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35.国連の地球温暖化防止会議COP17閉幕ー2011.12.11 [国際ー国連]

*2011.12.17のサロンのテキスト*

(a) 日本語のニュース

南アフリカで開かれていた国連の地球温暖化防止対策を話し合う会議COP17は、11日先進国だけに温室効果ガスの削減を義務づけた京都議定書を期限が切れた後の2013年以降も継続することやこれに代わる新たな枠組みを作って、2020年から発効させることなどで合意に達し閉幕しました。
国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議=COP17は、南アフリカのダーバンで、11月28日から2週間にわたって行われ、2012年末で期限の切れる京都議定書のあとの新しい枠組みをどうするかについて議論を重ねてきました。しかし、各国の意見が激しく対立し合意があやぶまれていましたが、11日ようやく合意に達したものです。
その合意によりますと、先進国だけに温室効果ガスの削減を義務づけた今の京都議定書を2012年末の期限が切れた後も継続することになりました。しかし、何年間継続するかについては意見が対立したままで、その決定は見送られました。2013年以降の継続については、EU=ヨーロッパ連合などは引き続きけ継続しますが、日本は、ロシアやカナダとともに、アメリカや中国などが参加していない今の京都議定書には意味がないとして、2013年以降については継続しないことにしています。
また、今回の会議の合意では、京都議定書に代わる新しい枠組み作りについて、今後の工程表として、2015年までに交渉を終わらせ、2020年から発効させることになっています。
2012年にカタールのドーハで開かれるCOP18の会議では、新しい枠組みが、アメリカ、中国、インドなどすべての国が参加し、法的拘束力のあるものになるのかどうかについて、かなり激しい議論が行われるものと予想されています。

(b) ニュースの背景

・地球温暖化(global warming)というのは、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの増加によって、地球の気温が上昇して、自然や生活環境にいろいろな悪い影響がでてくる現象のことで、地球環境問題の中で最も重要な問題になっています。
・温室効果ガス(greenhouse gas)というのは、普通太陽の熱と同じ量の熱が地表から赤外線として宇宙に放射されることで大気の温度はバランスを保っていますが、この赤外線を一部吸収してしまうガスのことで、二酸化炭素、メタン、代替フロンなどがあり、これらの濃度が高まると気温が上昇します。特に二酸化炭素は、石油などを燃やすと発生し、多くは、現在の巨大化・高度化した経済活動によってもたらされているといわれています。
・国連気候変動枠組条約(United Nations Framework Convention on Climate Change 地球温暖化防止条約ともいう)というのは、気候に影響を及ぼさない水準での温室効果ガス濃度の安定化を最終目標に定めた条約で、1994年に発効。この条約に基づいて開かれている会議を国連気候変動枠組締約国会議(COP=Conference of Parties) といいます。
・京都議定書(Kyoto Protocol)というのは、1997年京都のCOP3で採択された国際的な取り決めで、温室効果ガスを2008年から2012年の間に先進国の締約国全体で1990年に比べて5%以上削減することを目標とし、国別では日本が6%、アメリカが7%、EU(=European Union ヨーロッパ連合)が8%などを定めました。しかし、その後アメリカは、2001年民主党政権から共和党政権に代わり、アメリカ経済への影響を懸念し、京都議定書から離脱してしまいました。
・ポスト京都議定書(a new anti-global warming framework)とは、京都議定書が2012年末で期限が切れたあとの新しい地球温暖化防止対策の枠組みのことで、毎年COPの会議が開かれ協議していますが、意見の対立がきびしく、まだ決まってません。課題は、温室効果ガスを大量に排出していて、今の京都議定書の排出量規制には参加していないアメリカ、中国、インドを含むあらゆる国をどのように参加させるのか、各国の排出量をどのように規制するのかなどで、議論は難航しています。

(c) 英語のニュース

United Nations climate talks have agreed on a proposal for a new anti-global warming framework.
The agreement was reached at the UN Framework Convention on Climate Change,COP17,which ended in Durban, South Africa on Sunday.
The proposal says that the Kyoto Protocol, which set greenhouse gas reduction targets only for industrialized countries, will be extended after its expiration at the end of 2012.
The proposal also says that delegates to COP will work for a new framework to replace the Kyoto Protocol and that they will conclude negotiations by 2015 and a new framework will go into effect in 2020.
The delegates say that a new framework will be aimed at tackling greenhouse gas emissions including major emitters China and the Unite States.
They will continue discussions at COP18 in Doha, Qatar in 2012

(d) ニュースに比較研究

国連気候変動枠組締約国会議COP17のニュースは、地球温暖化防止のために温室効果ガスの排出量をいかにして減らしていくのか世界的な課題であることもあって、各国のメディアは、COP17の会議の模様を逐次報道しました。アメリカ、イギリス、中国の代表的な通信社の報道を紹介しましょう。

アメリカの通信社『AP(=Associated Press)』は、"Climate conference approves landmark deal"(気候に関する会議、目標の取り決めを承認)という見出しで、"A U.N. climate conference reached a hard-fought agreement Sunday on a complex and far-reaching program meant to set a new course for the global fight against climate change for the coming decades"(国連の気候に関する会議は、これから何十年間の気候変動に対する地球規模の戦いのための新しいコースを設定する、複雑で広範囲のプログラムについて難航の末合意に達した)と報じました。

イギリスの通信社『Reuters』は、"New U.N. climate deal struck"(新しい国連の気候に関する取り決め、難航”という見出しで、"Countries from around the globe agreed on Sunday to forge a new deal forcing all the biggest polluters for the first time to limit greenhouse gas emissions, but critics said the plan was too timid to slow global warming"(世界中の国々は、温室効果ガス排出を制限するために初めて最大の排出国を含む新しい取り決めを推進することで合意した。しかし、その計画は、地球温暖化を緩和するには、あまりにも微力なものとみられる)と報じました。

中国の通信社『Xinhua(新華社)』は、"COP17 agrees on second commitment period of Kyoto Protocol"(COP17、京都議定書の第2の約束期間で合意)という見出しで、"After an extra day's hard negotiations, the 17th Conference of Parties(COP17) to the United Nations Convention of Climate Change(UNFCCC) agreed Sunday on the second commitment period under Kyoto Protocol"(国連気候変動条約締約国会議は、予定より1日会議を延長して困難な交渉を終えて、京都議定書のもとでの第2の約束期間について合意した)と報じました。














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25.世界の人口70億人に(最新版)ー2011.10.26・31 [国際ー国連]

*2011.11.5の第3回サロンのテキスト*

(a)日本語のニュース

 世界の人口は、10月31日に70億人を突破しました。
 これは、国連のバン・キムン事務総長が31日に発表したものです。
 これより先、26日に国連人口基金が発表した2011年版「世界人口白書」によりますと、世界の人口は、1959年30億人でしたが、半世紀で2倍以上に増えたことになり、今後も増え続け、今世紀中に100億人を突破する勢いだということです。世界の人口のうち、アジアが60%を占め42億人で、人口が最も多い国は、2010年に引き続き中国の13億5000万人、次いでインドが12億4000万人で、経済発展が著しい両国が「人口大国」として突出しています。
白書は、今後開発途上国を中心に人々がよりよい職業や収入を求めて都市に集中する都市化が加速し、水道や電気などの基本的なインフラが整わず、貧困が広がるおそれがあると指摘し、各国に周到な計画をたて適切な投資を行って、人口政策に一層力を入れるよう呼びかけています。

一方、日本の総務省が26日発表した2010年10月の国勢調査の確定値によりますと、日本人の人口は、1億2535万8854人で、2005年の前回の調査に比べて37万人、0.3%減りました。総務省が日本人と外国人を区別して集計を始めた1970年以降で初めてマイナスになりました。
日本在住3カ月以上の外国人の人口は、164万8037人で、前回から5.9%増え、これまでで最高を記録しました。国籍別では、中国が27.9%で初めてトップになり、次いで韓国・朝鮮が25.7%、ブラジルが9.3%でした。
総務省は、「日本は人口減少社会に入ったが、外国人の増加で、日本の総人口は横ばい状態だ」と分析しています。

(b) ニュースの背景

国連人口基金(United Nations Population Fund)は、国連のなかで人口問題分野での中心的な役割を果たす補助機関。基金の大半は各国政府の自発的拠出のよるもので、家族計画など開発途上国の人口政策への援助、人口関係統計の収集、分析が主な任務です。毎年「世界人口白書」を発行しています。本部はニューヨーク、東京にも事務所があります。

国勢調査(national census)というのは、人口や世帯の現状を把握するため、外国人を含め日本国内に住むすべての人について、年齢や就業状態などのデータを収集する最も基本的な国の統計調査のことです。第1回は1920年に実施されており、現在は5年に1度行われています。

(c)英語のニュース

 The world population has passed 7 billion.
This was announced by the United Nations Secretary General, Mr.Ban Ki-moon, on Monday(October 31).
Earlier, last Wednesday,the United Nations Population Fund said in an annual report that the world population has more than doubled in the past 50 years, from 3 billion in 1959.
It predicted that the world population will surpass 10 billion by the end of this century.
The Fund said that the population increase will accelerate urbanization and spread poverty, mainly in developing countries.
It called on the governments concerned to deal with these issues by drawing up plans and investing appropriately.
Meanwhile, Japan's Internal Affairs Ministry reports that the Japanese population totaled 125-million 358-thousand 854 in 2010. The population fell by 370-thousand or 0.3 percent from five years ago. It was the first drop since 1970.
Including resident foreigners, Japan's overall population rose 0.2 percent to 128-million 57-thousand 352. The pace of growth was the slowest ever.

(d)ニュースの比較研究

国連の「世界人口白書」は、毎年10月に発表されますが、開発途上国は人口の激増、先進国は人口の減少と、どの国もそれぞれ人口問題を抱えており、各国のメディアは、このニュースを詳しく伝えました。

世界で最も人口の多い中国では、国営の『Xinhua(新華社)』通信が、"UNFPA calls for global actions as world population to hit 7 bln"(国連人口基金、世界の人口70億人突破でグローバルな行動を呼びかけ”という見出しで、"With the world population projected to reach 7 billion in five days, the United Nations Population Fund(UNFPA) said in a new report on Wednesday that the milestone is a global call to action towards a future to a path to development that is environmentally sustainable "(国連人口基金は、世界の人口があと5日で70億人に達する見込みだと発表し、目標は、環境の面で持続的開発への道に進むよう将来に向かって行動するようグローバルな呼びかけをおこなうことだと述べた)と報じました。

イギリスの『BBC(=British Broadcasting Corporation)』放送は、"Population seven billion: UN sets out challenges"(世界の人口70億人突破で、国連、挑戦開始)という見出しで、”A major United Nations report has set out the challenges facing humanity a few days before the world population is expected to reach seven billion"(国連の報告書は、世界の人口が70億人を突破する数日前に、人類が直面している挑戦を開始した)と報じました。












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