいったん和解が成立しました。しかし、その後も再び法廷で争う事態になり、今年9月福岡高裁那覇支部は、「普天間基地の騒音被害を取り除くには辺野古沖に移設するしかなく、埋め立てを承認した前の知事の判断に不合理な点はない」と国の訴えを認め、承認の取り消しは違法だとする判決を言い渡しました。
これに対して、沖縄県が上告し、最高裁が、今回の判決を下したものです。

(c)英語のニュース

Japan’s Supreme Court has ruled in favor of the central government against Okinawa Prefecture in their dispute over the planned relocation of a U.S. Marine Corps air base within the southern prefecture.
The top court turned down an appeal filed by the Governor of Okinawa Prefecture, Mr. Takeshi Onaga, upholding a high court ruling in favor of the state.
Mr. Onaga revoked a landfill permit given by his predecessor to build an alternative facility for the U.S> Marine Corps Futenma Air Station off the Henoko district in Nago City.
Mr. Onaga said that he is deeply disappointed at Tuesday’s ruling and expressed his determination to do all he can to stop the relocation.
The central government is now expected to resume work to relocate the Futenma air base.

(d)ニュースの比較研究
最高裁が辺野古訴訟で国勝訴の判決のニュースについては、日本のメディアは、大きく報道しましたが、外国のメディアは、伝えていません。

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846. 辺野古訴訟、国が勝訴へー2016.12.12 [政治―防衛、社会―裁判]


(a) 日本語のニュース

沖縄県宜野湾市(ぎのわんし)にあるアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設計画をめぐって国が県を相手に起こした訴訟で、最高裁判所は、県知事の対応を違法とした高等裁判所の判決を維持し、国の勝訴が確定する見通しです。
これは、最高裁が12日判決日を20日に指定し、関係者に通知しましたが、その際、高裁の判決を変更するために必要な弁論を開かずに判決を言い渡すことを決めたためです。
辺野古への移設をめぐっては、前の仲井真(なかいま)県知事が2013年12月に国の申請を承認しましたが、「辺野古移設反対」を掲げて当選した翁長(おなが)知事が昨年10月承認を取り消しました。国と県は相互に合わせて3件の訴訟をおこしましたが、今年3月にはいったん和解が成立しました。しかし、その後も再び法廷で争う事態になり、今年9月福岡高裁那覇支部は、「普天間基地の騒音被害を取り除くには辺野古沖に移設するしかなく、埋め立てを承認した前の知事の判断に不合理な点はない」と国の訴えを認め、承認の取り消しは違法だとする判決を言い渡しました。
これに対して、沖縄県が上告し、最高裁は、今月20日に判決を言い渡すことになったものです。

(b) ニュースの背景

普天間基地(=普天間飛行場)は、沖縄本島南部の宜野湾市(ぎのわんし)中心部の人口密集地域にあり、”世界で一番危険な飛行場”といわれています。アメリカ海兵隊が駐屯していて、沖縄のアメリカ軍の拠点の一つです。
1995年アメリカ兵による沖縄の少女暴行事件が起こり、沖縄で大規模な抗議集会が開かれ、翌1996年日米両国政府は、5~7年の間に普天間基地を日本に返還することで合意しました。ただし、返還は、代替施設が運用可能になった後とされ、1997年名護市辺野古を移転先とすることを決定しました。
2012年12月安倍政権が発足し、2013年2月安倍首相とオバマ大統領の日米首脳会談が行われ、辺野古移設を早期に進めることで一致しました。これを受けて、沖縄県の仲井真知事は、名護市辺野古のキャンプシュワブ沿岸の埋め立て申請を承認しました。2014年に入って、移設予定地のキャンプシュワブ内の施設解体工事が始まりました。
しかし、2014年11月に行われた沖縄県知事選挙で、無所属で前の那覇市長の翁長氏が、自民党などが推薦していた現職の仲井真知事を破って当選を果たしました。翁長氏は、選挙期間中、辺野古への移設計画に強く反対し、県外、国外の移設を主張していました。

(c) 英語のニュース

Japan’s Supreme Court is seen confirming the central government’s victory in a lawsuit over the planned relocation of a U.S, base within the Okinawa Prefecture.
The lawsuit was filed by the central government in July as the Governor of Okinawa Prefecture, Mr. Takeshi Onaga, sought to block the relocation of U.S. Marine Corps Air Station Futenma from a crowded residential area in Ginowan City to the less-populated Henoko coastal area of Nago City.
The Supreme Court decided to issue its judgment on the suit on December 20th. It is likely to maintain the high court ruling in favor of the central government as no pleading session is scheduled. Justices usually hold a hearing when they reverse a lower court ruling.
The central government has maintained that the relocation plan is the only solution for removing the dangers to the civilian population posed by the Futenma base without undermining the deterrence of the Japan-US alliance. Mr Onaga and many people in Okinawa want the base to be relocated outside the prefecture.

(d) ニュースの比較研究

最高裁、辺野古訴訟で国の勝訴へのニュースについては、日本のメディアは、いずれも報道しましたが、が印刻のメディアは伝えていません





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844. 最高裁、厚木基地訴訟で自衛隊機の飛行差し止め認めずー2016.12.8 [政治―防衛、社会―裁判]


(a) 日本語のニュース

アメリカ軍と自衛隊が共同で使用する神奈川県にある厚木基地の周辺の住民が騒音の被害を訴えた裁判で、最高裁判所は、8日、2審で認められた自衛隊機の飛行差し止めと将来の被害の賠償を認めない判決を言い渡しました。一方、過去の被害に対するおよそ82億円の賠償は確定しました。
最高裁は、判決で、「自衛隊機の運航には高度の公共性や公益性があり、住民の被害は軽視できないものの、飛行の自主規制や防音工事への助成が行われていることなどを総合的に考慮すれば、自衛隊機の運航が著しく妥当性を欠くと認めるのは困難だ」として、飛行の差し止めは認めませんでした。
また、騒音被害については、将来の被害の分まで賠償を認めるのは、過去の判例に違反するとして、2審で認められた賠償のうち、将来の被害の分が取り消され、2審が終結した時までの分としておよそ82億円の賠償が確定しました。この分については、国がすでに支払っています、
今回の訴訟では、住民は、アメリカ軍機の飛行差し止めも求めましたが、最高裁は、審理の対象とせず、訴えを退けた二審の判決が確定しました。
厚木基地周辺の住民およそ7000人が原告となった今回の訴訟では、一審の判決が夜間・早朝の午後10時から午前6時までの自衛隊機の飛行差し止めを初めて認め、二審も「騒音被害は深刻」だとして差し止めを維持していました。
今回の判決は、5人の裁判官全員一致の意見で、各地の同様の基地騒音訴訟にも影響するものとみられています。

(b) ニュースの背景

アメリカ軍機や自衛隊機の騒音被害をめぐっては、1975年に石川県の小松基地の周辺住民が訴訟を起こして以来、東京の横田基地、沖縄県の嘉手納基地、同県の普天間基地、山口県の岩国基地、そして今回の神奈川県の厚木基地で集団訴訟が相次いでいます。いずれも過去分の損害賠償は認められていますが、飛行差し止め命令が確定した判決は一つもありません。
今回の訴訟では、住民側が求めたアメリカ軍機の飛行差し止めについては、最高裁は、審理の対象とせず、訴えを退けた二審の判決が確定しました。
アメリカ軍機をめぐっては、日米両国は、午後10時から午前6時までの飛行を制限することで合意していますが、「アメリカ軍の運用上必要なもの」は、例外とされ、実態としては夜間飛行が繰り返されてきています。
現在日米両政府は、2017年ころ厚木基地の艦載機59機を岩国基地に移す計画を進めています。

(c)英語のニュース

Japan's Supreme Court has overturned a high court ruling that the state suspend nighttime and early morning flights of Self-Defense Force aircraft at Atsugi air base near Tokyo due to noise pollution.
It made the ruling on Thursday on a suit by a group of some 7,000 people living near the Atsugi base in Kanagawa Prefecture.
The Supreme Court awarded the plaintiffs a total of some 8.2 billion yen, or 72 million dollars in damages made in the past for noise. But, it rejected future damages ordered by the high court, saying they go against past ruling.
The Supreme Court’s ruling is expected to affect 5 similar suits filed elsewhere in Japan.

(d)ニュースの比較研究

最高裁が厚木基地訴訟で自衛隊機飛行差し止めを認めなかった判決のニュースについては、日本のメディアは、大きく詳しく伝えましたが、外国のメディアは、いまのところ報道していません。
 

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